「まちかど博物館」新たに2館 伊賀・名張 8年ぶり認定
地域に根付いた伝統の技や個人のコレクションを仕事場、自宅で公開する「伊賀まちかど博物館」に8年ぶりに2館が新規認定された。運営委員会によると、追加登録の2館を含め、現在は伊賀地域で92館が活動している。
島ヶ原鉄道博物館 伊賀市の大矢さん
伊賀市島ヶ原の自宅の8畳間を「島ヶ原鉄道博物館」として新旧さまざまな鉄道グッズ約500点を公開しているのは、「鉄道が好きで就職した」と言ってはばからない元国鉄・JR職員の大矢繁さん(73)。OBや現役職員が多く住み、「鉄道村」とも呼ばれてきたこの地で、鉄道の歴史や果たす役割を後世に伝えようと画策している。
祖父、父とも国鉄職員で、自身も関西圏の駅や旅行センターなどで38年間勤務した。数えきれないグッズは、即売会や鉄道関連のイベントなどに遠近問わず足を運び、収集してきたものが中心で、70歳を節目に公開しようと考えていたという。
蒸気機関車のプレートや腕木式信号機の部品、特急列車の運行開始時などで販売された限定グッズなどに、最近ではHOゲージの鉄道模型、関西線を走る検測車両を撮影した写真なども加わった。
開館に当たり、大矢さんは「グッズを収集してきた愛好家や元職員の方々が大切な品を眠らせてしまわないよう、寄贈頂くなどしてここで見てもらえるよう声を掛け続けていこうと思う」と話した。
入館は無料だが、見学には予約が必要。
問い合わせは大矢さん(090・2349・2197)へ。
竹あかり工房きぼう 名張市の竹森さん
名張市新田の旧初瀬街道沿いにある「竹あかり工房 きぼう」は、通信制高校3年の竹森龍馬さん(17)が館長を務める。
小学生の時、伊賀市の竹あかり作家が開いたワークショップに参加したのを機に作り始めた。中学卒業後に本格化し、2022年9月に工房を自宅の一角に開設した。
竹あかりは、近隣住民の協力の下、竹やぶで伐採したモウソウチクに穴を開け、さまざまなデザインを表現する。館内では、地域の歴史やゆかりの人物などを題材に手掛けた作品を展示。ワークショップも開いている。
認定について竹森さんは「数年前から申請していたので、うれしい。地域の文化を盛り上げる一員になれたら」と話した。
見学などは要予約。
問い合わせは竹森さん(080・8895・1346)まで。