荻野の歴史を一冊に 学ぶ会が発刊
歴史研究グループ「荻野の歴史を学ぶ会」(田中昭一代表=人物風土記で紹介)がこのほど、地質時代から現代までの荻野地区の歴史・民俗・文化などをまとめた冊子「荻野の歴史」を作成した。同会では6月20日に厚木市役所を訪れ、山口貴裕市長に冊子44冊を寄贈。冊子は市内の公民館や小中学校などに順次配布される。
荻野地域の歴史を後世に残したいと、自治会などで知り合った荻野在住の市民が中心に集まり、2016年に発足した荻野の歴史を学ぶ会。
同会には29人が所属。メンバーが地域の歴史調査や資料収集などを精力的に行い、これまでにも見つかった古い資料を元に「荻野消防史」(A4判・46頁)や「田口松平翁論文抜録」(A4判・105頁)などを発刊している。
今回作成した「荻野の歴史」は、歴史を風化させず、先人が紡いできたものを若い世代にも伝え、深く地元を知って欲しいという思いから、様々な文献と聞き取りを行い、約3年の月日をかけて完成。田中代表は「伝承などを聞くには今しかなかった」と話す。
A4判・226頁にもなる冊子には、荻野の古墳や遺跡に始まり、11世紀ごろの地名の起こり、祭りや伝承などの民俗・文化、商業や産業に至るまで、様々な出来事が網羅されている。
寄贈当日は、田中代表と土屋豊副代表が、厚木市役所本庁舎を訪問。山口市長に完成した冊子を手渡した。
田中代表は「荻野の歴史をみんなで調べ、先人が集めてくれたものをまとめさせてもらった。読んでくれた人の記憶に一つでも残れば100年後に夢が広がります」と笑顔。「皆さまの成果の集大成となる冊子、その熱さが厚さにも表れています。読んだ市民の方々が、厚木に誇りを持ってもらえると思います。多くの人に知らせる取り組みをしていきます」と山口市長は話した。