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​【鈴木惣一朗さんの新刊「こころをとらえる響きをもとめて 録音芸術としての〈ロック〉ガイド」】読む際は、音楽サブスクを傍らに

アットエス

静岡新聞論説委員がお届けするアート&カルチャーに関するコラム。今回は音楽家、文筆家の鈴木惣一朗さん(浜松市出身)が10月18日に発刊した「こころをとらえる響きをもとめて 録音芸術としての〈ロック〉ガイド」(イースト・プレス)から。

7月にGAZETTE4名義による「ひとり~ALTOGETHER ALONE~」(誠光社)を新装復刊したばかりの鈴木惣一朗さんが矢継ぎ早に放つ新刊。2023年に朝日カルチャーセンター新宿教室で行った連続講義「音楽がもたらす〈こころの世界〉:1970年代から今日まで」をベースにしている。故に、文体は語り口調。480ページあるが、あっという間に読めてしまう。

1970年代を皮切りに、ロックやポップミュージックにおける録音技術の実際と時代を彩った音楽をディケイドごと、紹介する。

シンガーソングライターがブームとなり、プログレッシブロックやハードロックの人気が高まり、そのカウンターとしてパンクとニューウェーブが生まれた1970年代は、アナログレコーディングの技術が急速に洗練された。

ヒップホップとハウスが躍進した1980年代はサンプリングを使った音楽制作が一般化。ロックへの原点回帰運動「グランジ」で幕を開け、クラブミュージックが多様化、一般化した1990年代に入ると、テープを使わない「ハードディスクレコーディング」が主流に。

そして2000年代に突入するとエレクトロニックミュージックと生楽器を使用した音楽の境目が曖昧になり、ホームレコーディングがスタジオワークを侵食していく。

こうした時代の流れを、親しみやすい口語で語り尽くす。それぞれの時代から惣一朗さんがセレクトしたレコード150枚の紹介も。まるで音楽サークルで物知りの先輩の話を聞いているような心地よさがある。

音楽講座なので、話の途中でレコードをかけている。そのレコードの紹介も差し込まれる。本書を開くに当たっては、スマートフォンを手元に置きたい。音楽サブスクと連動させ、紹介された音源を聴きながら読めば、古き良き時代の「レコードコンサート」の気分が味わえる。(は)

〈鈴木惣一朗さんの新刊リリース記念イベント〉
■鈴木惣一朗「窓辺」アフタートーク『浜松で聴いた〈たいせつな音楽〉についてお話します』
日時:10月26日(土)午後6~8時
会場:ひばりブックス(静岡県静岡市葵区鷹匠3丁目5-15 第一ふじのビル1階)
出演:鈴木惣一朗   
聞き手:橋爪充(静岡新聞社論説委員)
入場料:1500円(1ドリンク込み)
協力:静岡新聞社

参加申し込み、問い合わせはひばりブックスへ。
店頭または電話(054-295-7330)、メール(info@hibari-books.com)、インスタグラム(@hibari_books)、googleフォーム(https://forms.gle/24C9jLvnDDX5hrg26)で。

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