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「一種の革命なんです」トランプはなぜ支持される?大竹まこと&壇蜜がゲストに聞く

文化放送

お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 5月9日の放送は、東洋経済新報社から発売している『それでもなぜ、トランプは支持されるのか』の著者であるジャーナリスト・思想史家の会田弘継氏を招き、金曜パートナーの壇蜜とともに昨今のトランプ現象について伺った。

大竹「会田さんは『それでもなぜ、トランプは支持されるのか』というご本をお書きになってます」

壇蜜「毎日過激な発言で世間がざわざわしていますね」

大竹「世間というよりは、もう世界がですね」

会田「私は、16年にトランプが当選した頃から申し上げているんですが、あの乱暴な言葉遣いや、なんでこんな人にみんな票を入れているんだろうという大きな疑問が世界中で沸いたわけですけれど、そういうことは人類の歴史の中に時々起きるんです。簡単に言うと一種の革命なんですよね。だから言葉の意味なんか変わってしまう。日本では、明治維新の頃とか、あるいは第二次世界大戦が終わって日本が大きく変わるとき、まさに昨日まで常識だったものが今日からそれは全くバツであると。今までバツだったものが常識になってくると。そういう1種、言葉の意味の転換みたいなことが起きる時があるわけですね。フランス革命もそうだったし、ロシア革命もそうだったし。それは我々が直接知ってるわけじゃなくて、さまざまな記録を読んだり、当時生きた体験を小説にしたりしてものを見ると、まさに今、トランプ現象は、そういう時代と似てることなのかなと思いました」

壇蜜「何十年かに一度、そういうことって起きますよね」

会田「特に近代化した国々、ヨーロッパや日本や中国も、そういう国ではもしかしたら7~80年に1回ぐらい、とても大きな政治的変動が起きるのは一つの波なのかなという気がちょっとしてますね」

壇蜜「じゃあ今だ」

会田「例えばね、アメリカを取ると独立革命は1776年。1770年代から80年代にかけて一つの国家が形成されたわけですが、それからおおよそ80年ぐらい経って何が起きたと思います?数字を足すと1850年前後なんですが、南北戦争なんですね。日本は明治維新。1860年代から80年ぐらい経つと1940年代になるんですが、敗戦ですね。もう完全に国家の形が変わっちゃう。戦争で負けてしまって。でも、負ける原因を作ったのはかなりの部分は自分たちなわけです。近代国家では、7~80年で変わることがよくあるのかなっていうような気がしちゃう。でもこれはサイクル的な話で、必ずしもそうなるってわけじゃないですけど、アメリカの場合もそういう傾向が時々噴出することがあるんだなという気がしています」

壇蜜「まさに今なんですね」

大竹「冒頭で会田さんは、革命なんじゃないかというふうにおっしゃいましたね。政権が民主党から共和党に変わったわけですよね。民主党はどちらかといえば裕福な人たちが結構いる。一方、共和党はそうでもない層が票の支えになっている。それと宗教も、関係しているように思います。アメリカの革命的な状態。そうなってくると、今まで通りのアメリカとの関係性っていうのは、どの国ももう維持できなくなった」

会田「おっしゃるとおりですね。大竹さん、今、大変面白いことをおっしゃって、昔、50年前だと民主党と共和党について逆のことを言っていたと思うんですね。民主党は労働者の味方で頑張ってるよなあって。それは大竹さんや我々の年代だと、歴史の中でニューディールという大恐慌が起きた後にフランクリンルーズベルトというアメリカ史の中では偉大な大統領が出てきて、人々のために国家の構造を大きく変えました。失業者がおよそ20~25%ぐらい、4人に一人が職を失うというような状況の中で、公共事業を起こしたりして、まさに社会主義的に国家の形を変えていったわけですよね。だから民主党というのは労働者のための政党だと。ところが、大竹さんがおっしゃる通り、今、民主党はお金持ちの、エリートの、高学歴の人たちの政党。共和党が逆で、労働者たち、農民たちの政党になってしまっていて、そういうふうに支持者が入れ替わって、2つの政党が全く入れ違った。普通は政党の名前を変えたり、再編が起きるんですけど、アメリカ独特の政治的な事情の中でそれは起きてないんですが、おっしゃるとおり、そういうことになったわけですよね」

壇蜜「いつから?」

会田「まあ、トランプが出てきて大変それが大きく目立つようになってきた。いろんな分析の仕方がありますけれども、変わりだしたのは1970年代ぐらい。日本も、ものづくりで大きく繁栄した国ですけど、かつて1950年代とか60年代のアメリカ車は、当時日本で作っていた自動車と比べたら、もうなんというか。なんと豊かな素晴らしいすごい国なんだと」

大竹「そうですね」

会田「今、日本の対米赤字のほとんどは、いわゆるネットの世界というか、データサービスだとかサブスクリプションで音楽聴いたり、皆さんたくさんのお金をアメリカに払っていますよね。日本はそこでものすごい大赤字を出してるわけです。アメリカは、あのようなもので国の繁栄を築いている。もう全く産業構造が変わっているわけですね。その新しい産業の繁栄を享受できるのは、ごく一部の高学歴のエリートたちになってしまってる。ものづくりはみんな他の国に移ってしまって、残された人たちは地元で小売業だとか運送業だとか、その辺りでものすごく低い賃金に抑え込まれて階級社会ができちゃってるという状況ですね。だから革命的なことは、起きざるを得なくなった」

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