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令和のウエスタンはここが違う! 「シュガーケーン」福富さんが提案する、王道とはひと味違うネオロカビリースタイル。

Dig-it[ディグ・イット]

アメリカ西部の開拓時代、カウボーイや農夫たちが身に着けていた服装にルーツを持つウエスタンスタイルは、アメリカを象徴するファッションのひとつである。現代のアメカジブランドでも定番の要素として存在しているが、近年はそのウエスタンテイストをアクセントとして取り入れる動きが広がりを見せている。ここでは、そんなウエスタンデザインを提案するブランドのひとつ「シュガーケーン」の2025年版コーディネイトを紹介していこう。

横振り刺繍とエイジング加工が無二の存在感を放つ。

シュガーケーンの企画統括を務める福富雄一さんは、音楽をきっかけにウエスタンの世界に魅了されたそう。いわゆる1950年代の王道ロカビリーというよりは、1980年代に英国を中心に興ったネオロカビリーというジャンルに影響を受けた。

「’70年代後半ごろにロンドンパンクが台頭した影響でロカビリーが見直され、よりテンポが速く激しいネオロカビリーというジャンルに派生していきました。10代後半〜20代前半にかけて、そんなネオロカビリーにハマっていた私は、アーティストたちが着ていたウエスタンアイテムに興味を持ち、自分でも買ったり着用したりするようになったんです」。

スタイリングの主役は、SUGAR CANEからリリースされた新作のウエスタンシャツだ。

「ベースはウエスタンシャツの黄金期とされる1950年代に見られた王道の仕様ですが、見てのとおり、モチーフの刺繍と鋭いエイジング加工で、一枚でも十分存在感のあるシャツに仕上げています。両胸と背中にはネイティブ・アメリカンのブランケットに見られる幾何学模様を、左裾には雪や嵐を司るとされるサンダーバードの刺繍をあしらいました」。

アメリカ生まれの王道ロカビリーではなく、英国で隆盛したネオロカビリーがルーツにあるということもあって、王道のウエスタンブーツではなくDISPENSARYというブランドのスリッポンやGeorge Coxのブルースウェードシューズをウエスタンスタイルに取り入れるところが福富さんらしい。

「ベルトには、通称“ロンドンピラミッド”とも呼ばれる四角錐型のスタッズが付いていたり、足元にはジョージコックスを合わせたりと、英国のニュアンスもあるウエスタンアイテムを取り入れているところは、自分の“好き”が反映されていますね。ちなみに、このジョージコックスのシューズはブルースウェードレザーを使用しているのですが、ロカビリー界の王とも呼ばれるカール・パーキンスが『ブルースウェードシューズ』という曲を作っています。実はロカビリースタイルとも繋がりのあるアイテムなんですよ」

SUGAR CANE Lot No. SC29473 / BLUE DENIM WESTERN SHIRT EMBROIDERED AND AGED MODEL

シュガーケーンの定番として展開されているデニムのウエスタンシャツに、ネイティブな刺繍とエイジング加工を施したスペシャルモデル。ディテールは、黄金期とされる1950年代の仕様を同ブランドらしいクオリティの高さで再現している。3万6080円

雪や風を司るとされるサンダーバードの刺繍がアクセント。50年代らしい3連カフスと、白蝶貝を使った1点ずつ表情の違うボタンも魅力だ。

両胸にはネイティブアメリカンのブランケットに見られる伝統的な幾何学模様を採用。太番手の横振り刺繍は、どこか温かみもある仕上がり。

刺繍がヨークに跨っている点に注目。先刺繍ではなく、縫製してから刺繍を入れるため手間のかかる仕様。先刺繍では出ないアジがある。

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