まろやかな合わせ醤油スープの中華そば【駅前ラーメン ひげ】富山駅前で半世紀以上親しまれた屋台の名店のラーメン
富山駅前で長年、名物として親しまれてきたラーメンがあります。
それが、1962年創業の「駅前ラーメン ひげ」。
駅前のロータリーに夜になると屋台が現われ、漂う香りやあたたかい光に吸い込まれる客も多く、「呑んだ後のシメには ひげラーメン」というサラリーマンも少なくなかったのでは?
半世紀以上にわたり駅前で親しまれた屋台の味を店舗で
コロナ禍などをきっかけに駅前での屋台営業は今はもうしておらず、屋台はイベント時や被災地支援などの出店のみ。
ですが、創業当時から変わらないラーメンの味は、駅から徒歩5分程度の場所に構える店舗で楽しむことができます。
2023年に移転リニューアルし、以前よりきれいで広くなった「駅前ラーメン ひげ」の本店。店構えはずいぶんきれいになりましたが、トレードマークの黄色い看板と赤ちょうちんに昔の面影を宿しています。
どうして「ひげ」なのかと言うと…
「最初は屋台ラーメンという言葉だけで、『ひげ』はついていなかったの。でも、私の父親がひげを生やしていて、お客さんから『ひげラーメン、ひげラーメン』って呼ばれるようになったんで、『ひげ』をつけようってことになった」
教えてくれたのは、名物店主だった2代目の娘で今は夫と一緒に店を切り盛りする水落美栄子さん。
新しい店内は広々としていて、テーブルとカウンター席合わせて40席余り。カウンターの上の壁には、昔の屋台の写真が飾られていて、懐かしそうに眺めていく客も少なくありません。
「前の店よりも広くなったからね。女性や学生さん、家族連れの人も増えました」(水落さん)
創業当時から変わらない名物「中華そば」
ランチタイムは50円引きの700円
創業当時の味わいを受け継ぐ「中華そば」は、水落さんの祖父で初代店主の市三郎さんが東京で教わったラーメンと、祖母のセキさんが外国航路船のコックに教わった味をベースに作られたんだそう。
豚骨と魚介を使い、独自でブレンドした醤油を合わせたスープは、深みとコク、まろやかさのある味わいです。
中太のちぢれ麺はもちっとした食感で、スープがよく絡みます。
チャーシューは、じっくり煮込んだ豚バラ肉。
しっかりとした歯ごたえで、肉のうまみやとろけるような甘い脂がまるみのある醤油スープとの相性も抜群です。
テーブルには天かすが用意されているので、お好みでどうぞ。
天かすを加えると、油のコクとほのかな甘みが増して、味変を楽しめます。
昭和の屋台ラーメンの素朴でやさしい味を受け継ぐ「中華そば」ですが、変わらないのは味だけではありません。
気軽に立ち寄ってリーズナブルな価格でラーメンを楽しんでもらいたいというサービス精神も昔から変わっておらず、本店ではランチタイムの麺類・ライスはすべて50円引きです。
「皆さん、お昼ごはんは少しでも安く食べたいと思っているでしょう。なんでも値上げの時代だから、できるだけ頑張って続けていきたいと思います」(水落さん)
中華そばのほかにも、名物の富山おでんやチャーハン・中華飯などのごはんもの、揚げ物などの一品料理と、メニューは豊富にそろっています。
金・土曜や祝日の前の日は、午前3時まで営業。
屋台ではないけれど、屋台のような人情味あふれる駅前名物のラーメン店です。
店舗情報
【駅前ラーメン ひげ】
住 所 富山県富山市神通本町1-7-6
営 業 昼(月~金曜)11:30~13:30
夜(月~木曜)18:00~25:00 (金・土・祝前日)18:00~27:00
電 話 076-431-7696
定休日 日曜、祝日
記事編集:nan-nan編集部