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組み木の魅力や楽しさを広く伝える「にいがた組み木の会」。

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組み木の魅力や楽しさを広く伝える「にいがた組み木の会」。

以前ご紹介した組み木ブランド「くみ木の森」たかいさんのパートナーとして、組み木製作に携わっているのが「にいがた組み木の会」の会長を務める平山さん。今回は平山さんが工房として使っている自宅ガレージにお邪魔して、組み木のこだわりやワークショップの魅力についてお話を聞いてきました。

にいがた組み木の会

平山 力 Tsutomu Hirayama

1948年石川県生まれ。道路工事の会社に入社し、新潟県へ配属される。たまたま参加した体験会で組み木と出会い、2012年に仲間と「にいがた組み木の会」を立ち上げて、組み木製作やワークショップなどの活動に取り組む。現在は代表を務めている。サッカー観戦が趣味で、アルビレックス新潟を応援。

定年退職を前に出会った、組み木づくり。

——こちらが平山さんの工房なんですね。

平山さん:ガレージだから普段は車を入れているんだけど、作業をはじめる前に車を出して工房として使っているんです。今日の取材では写真を撮るだろうと思ったから、作品を並べて即席のギャラリーを作っておきました(笑)

——気を使っていただき、ありがとうございます。いろいろな組み木作品が並んでいますけど、平山さんは何がきっかけで組み木と出会ったんですか?

平山さん:定年退職を前にして何か趣味でもはじめようと思って、組み木づくりの体験会に参加したのがきっかけなんです。私の父親は大工だったから、子どもの頃から木を使った工作には親しんでいたんですよ。孫が生まれる予定もあったので、組み木でおもちゃを作ってあげたいという気持ちもありました。

——体験会に参加してみていかがでした?

平山さん:組み木の面白さはもちろん、いろいろなものを作ることができる電動糸鋸盤の便利さに感動しました。それまでは仕事一筋だったので、電動糸鋸盤という便利なものがあることすら知らなかったんですよ(笑)

——それで組み木づくりにハマったんですね。

平山さん:それで、作って楽しむだけじゃなく組み木の魅力を広く世のなかに知ってもらおうと、組み木づくりの仲間と4人で「にいがた組み木の会」を立ち上げました。

——「にいがた組み木の会」ではどんな活動をしているんですか?

平山さん:組み木の作品展を開催したり、組み木づくりのワークショップを開いたりしています。おかげさまで、今では会員も女性を含む22人に増えました。

子どもが遊ぶための「おもちゃ」として作る組み木。

——組み木を作るときに、心掛けていることってありますか?

平山さん:とにかく急がないことでしょうかねぇ。急いで作ると雑になっちゃうから、丁寧に楽しみながら作るようにしています。それ以上に大切にしているのは、心を込めて作ることかな。そうすることで、不思議と切り口も綺麗になるんですよ。

——料理でも心を込めて作ると美味しくなるっていいますよね。他にもこだわりがあれば教えてください。

平山さん:新潟県産木材のPRにつながってくれたらという思いで、魚沼産のブナや糸魚川産のホオノキを使うようにしています。それによって県産木材の需要が少しでも伸びて、森林保護に還元されたら嬉しいですね。どちらも木肌がいいので、手触りのいい組み木おもちゃが作れるんですよ。特に十日町産のブナは、白肌で見た目も綺麗なんです。

——白っぽくて手触りがすべすべしていますね。

平山さん:組み木で遊ぶ子どもにはできるだけ生の木に触れてほしいから、なるべく色を塗ったりオイルを塗ったりしないようにしているんです。組み木作品を遊ぶためのおもちゃとして作っているので、子どもたちの自由な発想で独創的に楽しんでほしいと思っています。

——どの組み木作品も「おもちゃ」として遊ぶことを前提に作られているわけですね。なかでも特に思い入れの強い作品があったら教えてください。

平山さん:娘のお腹に赤ちゃんがいたときに、娘が描いたイラストを組み木作品にしたものですね。個人的にとても思い入れが強いので、参加する作品展には必ず出品しています。イラストやデザインには作者の思いが込められているので、それを汲み取って組み木に表現するよう心掛けています。

組み木づくりのワークショップを通して育まれるもの。

——組み木を作るワークショップも開催されているんですよね。

平山さん:新潟県内のイベントにお邪魔して、年20回くらい開催させてもらっています。ゲームやアニメばかり楽しんでいる子どもたちにも、ものづくりの楽しさを知ってもらいたいという思いで開催しているんですよ。参加した子どもたちを見ていると、作っているうちに表情がキラキラと輝いてくるのがわかるんです。お父さんやお母さんもびっくりするほど集中して楽しんでいますね。

——親も知らなかった一面を引き出しちゃうんですね。

平山さん:なかでも、お母さんと一緒に参加した内向的な子どものことが印象に残ってます。普段は自分の気持ちを決して口にしない子が、楽しそうに参加している周りの子たちを見ているうちに「僕もやりたい」と口にしたんです。知らない人と一緒になって、夢中で組み木を作る我が子の姿を見たお母さんは、帰り際に涙ぐみながらお礼を言ってきました。そのときはワークショップをやってきてよかったと私も胸が熱くなりましたね。

——お話を聞いていて、私も胸が熱くなりました。子どもが成長するきっかけにもなるのかもしれませんね。

平山さん:そうかもしれません。あとワークショップで作った組み木を通して、家族とのコミュニケーションが増えたらいいなと思うんです。あるワークショップで中学生の男の子がうさぎを作っていたので「可愛いものを作るんだね」と話しかけたら、おばあちゃんにプレゼントするために作っているということでした。贈られたおばあちゃんはとても喜んで、そのうさぎをいつも側に置いて離さないそうです(笑)

——またまた心温まるお話ですね。

平山さん:ワークショップの後にアンケートを送ってもらうと、いろいろな感想を聞くことができます。ある小学生は玄関に飾ってある自分の作品に、朝夕「いってきます」「ただいま」と挨拶するようになったそうです(笑)。自分で作ったものには愛着が生まれるので、ものを大切にする心も育つんですよ。

——組み木づくりを楽しみながら、いろいろなことを学べるんですね。最後にこれからの予定があったら教えてください。

平山さん:来年は「全国組み木フェスティバルin新潟」を燕市で開催する予定なんです。前回に新潟で開催した2012年からは12年ぶりで、全国からたくさんの組み木作家が集まるイベントになっていますので、興味のある方はぜひ遊びに来てください。

にいがた組み木の会

新潟市江南区船戸山5-6-13

090-2630-8038

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