富士そばなのに1品2100円だと! 高価格帯の秋葉原電気街店に行ってみたら、味よりも気になることが…
手軽にそばやうどんを食べられるチェーン「富士そば」は庶民の味方! ……だったはずなのだが、近年の原材料費の高騰の影響で価格改定を余儀なくされ、ジリジリと値を上げている。2023年12月、税込390円だった「かけそば」は現在税込430円になっているのだ。
そんな富士そばには高価格帯のメニューを提供する「To be FUJISOBA Deluxe」という取り組みを行っている店がある。そこにはなんと、税込2100円の丼が存在した! ランチ1品で2000円って高級フレンチかよ! はたしてその味はいかほどか? 食べてみたところ、味よりも店の仕組みが少々気になってしまった……。
・高価格帯の富士そば
「To be FUJISOBA Deluxe」は高品質基準のメニューの開発・販売の取り組みで、2023年8月より秋葉原電気街店より始まっている。高価格メニューは少しずつ取り扱い店舗を拡大し、代々木八幡店・大船店などでも提供されている。
その先駆けとなったメニューのひとつが「贅沢カレーかつ丼」だ。
中澤星児のレポートによると、このメニューは販売開始当時は税込1080円。通常のカレーかつ丼と比べて、肉質が明らかに違ったと、彼は伝えている。
あれから約2年半を経て、秋葉原電気街店に訪ねてみると、高価格メニューはかなり増えていた。
店頭のディスプレイには、贅沢かつ丼・大海老天丼・プレミアム紅生姜天(そば・うどん)・海老入り大判かき揚げ(そば・うどん)など、デラックス印のついた品々が並んでいる。
庶民派のそばチェーンのはずが、ここだけ価格がセレブリティ。やはりアキバに外国人観光客が多いゆえに、高価格商品を充実させているのだろう。
それらのなかでも飛び抜けて高いのは、「極上Wとろバラ豚丼」(税込2400円)だったが、残念ながら売り切れ。次いで高価格の「デラックス贅沢天丼」(税込2100円)を食べてみることにした。
ちなみに2年前に1080円だった贅沢カレーかつ丼は、70円アップの1150円になっていた。妥当な値上げ幅かもな。値上げ幅はそこまでではなかったが、上位商品に「さらに贅沢 カレーかつ丼 極」(税込1530円)が登場していた。
富士そばの価格は青天井か、豊洲市場の「千客万来」よろしく、1万円のインバウン丼とか出て来る予感さえしてしまう……。
・2100円に見合うのか?
券売機で食券を購入して、カウンターに出そうとしたら、「お席でお待ちください~、番号でお呼びします」という。注文した段階で、厨房にはオーダーが入っているらしかった。他のチェーンが導入しているのと同じ仕組みを採用しているのね。では待ちましょう。
少しして、合成音声の呼び出しがあってカウンターでトレーを受け取る。富士そば屈指の高級丼ぶりがコレです!
金色の丼ぶりからはみ出しそうな天ぷら7品。海老天(2本)・カニカマ天・ちくわ天(2本)・春菊天(2枚)、それらがご飯を覆い隠している。
まずは海老天から頂いてみると、衣は厚めで歯ざわりはしっかり。デカいだけあって食い甲斐はバツグンだ。
カニカマ天もデカいな。ご飯によく合うけど、ドッグパンに挟んでカニカマドッグにしても良さそうだ。
ご飯の上にはほどよくタレがかかっており、味も申し分ない。天丼のタレを別添えして頂けると、なお嬉しいかも。
・呼び出しが……
味もボリュームも、2100円の価格に見合う一品ではないだろうか。だがそれより個人的に気になったのが、お店の呼び出しシステムである。従来の富士そばだと……
食券を渡したら「天そば一丁」
メニューができあがったら「はい、天そばお待ち~」
みたいなのが一般的かと思う。しかし、この店では他のファストフードチェーンと同じく、モニターに番号が表示されて合成音声で番号を呼んでくれる仕組み。
その方がいいと感じる人だっているだろうが、機械的な声で「番号〇〇の方、お待たせしました」みたいに呼ばれると私的にはちょっと味気ないというか……。
時々2台のスピーカーに誤差でディレイ(遅延)がかったように聞こえてきて、それがますますサイバーチックに聞こえたりして。空港や駅のアナウンスみたいで、富士そばにいる感じがしないんだよなあ。
いずれにしても、通常店舗で味わえないメニューが揃っているので、機会があればぜひ一度、秋葉原電気街の富士そばに訪ねて欲しい。
・今回訪問した店舗の情報
店名 富士そば 秋葉原電気街店
住所 東京都千代田区外神田1丁目14-1 宝田中央通りビル
時間 24時間
参考リンク:名代 富士そば
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24