旧上越観光物産センターが健診施設に 上越市が新潟県けんこう財団に譲渡
新潟県上越市は2024年11月26日、同市藤野新田の旧上越観光物産センターについて、県内で健康診断事業を展開する一般財団法人「新潟県けんこう財団」(新潟市中央区)に建物を無償譲渡し、土地を売却すると発表した。同財団と上越医師会が共同で、健康診断や人間ドックを行う健診施設を2026年1月に開設する予定。市は関連議案を12月定例市議会に提案する。
《画像:旧上越観光物産センター(上越市藤野新田)》
1991年にオープンした旧上越観光物産センターは、敷地面積約8000平方m、建物は大ホールや中ホールなどがある2階建てで延べ床面積は約2400平方m。開館から30年以上が経過して老朽化し、貸館を継続するためには少なくとも1億2700万円の改修費がかかることから、市は2023年4月から休館し、その後廃止した。本年度に公募型プロポーザルで利活用事業者を募集していた。
プロポーザルには県けんこう財団と上越医師会の共同提案のみ応募があり、税理士や不動産鑑定士、地域の代表など6人の委員による選定委員会が優先交渉先として選定した。市は公共性の高い保健サービスであることや将来の財政負担の軽減となることから、建物の無償譲渡と土地の売却を決めた。売却額は土地評価額から建物の解体撤去費用を除いた参考価格と同程度の3300万円。
市によると、土地と建物は県けんこう財団が所有する。2025年度に10億8000万円をかけて改修工事を行い、2026年1月にオープン予定で、上越地域3市の市民を対象に健康診断や人間ドックを行う。
県けんこう財団は1984年に健康医学予防協会として創業し、新潟市や長岡市で健診センターを運営している。
定例記者会見で中川幹太市長は「市民の健康管理に資する新たな施設ができることは喜ばしい」と述べた。
旧上越観光物産センターの場所