Shibu3 project 吉田羽花・小林那波・上村佳里奈、OG・豊田ルナ[インタビュー]青春の集大成にかける熱い想い「先輩たちと同じ場所で卒業を迎えられることが夢のようで嬉しい」
Shibu3 project(以下、シブサン)が、3月20日(木・祝)に横浜1000CLUBにてワンマンライブ<「MY SMILE STORY 令和6年度シブサン卒業式」supported by UP-T>を開催する。
同グループは、プラチナムプロダクションに所属する高校3年生までのメンバーで結成された大型ガールズグループで、高校を卒業するタイミングでグループからも卒業するという、アイドルグループとしては珍しい制度が設けられている。
今回、シブサンを代表して、同公演をもって卒業する吉田羽花、小林那波、現在中学3年生の上村佳里奈、2021年にグループを卒業した豊田ルナにインタビューを実施。シブサンに対する想いやシブサンで過ごした日々、活動を通して成長できたこと、今年の卒業式などについて話を訊いた。
撮影:河邉有実莉
編集協力:竹内伸一
みんなで一斉に“ごめんね”って言ってハグし合った(笑)(吉田)
――現役生の3人は、この1年はどんな年でしたか?
吉田・上村・小林:
えーと……(お互い顔色を探り合う)。
豊田:
(見かねて)どうだった? まず何があった?
吉田:
最初はケンカばっかりで(笑)。
小林:
遠征でね(笑)。
――どうしてケンカになっちゃったんですか?
吉田:
1個前の先輩たちの代は居心地がよすぎて、新しい代になったら、すれ違うことが多くなってしまって。
上村:
ウマく意見がまとまらなくて。みんなShibu3 projectのことを思っていて、もっとよくしたいって思っているからいろいろなアイディアを出し過ぎちゃって、結果、全員がすれ違っちゃった(苦笑)。
吉田:
そんな感じだったよね(笑)。
小林:
でも、それって本音を言い合えている証でもあるよね。
豊田:
みんな同じ目標に向かってはいるんだけど、それぞれが違う行き方を提案するから、結局みんな迷子になっちゃったんだ(笑)。今はどうなの? 今もケンカする?
吉田:
今は仲よしだよね?
上村:
仲よし!
小林:
遠征ではいろいろあったんですけど、その次のレッスンだったかな、みんなで会う機会に“泣きながら謝ってハグをする”みたいなこと、あったよね(笑)。
吉田:
レッスン終わりに、スタジオの外で“みんなで話し合おう”ってことになって、そこでみんなで一斉に“ごめんね”って言ってハグし合った(笑)。
小林:
ハグの行列ができていたよね(笑)。
上村:
その時、私はいなかったんですけど、そこで何か変わったなっていうのは伝わってきて。ケンカもあったけど、みんなの仲は深まってよかったなってすごく思った。
吉田:
そこからはずっと仲よしだもんね。
――ちなみにケンカが起きた遠征は、いつ頃だったんですか?
吉田:
新しい代がスタートして最初の頃……6月くらいだったかな。
豊田:
こういうことって毎年訪れている気がします。卒業生がいなくなって……いなくなる人数は代によって違うんですけど、去年は9人くらいが一気に卒業して、選抜に入っていたメンバーがごっそりいなくなってしまったので、今までよりも大きく変化が起きたんだと思うんですよ。それによって新しく土台を築き直す必要があったんじゃないかな。だから大変な代だったと思います。
――吉田さんには去年も取材させていただきましたけど、すごく寂しそうでしたよね。
吉田:
めちゃめちゃ寂しかったです。卒業しないでほしかったです。
小林:
今度はいなくなっちゃう側だよ、ヤバいよね。
上村:
毎年、1年かけて仲が深まっていったのに、4月になるとまたイチからっていうことのくり返しなんですけど、特に去年の3月は9人もいなくなっちゃったから、本当に大きな変化があった年でした。それなのに、また4月から新しいShibu3 projectを築き上げていかなくちゃいけなくて。正直、ちゃんとできるか不安です。
――Shibu3 projectは、学年関係なくみんなで話し合って活動の方向性を決めていくんですか? それとも高3の子が中心になって進めていくんですか?
小林:
学年は関係なくですね。
豊田:
その代ごとにリーダーはいて、今年は羽花がリーダーで。リーダーを中心に話をまとめていくという感じではあるんですけど、ピラミッド方式ではなくて、サザエさんっぽいというか……。
一同:
はははは(爆笑)。
豊田:
『サザエさん』のエンディングみたいな感じでリーダーが引っ張っていく感じですね。みんなで話をして“じゃあ、こうしよう”ってリーダーがまとめる。
――学年の垣根を越えて言い合えるというのはShibu3 projectならではなのかなと思いました。
小林:
そうだと思います。
学生同士だからこそ話せることもたくさんある(上村)
――今年の卒業生は何人なんですか?
吉田:
私たちも合わせて5人です。
――5人抜けてしまうのは大きいですね。上村さんは、4月からどういうグループにしていきたいと考えていますか?
上村:
毎年、高校3年生のメンバーって本当に頼りがいがあるんです。だから卒業しちゃうと毎回不安になって、その先が想像できなくて。来年度もまたケンカが起こるかもしれないし。やっぱり新体制になってすぐにみんなの意見がパズルのように組み合わさるってことはないって思うので、みんなで本音を言い合いつつ、まとまっていけるように頑張りたいなと思っています。
――3年生が抜けるのは大きいですよね。豊田さんからは、今の代はどう見えましたか?
豊田:
私が卒業してから見てきた代の中では、いい意味でバラバラだったなって思います。それぞれに個性的な色があったというか、今までだと、赤っぽい色の子が何人かいて、青っぽい子も何人かいてという感じで、グラデーションで連なっていくようなイメージだったんですけど、この代はそれぞれが色を持っていた気がしますね。だからこそ、ぶつかる瞬間もあったんでしょうけど。でも“その色もいいよね”ってお互いに認め合ったからこそ、お互い理解し合えて、絆は深いんだろうなって思います。Shibu3 project全体のグループLINEがあって、私はだいぶ前に卒業しているんですけど、なぜかずっと生き残っているんです(笑)。卒業生って毎年いなくなっちゃうんですけど……振り付けとかもやらせてもらっているので、共有すべきことがあるんですけどね。それで、LINEを見ていると、この代が多分1番動いてたと思います。“今日のライブはこうだったから、次はこうしましょう”とか、“MCではこういうことをしゃべりましょう”とか、“レッスンの時のまとめです”って送り合っていたりとか。すごく活発に動いていたイメージがあって。今までは言わなくても通じ合っていたのかもしれないけど、たぶんそういうことも全部言葉にして伝えることでコミュニケーションをしていたんだなって思いましたね。
吉田:
LINEグループに関しては、1日中動いていることもありました。1つ前、2つ前の代だと、マネージャーさんが連絡事項を送るくらいだったんですけど、今の代はメンバーみんながいろいろな意見を言ったりしていて、みんな頼りがいがあるなって思っていました。
――吉田さんは去年、本当に不安そうでしたけど、頼もしいリーダーになったというか、しっかりとグループを引っ張っていく存在になりましたね。
小林:
頼もしいリーダーです!
吉田:
ありがとうございます(笑)。
――Shibu3 projectは、ある意味学校みたいな環境だと思うんですけど、みなさんそれぞれにとってどういう場所でしたか? これまでのインタビューだと、成長させてくれる場所、挑戦させてくれる場所という答えが多かったんですけど、いかがでしょう?
小林:
やっぱりそういう場所だと思います。
一同:
(うなずく)
――ではShibu3 projectがほかのグループとは違うところはどこですか?
吉田:
ほかと違うと言ったら、やっぱり卒業制度があるところだと思います。あとは、みんな家族みたいなところは、ほかと違うのかも(笑)。
小林:
あ、ファミリーっぽいかも(笑)。
吉田:
レッスンやライブの時も、ずっとみんなでしゃべっているし、LINEもそういう感じで、メンバーだけど家族みたいな愛情を感じます。メンバーはすごく大切な存在です。
小林:
学校で嫌なことがあったり、家で親とケンカしちゃったりして落ち込んでいても、Shibu3 projectのライブ前の楽屋のわちゃわちゃでガヤガヤな場にいると、嫌なことがどうでもよく思えるというか、“私の居場所、ここにもあるじゃん”って思えるんです。Shibu3 projectは素敵な場所だと思っています。
上村:
ほかのアイドルグループと違って、Shibu3 projectは学生しかいないグループなので、仲間意識をすごい持っているし、フレンドリーで触れ合いやすいと思います。学生同士だからこそ話せることもたくさんあるし、そういう意味でも親しみやすいグループなのかなって思います。
豊田:
学校に通って部活とかをやっているだけでは成長できない部分が、Shibu3 projectにいると成長できるのかなとは思っていて。コミュニケーションの取り方だったり、育った環境や、今頑張っている環境が違うのに、同じ目標に向かって進む人たちが周りにたくさんいるんですよね。ここでしかできない関係性があって、ここでしか知れないことをたくさん知ることができる、そんなものすごく特別な場所だったなと思うので、それがShibu3 projectのいいところだと思います。
――豊田さんは、卒業されても振り付けなどで関わっているので、それだけ思い入れも深いですよね。
豊田:
そうですね。たぶん、1番Shibu3 projectにいますね(笑)。ただ、私もまたアイドル活動(AND CaaaLL)を始めたので、最近はなかなかレッスンに顔を出したりできないんですけど。今までは近くで見ていたし、ライブもみんなが頑張っているのは見ていて、私には切っても切れないものというか、ありがたいなって思っています。
ダンスが苦手な子のメンタルケアをしてあげたいです(笑)(小林)
――卒業生も温かく迎え入れてくれるグループってすごく素敵ですよね。ちなみに、Shibu3 projectの在籍歴はどのくらいになるんですか?
小林:
卒業する2人(小林と吉田)は同期なんです。
吉田:
5年くらいかな?
小林:
活動を始めたのが中3だったんで、丸4年かな。
上村:
私は今7年目です。
小林:
大先輩なんですよ。
――7年目ということは小2から?
上村:
はい!
豊田:
今はないんですけど、最初の頃はイエロークラスというのがあって、そこは小学6年生で卒業するシステムだったんです。卒業したらグリーン、ブルー、ピンクのクラスに振り分けられて。佳里奈は小2からやっていたんです。私が入った時には、すでにいました(笑)。
――誰よりも先輩じゃないですか!
豊田:
それで飛び級してピンククラスに入ったんですよ。
――飛び級!?
豊田:
小6でピンクだったっけ?
上村:
そうです。
豊田:
歌もダンスも完璧すぎたんで、これは飛び級だろうってことで(笑)。
――豊田さんは何年いらっしゃったんですか?
豊田:
私は中学3年生になる4月から高校卒業までだったんで、2人(吉田・小林)と同じくらいですね。
――みなさん青春時代をShibu3 projectに捧げたので、やっぱり卒業は寂しくなりますね。豊田さんは卒業後に振り付けを担当したり、ライブにゲストとして出演したりしてグループと関わっていますけど、卒業するおふたりは、卒業後、どういう形でグループと関わっていきたいですか?
吉田:
今は辞めてしまったんですけど、ダンスをやっていたので、レッスンをできたらいいなって思っています。
小林:
私はダンスが、ホントにホントにホントに苦手で、でも今やっと楽しいって心から思いながら踊れるようになったので、私みたいにダンスを習ったことのない子の気持ちはわかるつもり。だから“ダンスできない先輩”として“あなたの気持ち、よくわかるよ”ってダンスが苦手な子のメンタルケアをしてあげたいです(笑)。
――そういう存在ってありがたいかもしれないですね。上村さんは、卒業生がどういう形で関わってくれたら嬉しいですか?
上村:
4月になったら不安定な時期が来ると思うので、そういう時に支えてほしいなって思います。今年度もやっぱり4月になって、みんなで頑張ろうねって言いながらも不安に思っている時に、るんちゃん(豊田ルナ)とか先輩がレッスンに顔を出してくれるだけで安心したので。あとはダンスとかも教えてもらいたいと思うし。でもやっぱり、心の支えになってもらえるのが、すごく大きいと思います。
――卒業するおふたりと豊田さんは、4月になったら上村さんを励ましにレッスンに顔を出さないといけないですね。
小林:
一緒に行こうね(笑)。
吉田:
行こうね(笑)。
きっと想い出深い1日になると思う(豊田)
――卒業式が3月20日(木・祝)に控えていますけど、今の意気込みを聞かせてください。
吉田:
卒業するっていう実感がなくて。2月も終わってしまうので(取材は2月中旬)、これから卒業式に向けてのレッスンが始まると思うんですけど、もう1回みんなで気合を入れ直して頑張らないといけないなって思っています。
小林:
卒業式が行なわれる横浜1000CLUBは、私の地元なんですよ。去年、一昨年とそこで卒業生を見送って、私もここで卒業式ができたらいいなってずっとずっと心の奥で思っていたので、先輩たちと同じ場所で卒業を迎えられることが夢のようで嬉しいです。もう地元の友達もじゃんじゃん呼んで、1,000人埋めるために宣伝もたくさんして、新しいファンもあと1ヵ月でたくさん増やしまくって、素晴らしい景色を見たいです。
――おふたりを見送る上村さんはいかがですか?
上村:
卒業式は、1年間頑張ってきた集大成だと思うので、ずっとShibu3 projectを推してくれているファンの方に“めちゃくちゃ成長したじゃん”って思ってもらいたいっていうのが1番です。ファンの方が圧倒されるくらいのパフォーマンスを見せたいとも思うし、自分たちが100%楽しむことで完成されるステージを作りたいなって思います。
――ちなみに豊田さんは出演されるんですか?
豊田:
この記事が出る頃には発表されていると思いますけど……OGとして出演することになっています。自分が卒業してから、毎年OGとして出演させていただいているんです。OGで出演するのが私だけだったりしたこともあって……ほかのOGはアイドルグループに参加して、卒業式に来られなくなってしまったりして、何だか取り残されたみたいで寂しいなって思ったりもしたんですけど、ここ数年はだんだん人数が増えてきたので、それが嬉しいし、楽しみでもあります。私が卒業してからOGとしての活動も活発になったんですよね。卒業生には、こういう待っている場所もあるよって伝えたいです(笑)。卒業式なのでしんみりしちゃうとは思うんですけど、きっと想い出深い1日になると思うんで、ただ悲しいとか寂しいだけじゃなくて、ファンの方ももちろん全員が“楽しかったな、いい卒業式だったな”って思って帰れるように、私も花を添えられたらいいなと思っています。一緒に頑張りましょう!
――とはいえ、きっとみんな泣いてしまいますよね。
豊田:
毎回、みんな号泣しちゃうんです。
上村:
本当は誰にも卒業してほしくない……。
豊田:
毎年誰かがそう言うよね(笑)。でもみんな絶対そう思っているからね。
上村:
私はShibu3 projectの全員の卒業を見送っているんです。もう本当に涙だけじゃ収まらないくらい毎回悲しくて悲しくてしょうがないんです。
豊田:
それこそ、佳里奈が卒業する時は、もう全員が大号泣ですよ。卒業するのも寂しいけど、メンバーもファンの人も“大きくなったね”って思うので(笑)。
上村:
人生の半分以上はShibu3 projectです(笑)。
<Shibu3 project ONEMAN LIVE 「MY SMILE STORY 令和6年度シブサン卒業式」supported by UP-T>
開催日時:3月20日(木・祝)開場13:00/開演14:00
会場:横浜1000CLUB