藤沢各地で凧揚がる 5月の風物詩
5月上旬、藤沢の抜けるような青空に、2地区から凧が揚がった。境川沿いを拠点とする「立石凧保存会風神会」(神崎憲一会長)と、市北部打戻の「南風會」(金子一男代表)だ。
3日から5日にかけてに揚げられた風神会の凧は、12畳(19・44平方メートル)のものを含め3種類。12月に丹沢山地で採れた竹を乾かし、薄く削り角を残さず取って組み立てる。夏には「風」「神」「蓮」の模様を施し、毎年約15カ月をかけて作成する。
古くから境川下流沿いで行われていた凧揚げ。約50年前から地域の恒例行事として、5月には青空の下で宴会と凧揚げを行う。今では立石だけでなく市内から参加者が集い、今年も多くの人が凧を見守った。「揚がったときは歓声があがった。毎年のことだが達成感がある」と同会のメンバーは話す。
4日には、南風會の作成した「御」「所」「見」の凧が打戻の空を泳いだ。御所見地区内で採れた竹を地元の建設会社の倉庫で組み立てる。
今年は竹をなるべく細く割くなど軽量化のために工夫を重ね、倉庫に搬入できる3間(高さ5・45m)の大きさに初挑戦した。当日は3時間にわたり空中に留まり、初の試みは大成功。同会は「来年はさらに大きな凧を空に揚げたい」と意気込んだ。