勇壮な武者行列が練り歩く!江東区の亀戸香取神社で「勝矢祭」が5月5日に開催
“スポーツ振興の神”として名高い東京都江東区の亀戸香取神社で「勝矢祭(かちやさい)」が2025年5月5日(月・祝)に開催。鎧兜(よろいかぶと)などをまとった武者行列が「エイ、エイ、オー」と勝どきを挙げながら亀戸の街を練り歩く。その勇ましい姿をひと目見に、現地へ足を運ぼう。
戦勝の奉告で弓矢を奉納したのが始まり
天智天皇4年(665)、藤原鎌足が東国下向の際に、「亀の島」という孤島だったこの地で船を寄せ旅の安全を祈ったことを起源とする亀戸香取神社。ご祭神の経津主神(ふつぬしのかみ)は圧倒的な強さをもつ武将の祖神として信仰されている。そんな亀戸香取神社で1000年以上前から守り伝えられている神事が「勝矢祭」だ。
平安時代に平将門が乱を起こした際、追討使である藤原秀郷が同神社に戦勝を祈願して臨んだところ、無事に乱を平定することができた。神様に勝利を報告した際に「勝矢」と名付けられた弓矢を奉納したのが「勝矢祭」の始まりといわれている。毎年5月5日のこどもの日に弓矢を奉納する儀式が執り行われている。
勝どきを挙げながら武者行列が進行!
当日は鎧兜や陣羽織、裃(かみしも)などをまとった氏子たちや地元小学生の鼓笛隊などが参加して、約200名からなる武者行列が行われる。「武者行列が始まったのは平成の初めごろ。氏子区域内の町会が当番制で行っています」と教えてくれたのは亀戸香取神社の権禰宜・杉本さん。兼務社である亀出神社を13時に出発して、亀戸香取神社までの約2㎞を2時間かけて練り歩く。道中「エイ、エイ、オー」と勝どきを挙げながら行列は進み、沿道からその勇ましい姿を見ることができる。
神社に到着すると、本殿前の階段のところで再び勝どきを挙げて祭りは最高潮に達する。その後は本殿の中で勝矢を奉納する儀式が厳かに執り行われる。「亀戸駅から亀戸4丁目の交差点は歩行者天国になっているので見学しやすいですよ。本殿前で行われる最後の勝どきは盛り上がるので、ぜひご覧になってください」と杉本さん。
同神社は歴史の天皇をはじめ、源頼朝や徳川家康など数々の名将たちの崇敬を受けたといわれている。さらに現在では「スポーツ振興の神」として崇められていて、スポーツ大会や試合の勝利を願う参拝者が全国から訪れる。勝矢祭を見学して、勝ち運を引き寄せてみては。
開催概要
「勝矢祭」
開催期間:2025年5月5日(月・祝)
開催時間:13:00~15:30ごろ
会場:亀戸香取神社(東京都江東区亀戸3-57-22)
アクセス:JR総武線・東武電鉄亀戸線亀戸駅から徒歩10分
【問い合わせ先】
亀戸香取神社☎03-3684-2813
URL:https://www.kameido-katori.com/
取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供
香取麻衣子
ライター
1980年生まれ。『散歩の達人』編集部でのアルバイト経験を経て、2010年からライターとしての活動を開始。あだ名はかとりーぬ。『散歩の達人』では祭り&イベントのページを長らく担当。青春18きっぷ旅や山歩きなどのんびりと気ままにお出かけするのが好き。あとビールや美術館めぐりも大好物。