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一般的な「良い母親像」は消えつつある。わが子にとっての良い親とは?

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一般的な「良い母親像」は消えつつある。わが子にとっての良い親とは?

臨床心理士・公認心理師のyukoです。受験や進路を考える中で、子ども以上にプレッシャーを感じて「どうにかしてあげないと」と感じる親御さんは多いかと思います。のびのび育てたくてもそうはいかない、そもそものびのび育てるってどうすればいいの? 関わりや視野の広げ方を考えてみます。

どんなイメージで子どもに関わっている?

自分が今子どもにとってどんな親であるか、イメージしたことはありますか?

「放任です」といっても、子どもを広い草原に放り、どこで何をしているかわからないような状態にしている方は少ないでしょう。
高層ビルから地上にいる子どもを眺めているイメージ、子どもと同じ目線で伴走しているイメージなど、想像したり周囲と話し合ってみると面白いかもしれません。

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アメリカでは、過保護や過干渉な親を「ヘリコプターペアレント」と呼ぶといいます。
ヘリコプターが空中で浮遊し頭上で留まっている様子から、常に上のほうで監視している親をイメージしたのでしょう。

一方デンマークでは、子どもを思い通りの道にすすませようとする親を「カーリングペアレント」と呼ぶよう。
氷をならし、ストーンのルートを作る様子に例えるさまは、子どもが失敗しないようにコントロールする親への風刺ともいえますよね。

自分はどんな親なのか、子どもからはどう見えているのか。そして、子どもが望む親はどんなイメージなのか。子どもとの話し合い方やすり合わせ方を考えてみます。

子どもが理想とする親像は?

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生き方もタイプも多様な現代では、「一般的な良い母親像」はもはや消えつつあります。

親世代が理想と感じていても、子ども世代から見るとしっくりこないパターンも多いよう。そんな現代においては、「わが子にとっての良い親」に目を向けていく必要があるのではないでしょうか。

まずは、子どもが親をどう見ているかを聞ける関係になるのが重要といえます。ある程度関係性がよく、また、親側に子どもの主張を受け入れる余裕がないと、そのような会話はできませんよね。

心に比較的余裕があるときに、参考程度に聞いてみるくらいの気持ちで聞けるとよいでしょう。

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最近は、TVやネットで「どんな母親であるか、どんな風に育児をこなしているか」など、自身のスタイルを話すタレントや俳優の方が多いですよね。

特に最近は、視聴者と同じ等身大の視点で愚痴や悩みを話している方が増えているように感じます。
子どもとバラエティ番組やネットニュースなどのコンテンツに触れる中で、「うちの家も同じことしてるかな?」「ママはどんなタイプに見えてる?」など尋ねてみると意外な答えが返ってくるかもしれません。

親自身が理想と考えている「ベストマザー(ベストファザー)」と、子どもが理想としている「ベストな親」は異なる場合が多いもの。想定外の発見が得られたらいいですよね。

親になってからの年齢と、子どもの年齢は同じ。

親は一番近くにいる大人であり、子どもを保護する役割を担っています。なので、必然的に子どもを導かなければいけないときもあるでしょう。

ですが、常に子どもを先導しなければならないかというと、そうとは限りません。
子どもと話している中で、「そんな視点もあるんだ」と、親子双方の知識を広げていくのも子育ての楽しみといえるでしょう。

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親はたしかに子どもの数倍の時間を生きてきています。
ただ、親になってからの年齢と子どもの年齢はまったく一緒。次女や次男であっても、「その子の親を始めてからの年齢」と一緒といえます。

「導いてあげなければ」の視点だけでなく、「一緒に進んでみよう」の考え方も持っていけると、子どもがのびのびと過ごしやすくなるのではないでしょうか。

yuko/臨床心理士・公認心理師

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