【福岡カフェ巡り】穏やかな時間が流れる太宰府の隠れ家カフェでひと休み
今回のカフェ巡りは少し足を延ばして太宰府市にやってきました。いつも多くの人で賑わう太宰府天満宮周辺で、静かなひと時を過ごしたい時におすすめのカフェを紹介します。
西鉄太宰府駅前の交差点にあるビルの奥にひっそりと佇む「KAFE MJUK(カフェ ミューク)」。道沿いに置かれた看板がなければ見過ごしてしまいそうな、“隠れ家”という表現がぴったりのカフェです。
入口のカーテンをくぐった先に広がるのは、外の喧騒から切り離された落ち着きのある店内。存在感のあるウィリアム・モリスの壁紙や味わい深いアンティーク家具、作家が手がけるオブジェやランプシェードなどが調和し、ここならではの空間を作り上げています。
2021年に「KAFE MJUK」を開いた店主の松尾朋子さんは、習い事の茶道やシアトル系コーヒーショップで働いた経験を活かしてこの場を切り盛りしています。「子どもに手がかからなくなってきた頃、これから何を始めよう、私に何ができるだろうと考えた時に選択肢のひとつとなったのがカフェでした」。スウェーデン語で「やわらかい」という意味の店名を体現するように、しなやかな印象の松尾さん。センス溢れる空間や穏やかな接客は評判を呼び、5年目を迎えたいまはすっかり人気カフェとなっています。
オープン当初より営業日も増え、メニューも充実。イベントや講座も行うなど、カフェとしての役割に加え、コミュニケーションの場としても親しまれているようです。
カフェメニューのなかでも特に人気が高いのが「カラメルプリン」(500円)と「抹茶ラテ」(600円)です。生クリームや牛乳、卵などから作ったプリンは、しっかりとした固めのタイプ。コク深い味わいのアクセントになったビターなカラメルと洋酒の香りが心地よく、これを目当てに太宰府に来たくなるほどのおいしさでした。プリン好きの方はぜひ試してみてください。
抹茶ラテは注文ごとに八女市「茶匠むろぞの」の抹茶を点てて作られます。フワフワのフォームドミルクのまろやかな味わいとほろ苦い抹茶の味わいは、海外の方にもよろこばれるそうです。
季節のスイーツも楽しみのひとつ。こちらは9月末頃までの限定商品「ラベンダー香る、無花果のレアチーズケーキ」(700円)です。ラベンダーと紅茶を生クリームで煮出し、マスカルポーネとクリームチーズを合わせたレアチーズケーキにイチジクが丸ごと入った見た目も華やかな一皿。ラベンダーのすっきりとした香りとフレッシュなイチジクの新鮮な組み合わせが楽しく、ひと口、もうひと口と試していたらあっという間になくなりました。「お菓子作りを専門的に習ったわけではないので」と松尾さんは謙遜しますが、どのスイーツもオリジナリティがあり魅力的。「アイスコーヒー」(600円)などコーヒーに使う豆は「BASKING COFFEE」によるオリジナルブレンドのものです。
スイーツを引き立てるフランスのアンティークプレートは、販売も行われています。一般的な相場に比べてかなり良心的な価格なので、気になる方は松尾さんに声をかけてみてください。
また、ポップアップイベントなどを中心に活動する「宇賀神咖喱」のカレーも楽しめます。鶏のうま味が詰まったブイヨンをベースに、九州産の若鶏もも肉と一番搾りのココナッツクリーム、高知県産青唐辛子などを加えた「ココナッツミルクとチキン」(1,300円)はピリッとした辛さとサラサラのカレーがこの季節にぴったり。ライスの上に載ったオレンジの甘酸っぱさもカレーによく合い食が進みました。ほかにキーマカレーも用意されています。
小ぢんまりとした店内のため、松尾さんとはもちろんお客さん同士の交流が生まれるのも「MJUK」ならでは。この日もリピーターという女性とカフェやカレーの話で盛り上がり、楽しいひと時が過ごせました。「お客さまとの距離が近いこともあり、サロンのような雰囲気になってきました。私自身もお話したり、コーヒーやお茶を淹れることで心が休まりますね」と松尾さん。まだまだ暑い日が続きそうですが、太宰府を訪れた際はひと時のくつろぎを求めて「KAFE MJUK」を訪ねてみてください。
KAFE MJUK
福岡県太宰府市宰府1-14-25 1F