150キロを打たれたら、160キロを投げればいい!今は「もっとたくさん投げたい」気持ちが強い!!千葉ロッテマリーンズ・中森 俊介【ラブすぽ独占インタビュー】
「チームのためにプレーしていきたい」
『ラブすぽ』直撃インタビュー
兵庫県の強豪校、明石商業高等学校から千葉ロッテマリーンズに入団し、今季でプロ5年目となる中森俊介投手。
セットアッパーとして、クローザーとして、ゲーム終盤の大事な場面でマウンドに立ちチームに貢献する中森投手に、今シーズンの意気込みや手応えを聞くため直撃インタビューを実施!
「真っ直ぐ」が強くなったことで
変化球も生きるようになった
――今季はここまでセットアッパー、クローザーとして素晴らしい活躍を見せています。手応えのあるシーズン序盤を送れているのでは?
中森 真っすぐの強さが昨季に比べて出ていると思うので、手応えも少しずつ感じることができています。
――一番手応えを感じているのは「真っすぐ」?
中森 真っすぐが強くなれば、変化球も生きてきますし、軌道と高さを意識すれば良いところにいって空振りを取れていると感じています。
――今季、その真っすぐが良くなった理由は?
中森 昨季が終わってから今季に向けてしっかりとトレーニングをしてきたので、それが結果につながっているんじゃないかなと思います。
――現在の野球界は投球データも細分化されています。一言で「真っすぐ」といっても、球速、回転数、回転効率などいろいろな要素がありますが、現時点で中森投手が一番意識しているのはどこでしょう。
中森 一番は球速です。昨季は平均球速が少し落ちてしまって、そのぶん変化球を良いところに落としてもはじき返されるケースが増えてしまいました。なので、今季はまずは真っすぐのスピードを強化したいと思って、オフからトレーニングを積んできました。
――「球速」の面では、今はある程度思い描いた結果が出ている?
中森 球速はもっと伸ばしたいですね。メジャー平均が152キロくらいなので、まずはそこまで持っていきたいと思っていますし、そのためには「最速」の値も上げていかないといけない。シーズン中にフィジカル面を鍛えて球速を上げるのは難しいと思うんですけど、メカニックの部分を修正すればまだまだ(球速は)出るのかなと。
――今シーズン中も、今より球速が上がる手応えがある?
中森 それはまだまだあります。その上で、オフに入ったら今度はフィジカルの強化にも取り組んで、さらに上を目指したいです。
――球速の「メジャー平均」という言葉が出ましたが、「平均値」というのは意識する?
中森 回転数や回転軸もそうですが、平均値から「離れる」ことが大事なのかなと思っています。「平均」というのは打者が一番合わせやすい部分なので、なにか突出したモノをもたないといけない。そうでなければプロの世界では通用しないと感じています。
チームに少しでも貢献できるよう
「もっともっと投げたい」!
――中森投手は今季でプロ5年目。1~2年目はファームで過ごし、3年目に一軍デビュー。そして5年目の今季、開幕から一軍の戦力になっています。改めて、プロ入りから現在までを振り返ってもらえますか?
中森 3年目に開幕一軍に入れましたけど、自分の中では決して順調に来たとは思っていません。2年目までは身体づくりがメインでしたし、ケガもしてしまいました。先ほども話しましたが去年も球速が落ちる経験をしたり、どちらかというと去年までの4年間は苦しいことが多かった印象です。
――プロ入りからの2年間はいわゆる「田植えの時期」で、ケガもありながら登板機会もなかなか得られなかった。そういう苦しい時期をどう乗り越えたのでしょう。
中森 ケガをしていた時期は、復帰してからの自分が成長した姿を思い描きながら、それをモチベーションにトレーニングに励んでいました。
――そんな時期を経ての今季、中森投手は一軍で「リリーフ」を任されています。自分の役割についてはどう捉えていますか?
中森 今季はもともと先発をやる予定でスタートして、オフからのトレーニングもそのつもりでやってきました。長いイニングを投げるつもりで身体を作ってきたので、むしろ「もっとたくさん投げたい」という気持ちが強いです。
――リリーフならではの難しさを感じることは?
中森 リリーフはどのタイミングで投げるかが決まっているわけではないので、急に「中森いくぞ」と言われてスイッチを入れるのが正直難しかったです。ただ、どの場面においても自分のやることは変わらないです。最近は大事な場面で投げさせてもらえることが増えてきて、ちょっと言い方が悪いかもしれないのですが、「自分が打たれて負けても仕方がない」というマインドで投げています。
――リリーフにとってはそういう「切り替え」も大切?
中森 その日のうちに切り替えるようにはしています。打たれたり悪いピッチングをしても、逆に良い結果が出ても。
――「良い結果」でも切り替える?
中森 その日はその日で終わったことですし、次の日に投げるかもしれないので、どんな時もリセットするようにしています。一番は結果がどうこうではなくて自分のパフォーマンスを上げること、そのための身体づくりを意識しています。たとえば、150キロの良いボールを投げて打たれたとします。そんな時は、「それなら160キロの良いボールを投げればいい」と考えて、そのためにやるべきことをやる。そういう気持ちを持ってプレーしています。
――結果に対してだけじゃなく、今の自分を常に上回っていくという意識。その意味で今季、一番成長できていると感じる部分は?
中森 バッターに対しての配球を、自分でも考えられるようになってきたと思います。データも頭に入れながら、自分のボールの強さと相手の力量を考えて、「押すべきところ」と「引くべきところ」をマウンド上で考えられるようになってきた気がします。
――ありがとうございます。最後に、今季の目標とファンの方へメッセージをお願いします!
中森 今季、僕自身は連投も含めてもっともっと投げたいですし、チームのためにプレーしていきたいと思います。このインタビューを見て、僕のことを知ってくれた方には、これを機に僕のことを応援してくれると幸いです。これからもよろしくお願いします。
収録:2025年6月13日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ