【横浜市緑区】みどり国際交流ラウンジ 音楽で異文化理解を 中国の二胡と日本の大正琴の奏者が共演
みどり国際交流ラウンジは11月2日、東本郷地域ケアプラザで、日中それぞれの伝統的な弦楽器の音色を味わう演奏会「楽しもう!中国の二胡と日本の大正琴」を開催した。来場したのは、地域住民ら約50人。二胡と大正琴の合奏もあり、来場者たちは音楽を通じた国際交流を深めた。
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同演奏会は「異文化交流会アイリス国際理解講座2025」として開催された。アイリス(2023年設立)は、東本郷に住み、地域活動に取り組む人らが立ち上げたという団体。これまでにタイの若者たちとの交流会のほか、セネガル出身の講師を招いた講座を開催するなど、異文化理解に向けた活動を続けている。
外国人増も、交流は…
横浜市統計情報課によると、緑区内には今年9月末現在、70を超える国と地域から来日した外国人約5880人が暮らし、その数は増加傾向にある。ただ、アイリスによると、東本郷地区には200人を超える外国人住民がいるものの、交流の機会は少ないという。「音楽に言葉はいらない」とアイリスの担当者。同演奏会に「音楽を通じて国際交流を深めたい」との願いを込めた。
この日は中国・南京市出身の二胡奏者・章佳紅(ざんじゃほん)さんと、区内で練習に励む大正琴演奏グループ「アプリコット」のメンバーたちが出演。「皆さん、こんにちは」と流ちょうな日本語であいさつした章さんは『蘇州夜曲』などを披露したほか、二胡の構造などを解説した。また、万里の長城や兵馬俑などの歴史的遺産について、スクリーンに写真を投影しながら紹介した。
『川の流れのように』などを披露したのはアプリコット。章さんとの合奏では『赤とんぼ』『故郷』を演奏し、両国の楽器が奏でるハーモニーに、来場者は大きな拍手を送っていた。演奏を聴いた女性は「心が洗われる気持ち。すごく感動した」と話していた。
章さんは「一緒に演奏できてうれしい」、アプリコットの代表・鶴淵真寿美さんは「二胡はすごく綺麗な音で素晴らしいと思った」と語った。
同地域ケアプラザの相馬良文所長は「それぞれの楽器の音に耳を傾けたように、相手の話に耳を傾けてみることが、国際交流の始まりになるんだと思う」と話していた。