県高校総体 ハンドボール女子 10連覇達成した大分の見据える先は日本一【大分県】
女子の決勝は大分が序盤からリードを広げ、大分鶴崎に圧勝。節目の10連覇を達成した。GK阿波野夢叶(3年)を中心にシュートをはじき返す粘り強い守備でリズムをつくり、速攻から得点を量産した。連続9得点で一気に点差を広げ16-3で前半を折り返すと、後半は下級生に経験を積ませるためにメンバーを入れ替えたが、危なげなく試合を終えた。
不完全燃焼に終わった3月の全国高校選抜大会後から徹底した守りの戦術がうまく機能した。1人が高い位置で圧力をかけて相手のスピードを止め、5人が引いてボールを奪いにかかる。攻めあぐねた相手からミスを誘発し、一本のパスでゴール前に運ぶ速攻からの得点にこだわった。
今年のチームは170cmの阿波野を筆頭に167cmの塩津心美(3年)、165cmの外口彩奈(同)ら先発メンバーの平均身長は165cmを超える。全国でも大きなチームで、高さに加えシュート力もあるためハイテンポな点の取り合いを得意とする。
ただ、滝元泰昭監督は「今までやってきたことは出せたが、全国で勝つためには満足できる内容ではない。春の選抜で、力を出しきれないときに何ができるかという宿題をもらった」という。今後は全国高校総体に向けて、無理して速攻に行かず、ボールを回してチャンスをつくるセットオフェンス(遅攻)を取り入れ、新たなフェーズ(段階)に入ることを示唆した。
エースの塩津は「ロングシュートやスペースを狙った展開など攻撃のパターンを増やしたい」と話し、阿波野は「持ち味のディフェンスを磨きたい。日本一になる最後のチャンスなので、しっかり準備したい」と力を込めた。
(柚野真也)