横浜市 公共工事「週休2日」を推進 民間への浸透も期待
横浜市は公共事業にかかる建設業の週休2日化を進めている。そんな中で25年度早期からは、発注時点で週休2日を前提とした増額分をあらかじめ組み込む方式も開始する方針という。市担当者は「まずは公共工事の週休2日を進め、それが民間工事にも広まれば」とする。
時間外上限規制とあわせ
国土交通省は建設業の働き方改革を進めており、建設業の週休2日を推進。公共工事を中心に取り組みを広めている。また労働基準法の改正で時間外労働の上限規制が2019年から適用(中小企業は20年から)されているなか、今年4月からは建設業にも適用。働き方を社会全体として見直すことで、担い手不足にも対応したい考えだ。
横浜市でも近年、工事現場における週休2日の確保を推進する工事を実施。23年度は公共工事2395件のうち週休2日工事は41%にとどまっていたが、「今年度からは、基本的にすべての工事を週休2日としている」と市の担当者は説明する。
週休2日を確保するためには、従来の工事よりも工期が長期化するが、「近年では夏場の猛暑などもある。そうしたことも考慮し、発注者としても無理のないスケジュールを前提に進めている」とする。
さらに来年度早期をめどに、発注方法自体も見直す方針だ。週休2日を確保することで工期が延びると、機械の賃料や現場管理費、労務費が以前より必要になる。従来はこういった増額分について市は、予算に計上しつつも発注段階では組み込まず、工事完了後に実態を確認した上で清算する流れだった。今後はこの増額分を発注時点であらかじめ組みこむという。
「法規制がないと」
だが、市内建設会社の経営者は「公共事業は調整してくれるようになっているが、民間の意識はまだまだ」と厳しさを明かす。「民間工事まで週休2日化するには、啓発だけでは足りず、法律などある程度強烈にやらないと実現しないのでは」と指摘した。