空っぽの物件の部屋作りをするお仕事の裏側を公開!すぐに取り入れられる家具選びの視点【インテリアコーディネート】
こんにちは。
インテリアアドバイザーのアダチツヨシです。
先日、ある戸建て物件の「ホームステージング」のお仕事をさせていただきました。
ホームステージングとは?
「ホームステージング」ってあまり馴染みのない言葉かもしれません。
賃貸物件の空室や売却予定の住宅などをインテリアコーディネートすることで、その物件がもつ魅力を最大限に引き出し、PRする手法のことをいいます。
その物件ごとに空間づくりのテーマは変わりますが、今回の物件は、「落ち着きのある、だけど何だか心弾むような」、そんな空間に仕上がりました。
今回の家具選びの視点はとてもベーシックな一例でした。
きっと多くのお宅にも取り入れていただきやすい視点だと思うのでご紹介させていただきます。
どうぞ、インテリアコーディネーターの頭の中を覗き見る感覚でお楽しみください。
今回の空間づくりの条件
ホームステージング前のお部屋は空っぽ。
ここに一から家具を並べていったわけです。
いろんなインテリアが組み合わさって成立する“空間”ですが、中でも空間の印象を左右しやすい
「ダイニングテーブル・チェア」、「ソファ」、「サイドテーブル」の家具について、選んだ際のポイントをお話します。
︎今回の家具選びの条件はこちらでした
①シンプルで飽きのこないもの
②場所が変わったとしても自然と馴染むもの
③空間が広く見えるもの
④あまり強い色が入らないもの
⑤でも何となくアクセントのあるもの
色について言うと、「白」や「黒」といった色は一見色味がないように思いますが、その一色で固めてしまったり、際立つような使い方をすると、途端に強い色になってしまいます。
色遣いって難しいものです・・・
そんなときに使いやすい色味は、やっぱり自然な木肌の色です。
木材が使われることの多い日本の家屋とも相性が良く、最も飽きの来ない素材といえるでしょう。
特に、ソープ仕上げやオイル仕上げなどの家具は経年で色味に味わいが出るため、
より一層空間に馴染みやすく成長していきます。
こんな視点で家具を選びました
①ダイニングチェア
今回のホームステージングでまず入れたかったのが、“ペーパーコード”の椅子でした。
椅子の座面の色ってどうしても空間全体に影響を与えやすいので、ナチュラルな色味でまとめたかったのと、見た目にも軽量感があってアクセントになるペーパーコードをどうしても使いたかったのです。
これまでも何度かご紹介しているように、ペーパーコードって耐久性も高く、且つ使っていくうちにフィット感も増していくという優れた素材です。
>>ペーパーコードの椅子の魅力
“抜け感”のあるフォルムなのでこの椅子4脚でも悪くないのですが、もう少しこだわりの空間演出として、残りの2脚は別のタイプを選びました。
背もたれと座面が一体となった板(積層合板)の椅子。
素朴さもありながら、上品さも感じます。
後ろ姿もお気に入り。
2タイプの椅子を組み合わせることで、視覚的な動きをつくり、全体的な圧迫感の軽減を図ることができます。
②ダイニングテーブル
椅子が先に決まったので、テーブルはこの椅子を生かせるようなものを。
椅子がどことなく柔らかさを感じるフォルムだったので、テーブルにもその印象を持たせたい。
でも、丸みが強すぎると一気に“ほっこりし過ぎ”な印象に。
そんな葛藤もあった中、セレクトしたのがこのテーブル。
木の存在感はありながら天板の厚みがなくシャープな印象。
それでいて丸脚なので椅子との相性もGOOD!
テーブルとチェアそれぞれが違うメーカーのデザインだけど、「シャープで柔らかさを感じるフォルム」という共通点で組み合わせると、ぴったりとハマりました。
インテリアコーディネートにおいて、アイテム同士に「共通点を持たせる」は基本といえます。
③ソファ
皆さんもよくお分かりかと思いますが、ソファ1台でお部屋の印象が大きく変わります。
攻めた色やフォルムだと一気にお部屋の主役に。
でも今回は「自然と馴染む」に重点を置いたセレクトです。
︎今回のソファ選びでのポイント
・ダイニングセットに木の要素をたくさん使ったので、ソファはファブリックのものにしたい
・それでも木の要素は少し入れて空間全体での共通点を持たせたい
次の写真のちょっと見えている木枠がミソです。
ここが見える見えないで大きく印象が変わってきます。
ここではできる限りのアクセントをなくしました。
この後へ繋がる布石として。
④サイドテーブル
ソファをシンプルにしたのには、サイドテーブルでアクセントをつけたいという思惑があったのです。
そして、このサイドテーブルにはおもしろい仕掛けが。
コンパクトにしまえて・・・
回転させることで天板が拡張ができます。
また、天板が大小でウォールナット材とオーク材の組み合わせになっていて、このコントラストが空間に一層の深みを持たせてくれています。
心落ち着く部屋づくりのヒント
このような視点で家具を選び、空間のベースが出来上がりました。
ここに小物を飾り付けていくことで完成です。
もちろん植物の配置やポスターの飾り方など、空間づくりには他にもたくさんの要素が欠かせません。
でも、ベースとなる家具をどのように選ぶかは、暮らしの満足度の大部分を占めます。
「落ち着いた部屋にしたい」「ずっと居たくなる部屋にしたい」「帰るのが楽しみになる部屋にしたい」・・・
そんな漠然とした理想を叶える第一歩として、
「自然体(ナチュラル)だけどちょっとアクセントが効いている」
そんな家具選びをしてみるのはおすすめです。
今回の一例が、皆さんの暮らしが豊かになるヒントになると嬉しいです。
インテリアコーディネートの裏側のお話、お楽しみいただけましたでしょうか?
今回採用した家具についてご興味ある方は、別途お問い合わせください。
また、日常の暮らしに関するお悩み事など、インテリアコーディネーターへお気軽にご相談を。
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