イワナ狙いの渓流ルアー釣り【シーズンごとの釣り方】 早春から秋までの攻略法を完全網羅
私の住んでいる東北地方では渓流ルアーフィッシングが盛んに行われている。ネイティブトラウトとして人気のターゲットのイワナについてシーズンごとの特徴を解説したいと思う。
イワナについて
渓流魚のイワナの食性は獰猛で他魚種やカエル・蛇といった動物、水生生物・陸生昆虫を捕食する魚である。そのため、ルアーへの興味はかなり高く、人的プレッシャーがかかった場面や極端に活性が落ちた時(夏場の渇水等)を除き、比較的釣りやすい魚と考える。
一般的な渓流では15~30cmの個体が多く、ダム湖や本流から遡上があれば小渓流でも40~50cmの個体も生息している。増水のタイミングで大型個体は遡上し、大岩等の隠れ家があれば、大型は身を潜めている可能性が高い。
シーズンごとの狙うフィールド・ポイント
ここからは、シーズンごとのフィールド・ポイントの狙い方について説明していく。
3月頃
シーズン初期の早春(3月頃)はまだ水温が低く、活性も高くないため、小渓流の流れが淀む淵・滝壺・堰堤にたまる傾向がある。流れの淀んだ底でじっとしていたり、岩陰に隠れているので、そのようなポイントを狙おう。
雪代が出始めると川幅の広い下流域は増水・濁りで釣りにならない場所が多く、源流域も雪が多すぎるといった状況の場合は釣行自体を控えるようにしよう。
4月~5月頃
4月~5月頃になると、雪代が入ったり、落ち着いたりと地域に格差があるが、中規模河川でも釣りやすくなってくる。
また、人的プレッシャーが高くなってくる時期でもあるため、小渓流の場合は大場所での反応が悪いこともしばしば。見落としがちな小さなポイントもしっかり攻めることが重要になってくる。
6月頃
初夏(6月頃~)は里川、中流域、源流域と幅広いフィールドで狙えるハイシーズンへと突入する。梅雨時期でもあるので雨が多く、魚の活性は高いので果敢にルアーにチェイスしてくる。瀬に付く個体も多くなり、基本的にいろいろな場所で反応がとれるだろう。
7月~8月下旬
夏(7月~8月下旬)は梅雨も明け、渇水気味でルアーのチェイスはやる気のないものが多くなる。食性も陸生昆虫にシフトし、瀬に魚が多い。淵にいる魚は昆虫を捕食するため浮いている個体が多くなる。
9月頃
秋(9月頃)は産卵を意識し、増水のタイミングで本流から支流へ遡上する魚が増える。枝沢に魚が集中し、淵では縄張り争いがしばしば見られる。全体的にルアーへの反応はあまりよくない。
しかし、今まで大物がいないポイントでも遡上した大型個体が釣れることが多々あるため、シーズン最後の大物を釣るチャンスでもある。
イワナを釣るルアー選択・釣り方
ここからはイワナを釣るルアー選択や釣り方について説明する。
春
春シーズンは低水温で活性が低いのでヘビーシンキングミノー、スプーン、小型バイブレーションを選択し、ボトムを攻めるスローでネチネチアクションがメインとなる。小型バイブレーションはボトムでダートさせ、リアクションバイトを狙おう。
初夏
初夏は活性も良くなり、淵ではシンキングミノー、瀬はフローティングミノーを選択し、早めのリトリーブや連続トゥイッチでガンガンアピールしていく。キャスト数を増やし、ランガンでキャッチ数、サイズを稼いでいくことができる。
真夏
真夏は陸生昆虫を捕食する時期のため、フローティングミノー、虫系トップに反応が良くなる。フローティングミノーはトゥイッチアクション。虫系トップはラインスラッグを巻き取る程度で大丈夫である。
イメージはフライフィッシングのドライフライの釣りに似ている。真夏でも増水のタイミングであればシンキングミノーでもよく釣れることが多い。
秋
秋は産卵を意識した個体が増えてくるため、派手目なカラーのルアーで威嚇バイト、リアクションバイトを誘うジャークを心がけよう。
また、ミスキャストで魚にプレッシャーを与えないよう、ナチュラルなアプローチを意識することも秋を攻略するうえで大切である。
渓流で釣りをする際の注意点
渓流釣りをするうえで、安全対策は必須である。まずは熊対策。鈴・催涙スプレー等の装備品はオールシーズン必須である。
また、増水時は釣れるからと言って無理は禁物である。水量が落ち着いたタイミングで入渓しよう。夏シーズンは暑く、半袖を着たい気持ちも山々であるが、植物かぶれ・虫刺され対策で長袖を着用しよう。
最後に自分の力量に合ったフィールドを選択することも重要である。アングラーの足が遠のく秘境的なフィールドはもちろん大型が狙えるが、その分、危険のリスクも高くなる。林道から外れた源流・ゴルジュ帯等は各自自分の力量を考慮したうえでの釣行をおすすめする。
<黒田初/TSURINEWSライター>