農業支援ロボット「Adam」AEA3冠!農業の課題に挑むスタートアップ企業「輝翠TECH」【柏市】
2024年11月、柏の葉カンファレンスセンターでAEA(アジア・アントレプレナーシップ・アワード)が開催され、輝翠TECH(きすいテック)が開発した農業支援ロボット「Adam(アダム)」が3部門で受賞しました。
研究成果を生かして農家の負担軽減に
AEAとは、アジア各地から優秀なテクノロジーを持つスタートアップ企業が集まり、社会課題解決につながるビジネスアイデアを競い合うコンテストです。
輝翠TECHは、月面探査機のAI研究から着想を得たAGV(無人搬送車)技術などを活用し、人材不足や高齢化社会など差し迫った課題解決を目的に活動するスタートアップ企業。
代表のタミル・ブルームさんは、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で航空宇宙工学を専攻し、東北大学のインターンシップで3カ月間日本に滞在。
その間、日本の農業に出合い、「高齢の農家さんの身体的負担を減らしたい」という思いと、博士課程でのAI研究からの着想が相まって、農業支援ロボット「Adam」が生まれました。
Adamは凹凸のある地面でも安定して進み、自ら進路を選択可能。
作業者への追従機能もあるため、作業者は重い物を持たずに収穫作業に専念でき、時間と労力を大幅に軽減できます。
購入を決めた梨農家は、「果樹栽培を20年以上行ってきて、探していた技術がここにあった。畑の中で重い物を乗せながら自分の後をついてきてくれるなら、通年の作業でパートナーとして使える」と語っています。
柏での活動と今後の展望
Adamの開発には、優秀な人材と実証実験ができる環境が必要だったことから、柏市内に新たな拠点を設立。
「柏市は、私たちのテストパートナーである梨農家や千葉大学の柏の葉・松戸キャンパスに近いので、開発テストを円滑に実施できます。また、同市や同大学のスタートアップ支援関係者からは、農家やイベント、補助金の紹介など多様なサポートを受けています」とタミルさん。
現在、Adamに草刈りや農薬散布の自動化や、AIによる最適な作業提案などの機能を付加するなど、さらなる農家の負担軽減と安全面の確保に取り組んでいるそうです。
「農業の課題解決につながればうれしいです」と話してくれました。
※問い合わせ
https://kisui.ai/
輝翠TECH