犬が『突然死する』原因5選 なぜ急死してしまうの？考えられる病気とは
犬の『突然死』の割合は全体の約7%に上る
犬は私たちより早く亡くなってしまうと頭でわかっていても、いざその時を迎えると心が追いつかない飼い主さんが大半です。中には心の準備もできないまま、ある日突然亡くなってしまうこともあるので、現実を受け入れられない人も多くみられます。
ある調査によると、犬の突然死は死亡原因全体の約7％に上るそうです。人によってこの数値に対する印象は違うかもしれませんが、死亡原因第7位に『突然死』が入っていると聞くと、恐ろしいと感じる人も多いでしょう。
犬が『突然死する』原因5選
犬が突然死する原因は、主に「病気」と「その他」に大きく分類されます。ここでは犬の突然死に多くみられる原因を紹介します。
1.心臓に関わる疾患
犬の突然死で最も多い原因が心臓疾患です。慢性弁膜症や心筋梗塞、僧帽弁閉鎖不全症など、さまざまな病気が上がりますが、心臓は寒暖差などでも大きな負担がかかり、突然死を招く恐れがあるので生活習慣にも注意が気をつけましょう。
体力の消耗が激しい、食欲が低下している場合は、心臓に関わる疾患を発症している可能性が疑われます。早めに動物病院で検査を受けましょう。
2.先天性の疾患
肺動脈狭窄や大動脈狭窄などの先天性疾患によって突然死してしまうケースも珍しくありません。先天性疾患を患っているからといって、必ずしも突然死するとは限りませんが、日常の何気ない負荷が原因で突然死を招いてしまう傾向があります。
普段から健康雨状態に気を使い、肥満や環境要因によるストレス、運動不足などに陥らないよう気をつけることも突然死の予防につながります。
3.胃拡張・捻転症候群
特に大型犬にみられる突然死の原因に、胃拡張症候群や胃捻転症候群が挙げられます。これらは胃が正常な位置から捻れたり変形することによって起きる症状で、短時間で容態が急変するのが特徴です。
原因は明らかになっていませんが、早食いや過食、食後の運動など、胃に負担をかける行動が発症の原因ではないかと考えられているため、前述した行為は避けましょう。
4.急性中毒症状
犬にとって有毒な成分が含まれている食べ物を誤食・誤飲してしまったことによる急性中毒症状で亡くなる事例も報告されています。
代表的な食べ物は、チョコレートやネギ類、ぶどう、生の魚介類などが挙がりますが、そのほかにも犬に与えてはいけない食べ物は数多くあります。
致死量目安が記載されることもありますが、犬の体重や健康状態によって死に至る摂取量は異なるので、油断して誤食しないよう日頃から細心の注意を払いましょう。
5.ショック死
ショック死とは、熱中症や感電、交通事故などによって亡くなるケースに多くみられます。これらは散歩時のリードの持ち方や歩き方のトレーニング、熱中症対策や室内の安全対策などを怠らないよう気をつけることで、予防につながるでしょう。
また、子犬期には低血糖症によってショック死を引き起こす事例もあります。子犬期は特に突然死が多い傾向にあるため、感染症などにも気をつけなければなりません。
まとめ
犬が突然死する理由の多くは、気づかれずに潜んでいる疾患が原因です。そのほかにも生活習慣や中毒症状、ショック死など、日常的に気をつけることで予防できる原因もあります。
日頃から愛犬の健康状態や安全面には細心の注意を払い、少しでも様子がおかしいと感じたら動物病院を受診しましょう。
(獣医師監修：寺脇寛子)