企業が選ぶ、2024年の漢字は「変」 物価高や人手不足、情勢不安に悩んだ一年を示す結果に
日本漢字能力検定協会(漢検)は12月12日、京都の清水寺で毎年恒例の「今年の漢字」を発表した。2024年の第1位は、2000年・2012年・2016年・2021年に続き5回目となる「金」だった。
今年は、パリオリンピック・パラリンピックの日本人選手や、米大リーグ・大谷翔平選手などの活躍による光の側面としての「金(キン)」と、政治の裏金問題や闇バイトによる強盗事件、止まらない物価高騰など「影」の側面で「金(かね)」を理由に挙げる人が多く見られる結果となった。
企業が選ぶ今年の漢字は2023年に続き「変」
また、帝国データバンク(TDB、東京都港区)は同日、企業が選ぶ2024年を表す漢字アンケートの結果を公表。昨年に続き、1位には「変」が選ばれた。
調査は12月6日〜10日にかけて実施し、1320社から回答を得た。
今年(2024年)1年間の事業活動を表す漢字を聞いたところ、2年連続で1位は「変」となった。選んだ理由では、「アメリカ大統領や日本の首相が変わり、世の中の仕組みも変化が激しい(化学品製造)」「変わらなければ埋没してしまう(医薬品・日用雑貨品小売)」といった意見が挙がるなど、国内外のさまざまな変化に直面する中、自身も前向きに変化した1年と捉えた企業が目立った。
2位は「耐」、3位は「忍」だった。「耐えるを選んだ理由は人手不足により現状維持が精一杯なため(建設)」「価格転嫁できる状況にはなく、耐え忍ぶ我慢の一年であった(飲食料品卸売)」など、物価高や人手不足に耐え忍んでいる自社の状況を表す言葉を選んだ企業が多かった。
4位には、新商品や新入社員、新事業、新拠点など新たな挑戦を表す「新」とともに、「忙」と「高」が並んだ。
選出理由としては、以下のような声が聞かれた。
・経済の回復にあと押しされ、多くの新たなチャレンジができた一年(金融)
・この一年、業務は多忙を極めうれしい悲鳴となった(専門サービス)
・原料高や人件費高、物価高、株高だったため(飲食料品小売)
「変」「新」は漢検の「今年の漢字」にも登場
企業が選ぶ漢字のうち、「変」と「新」は、漢検の「今年の漢字」にも選ばれた。「変」は7位、「新」は5位だった。
理由としては、「変」は新総理大臣就任や衆議院与党過半数割れなど政治の「変」化や、紙幣や郵便料金の「変」更、猛暑などの気候「変」動などから、「新」では、「新」紙幣発行や大谷選手の「新」記録のほか、「新」年すぐに起きた地震などを理由に挙げられた。
TDBが同調査を実施するのは、今年で2回目。発表の詳細は同社の公式リリースで確認できる。
なお、月刊総務オンラインでは、マイナビが2023年12月に実施した、アフターコロナの新社会人が選ぶ「社会人一年目を漢字」の調査結果を紹介している。