成羽愛宕大花火(2024年11月9日開催)~ 300年以上の伝統、水面に映える動く仕掛花火
秋も深まりつつある今日この頃、先日高梁市成羽町にて「成羽愛宕大花火」が開催されました。
江戸時代より320年の歴史を誇る花火大会は、平成30年7月豪雨やコロナ禍による休止を乗り越えて、昨年(2023年)より天候の影響を受けにくい秋に開催時季を変更して復活しました。
本花火大会の特徴は、何といっても「仕掛花火」。
成羽川の河川敷にセットされた複数の仕掛けと、至近距離から打ち上げられる花火の臨場感はご当地ならでは。早速レポートします。
成羽愛宕大花火とは
成羽愛宕大花火は江戸時代より現在まで、320年続く伝統の花火大会です。
公式サイトの情報によると、年に一度鉄砲などに使っている火薬のリサイクルで花火を作ったことが、花火大会の始まりだとの言い伝えがあります。
そして、何よりの見どころは町民による手作りの「仕掛花火」。
午後7時より約1時間の間、打ち上げ花火や仕掛花火が成羽の夜空と川面を華麗に彩ります。
また、前夜祭として「子供神楽競演大会」、当日花火開始前には「奉納備中神楽」も開催されます。
渋滞を避けて早めの到着を
花火大会直前になると、渋滞により時間までにたどり着けない可能性もあるので、余裕を持って午後5時前に現地に到着しました。
この時間だと花火が始まるまで余裕もあるため、駐車場も比較的空いています。
会場の対岸にある成羽中学校のグラウンドに車を停めて(普通車 1,000円/台)、いざ現地へ。
鶴見橋の手前から、有料観覧席入口となるためここで入場料(中学生以上1,000円/人)を支払います。
橋の上からは観客席や準備された仕掛花火の数々が間近に見ることができます。
果たして、今年はどんな演出で私たちを楽しませてくれるか、期待が高まりますね。
河川敷は自由席になるため、各自それぞれに持参したレジャーシートなどを敷いて場所取りをしています。
午後6時30分、開始時刻近くになってくると観客席もほぼ満員状態に。
成羽名物仕掛花火
成羽愛宕大花火といえば仕掛花火といっても過言ではないくらい、この花火大会を特徴づけるのが町民による手作りの「仕掛花火」です。
毎年、タイムリーな話題を盛り込んだ仕掛花火が登場します。
今年は来年の関西万博をモチーフにした仕掛花火でした。
こちらはファミコンキャラクター「スーパーマリオブラザーズ」をモチーフにした仕掛花火です。
山の上から左右に延びる、成羽伝統の「大銀滝」。
点火するとまるで昼間のように、会場を明るく照らします。
成羽川の水面に揺れる水中花火。
ずらりと並んだ屋台
花火が始まるまでは、会場南側の市街地にずらりと並んだ屋台にて、軽食などを確保しました。
開始時刻が近づくにつれ、人通りも多くなってきます。
こちらの屋台では高梁川で獲れた天然鮎の塩焼きを手際よく焼いていました。
地元産の天然鮎は、やはり皆さん気になるのか、お店の前には行列ができていました。
奉納備中神楽
当地発祥の「奉納備中神楽」が会場近くの「たいこまるプラザ」にて催されていました。
花火大会が始まる前、12時頃から午後6時まで公演で、ステージに立つのは名うての神楽大夫(かぐらだゆう)たち。筆者も最後の演目である「大蛇退治(おろちたいじ)」を見てきました。
いわゆるピエロ役でもあり、時事ネタや多少のブラックジョークを交えながら、観客を笑わせて場の空気を盛り上げてくれます。
そして、よく知られた演目でもある素戔嗚尊(スサノオノミコト)による大蛇退治。迫真の一幕です。
おわりに
成羽愛宕大花火は、起源が火の神である愛宕神社への奉納花火です。
そして(地元企業や個人による協賛金などもありますが)準備や運営は住民有志によって現在に至るまでおこなわれてきていることを聞いて、地元に密着した花火大会であることをうかがい知りました。
また筆者にとっては2017年以来、7年ぶりの成羽愛宕大花火。
昨年(2023年)は渋滞に巻き込まれて開始時間に間に合わず、引き返した苦い思い出があります。今年はリベンジの意味も込め、余裕を持って訪れたので花火はもとよりお祭りそのものを楽しむことができたように思えます。
6年の長い間の休止や、地域の人口減少や資金面などでの苦労もあるとのことですが、末長くこの花火大会が続いていくよう、観客の一人としても応援していきたいと思います。
そして…、来年も絢爛豪華(けんらんごうか)に開催されることを楽しみにしています。