吸引と木馬イス…こんなにも違う!2人の妊娠出産体験
ライターの【夏野向日葵】です。26歳と30歳で出産を経験しました。子どもたちはすくすくと成長していますが、叶うことなら赤ちゃんにもどったふたりをこの胸に抱きたい…と願う今日このごろ。今日は、2人を妊娠していたときにヒヤヒヤした経験をお話します。
このまま逆子に? 先生の熟練技に救われる
まずは1人目の子を妊娠していたときのこと。後期に入った健診のとき、「この子は逆さまだね」と先生から告げられました。「後期になるこの時期に正常位置に定まらないと戻せなくなり、【逆子】になってしまう」といわれ、戸惑いました。
そこで毎晩、逆子体操。しかし、正常位置に安定しません。「どうしたらいいのか」と不安を抱えて過ごしていました。
そんなある日、先生が手で赤ちゃんを正常位置に移動させたのです。優しく包み込むようにおなかに手を置き、少しずつ、赤ちゃんを動かします。エコーを見ると、頭を下にしている姿が見えて…。上の子は、まさに先生の「熟練技」で逆子にならずに済みました。
突然の出血! あわや流産の危機
これは2人目を妊娠したときのこと。つわりが始まるも、上の子がやんちゃ盛りで、思うように休めない生活でした。そんなある朝、違和感があり、トイレへ行くと、下着が茶褐色に汚れていたのです。
「えっ、ナニコレ? 血…」
鮮血ではなかったのですが、赤ちゃんがいるのがわかってのことですから、それはもう不安でした。夫に事情を説明し、上の子を任せて少し布団で安静に。病院の受付時間を待って、病院へかけ込みました。
病院では、「何かの原因で胎胞に少し傷ができ、そこから微量出血したのだろう」と告げられました。そして、次の瞬間! 「もしこの傷が大きくて、鮮血だったら流産していたかもしれない」と聞かされ、ヒヤリと怖い思いがよぎりました。それと同時に、先生に救ってもらったような安心感を抱いたのを覚えています。
羊水が多く、双子より大きなおなかでへその緒が…
同じく2人目の妊娠中のときのこと。1人目のときに比べて明らかにおなかが大きくなっていきました。妊娠34週目ごろの健診で、先生に「隣の診察台の人は双子を妊娠中なんだけどね、あなたのおなか、あの人より大きいかもね」と言われてしまったのです。
のちほどの診察で、その理由が判明! 羊水がちょっと多いのだとわかりました。
そんな状況下で、わが子はおなかの中をグルグル泳ぎ、そのたびにへその緒を絡みつかせている様子がエコーでわかりました。しかし、この時点でできることは何もないとのこと。
出産のときに、気が抜けないという思いだけが強くなって、胎動を感じると、うれしさと不安が増したのを覚えています。
ふたりとも「破水」で始まったお産。吸引に木馬イス
いよいよ出産。いざというときも、お産は予想外の出来事の連続です。体質なのか、子どもたちは2人とも「破水」で始まりました。でもひと言で「破水」と言っても、パターンに違いがあります。息子は、とめどなく流れ出て、羊水が枯れることを心配したほど。一方、娘は、ちょっとお水が出る程度でした。
また促進剤からの陣痛にも違いがありました。腰が砕けるような激しい陣痛だった息子は、頭は見えるものの外に出られず、吸引分娩でした。それに対し、娘の陣痛は、終始おなかの収縮のみ。
娘は、へその緒に覆われていることがわかっていたので、それが絡まる危険がありました。そこで分娩室に用意されたのは木馬のような器具。私は木馬の取手に両脇を乗せるよう指示されました。
身を委ねると、おなかが大きく動きます。急いでへその緒の状態をエコーで確認し、ここだという瞬間に一気にいきんで、ようやく誕生。へその緒は、首にふた巻きしていました。本当に無事に生まれてホッとしました。
2人の子どもの妊娠と出産は、そのときどきでトラブルがあり、不安もたくさんあります。私の場合は、信頼できる先生を信じてお任せし、ひとつひとつ乗りこえることができました。これまでの妊娠・出産・育児を振り返ると、「大変だった」このひと言に尽きる気がします。
しかし、喜びや感動はそれ以上! 長い人生、きっと「子育て期」なんてわずかな時間。子どものかわいさが、痛みも苦しみも忘れさせてくれるように思います。そしてこの苦しい時間は「宝の時間」でもあると感じます。
[夏野 向日葵*プロフィール]
主婦兼ライターです。やっと子どもたちに手がかからなくなってきて、余暇を楽しめるようになってきました。いま憧れているのは、「旅」です。軽キャンピングカーをおねだりして、あちこち気ままにのんびり旅をしたいと思っています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。