備えあれば憂いなし 葬儀にまつわる落とし穴
費用や準備することなど、葬儀は当事者になって知ることがたくさん。心残りのないお別れになるよう、失敗事例をご紹介します。
教えてくれたのは…
株式会社あさひ葬祭 代表取締役 田中秀和さん 葬祭業歴28年。2014年に出身地の野田市で「あさひ葬祭」設立
https://www.sougi-soudan.jp/
元気なうちにできるだけの準備を
広告にある文言だけを頼りに、サービス内容を吟味しないで葬儀を申し込んだら、思わぬ事態に。そんな葬儀トラブルが増えています。
中には利用者の無知につけこみ、本来不要な費用を加算する業者の例も報告されています。最低でも2社以上から丁寧な説明を受ければ、葬儀に対する理解も深まるもの。元気で判断力のあるうちに準備しておくことが安心です。
また、葬儀について故人や家族・親族と事前に話していなかった場合、喪主は慌ただしい中で一から決めていかなければなりません。口にしづらい話題かもしれませんが、しっかり話しておくことをお勧めします。
これだけは確認しておこう!
葬儀の際には決めることがたくさん。同居していない親子なら、お盆や年末年始、法事などで顔を合わせた時に話を。
□送り方(火葬、一日葬、家族葬、一般葬、その他)
※菩提寺によっては一日葬や直葬NGの所もあるので事前に確認を
□宗教・宗派(仏式、神道式、キリスト教、無宗教、その他)
□会葬者人数
□式場(自宅近辺の式場、菩提寺、自宅、集会場、その他)
□安置場所(自宅か、自宅以外の専門施設か)
葬儀内容について
日本で行われる葬儀のおよそ9割が仏教式。ですが近年核家族化が進み、特定のお寺を持たない人や仏教式の葬儀を行わない人も増えています。中には、故人が描いた絵を祭壇に飾るといった自由度の高い式も。なお、先祖代々で檀家としてお付き合いがあるなら、お寺の方向に従う必要があります。
CASE1 費用の落とし穴
チラシに掲載されていた費用の安さにひかれて、ホームページを確認。内容も大丈夫そうと判断し、ホームページから葬儀プランを申し込み。ところが、お供えのお花は生花ではなく造花。「生花にするなら最低〇〇万円からです」と異なるプランを提示され困惑。写真では造花か生花かまでは分からず…。
<対策>チラシやホームページだけで判断せず、実際に会って業者の説明を受けること。自分の希望の内容を実現した場合、追加料金がかからないのかしっかり確認を。
CASE2 火葬の予約の落とし穴
最近は火葬場が混み合い、火葬までに日数がかかることも少なくない。「火葬場が空いていないので〇日間の安置が必要です」と言われて、追加料金が発生した、「エンバーミング(遺体を数週間保存するための処置)」を勧められた(約16万~)など、想定外の費用がかかってしまう場合も。
<対策>現在火葬場の予約はWe bから行う所が多い。そこから予約状況も確認できるので、本当に予約が空いていないか見ることができる。
CASE3 家族葬の落とし穴
親族や親しい友人のみが参列する家族葬を選んだ場合も注意が必要。故人の希望で小規模に…と考えていても、後から知った親戚からクレームが入るケースがある。葬儀後に伝えるとトラブルになるので、葬儀前に必ず訃報を知らせておくこと。
<対策>訃報を伝える際には「故人の生前の意向で家族・親族だけで葬儀を行いたいと思いますのでご了承ください。親戚付き合いは今後もよろしくお願いします」と事情を含めた丁寧な言い回しを。