ジビエが楽しめる西宮のオーガニックカフェ『cocozion(ココザイオン)』 西宮市
「ジビエが食べられるカフェが、西宮市にあるらしい」。そんな噂を耳にして、少しだけ背筋が伸びるような心持ちで訪れた『cocozion(ココザイオン)』は、カレーから天丼、ハンバーガー、スイーツまで豊富なメニューを揃えながら、一つひとつにしっかりとしたコンセプトを備えたお店です。“なんとなく体にいい”を軽々と超えて、ひと口ごとに、内なる力がゆっくりと湧き上がるような満足感を与えてくれる、同店の魅力を紹介します。
今回いただいたのは、「鹿ロースカツカレー」のランチセット。まず見た目のボリュームに驚かされましたが、野菜のうまみをぎゅっと閉じ込めたスパイスカレーに、圧搾法の有機なたね油でカリッと揚げた鹿肉のロースかつ、季節の野菜が香ばしく添えられていました。
普段油を控えている私には食べきれないと思ったが、まったく胃もたれすることなく、余裕で食べられたのにはやはり、ジビエの高たんぱく・低脂肪という特性と、油や素材に一切妥協しない調理へのこだわりがあるのだと思いました。
また、添えられている黒い色のごはんは、麻炭を加えて炊いた7分づきの玄米で、上にはカリカリの麻の実ナッツがのっていました。栄養バランスもよく、体がゆるやかに「巡り」始める感覚になります。まさに“食べるセラピー”のよう。
食後にいただいたのは、梅を使った「自家製酵素ソーダ」。やさしい酸味とほんのりした甘さで、食後の身体にすっと染みわたる味わいでした。
季節によって内容が変わるこのドリンクは、旬のフルーツ(梅、いちご、パイン、ベリーなど)を「粗糖」というミネラルたっぷりの糖で漬け込んで発酵させたもの。腸内環境をやさしく整えてくれる発酵ドリンクとして、カフェタイムの一杯にもおすすめです。
このお店では巡りを重要とし、“水による毒出し”を大切にしていると聞いて、どんな水なのか気になっていたところ、出してもらったのが“飲む化粧水”と呼ばれる水素水(電解水)に麻炭を加えたもの。クセはなく、まろやかで飲みやすいのに、あとから体がスッと軽くなるような不思議な感覚がありました。
店内の空間設計もこの店のこだわりのひとつ。角はすべてカーブの設計に、壁や床には麻炭を塗り込むことで、空間全体にやさしい“巡り”を生んでいます。天井には、流木と鹿の角で作られた龍のオブジェが巡り、店内の氣の流れを象徴する存在に。静かながらも芯の通った空気感が漂います。
ショップスペースには、無添加・自然栽培の食品や暮らしの道具が美しく整列。選ばれているのは、使い終わったあとまで想像して選ばれたものばかり。“地球と調和する暮らし”を日常に取り入れるヒントが並びます。
20年近く“めぐりのある暮らし”を実践しているという、取材に応じてくれた素敵な女性の言葉が印象に残りました。「食べることも空間にいることも、“めぐり”を意識しています」と話すその姿には、積み重ねがにじむような透き通る美肌で説得力がありました。
食と空間のすみずみにまでこだわりが行き届いたこの場所は、身体をめぐらせることの心地よさを、さりげなく思い出させてくれるようでした。
場所
ココザイオン (cocozion)
(西宮市大谷町1-32 サンライフ大谷 1F)
営業時間
11:00~20:00
定休日
月曜日、火曜日
駐車場
あり