【袋井・西村農園】お茶好きとサッカーファンが夢中になる茶農家カフェに突撃! 「勝ちTea」で応援
静岡・袋井市にお茶好きとサッカーJリーグ・ジュビロ磐田のサポーターが集うお茶農家があると聞き、現地「西村農園」へ向かいました。「勝ちTea」という試合を応援するお茶も販売していました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ“やかん”が営業中の目印
西村農園は新東名高速道路・遠州森町スマートICから南へ車で約10分の、のどかな山間部にあります。
店舗の入口を見ると、お洒落な木の看板と、開店時につるされる“やかん”が目に入ります。やかんは「営業中」の目印です。
西村農園を営むのは西村哲さん淳子さん夫妻を中心とする一家8人。
家族でお茶を栽培、製造、販売しています。
今回、出迎えてくれた淳子さんは、熱心なジュビロ磐田サポーターで、ホームのヤマハスタジアムだけでなくアウェイにも駆けつけます。「がんばれ!ジュビロ磐田!!」の旗がお店にあるのも、うなずけます。
創業について詳しくは分かっていませんが、今も現役で使用している茶葉をふるうための道具に大正14年6月と表記があることから、100年近く経過していると話す淳子さん。
西村哲さんが4代目、長男の西村晃さんが5代目を引き継ぐ予定です。
気楽にお茶が飲めるスペース「オチャノーム」
西村農園には試飲や歓談のできる「オチャノーム」というカフェスペースがあります。
あたたかみのある木のテーブルとイスで、お茶を飲みながら淳子さんや仲間同士でお話ができます。
季節によってメニューの変更はありますが、和紅茶、ほうじ和紅茶、緑茶(各200円)といった人気のお茶を飲むことができ、テイクアウトも可能です。
カップには淳子さん手書きのイラストがかわいく映えます。
店舗内の壁や棚には、茶葉のほかにもおやつにぴったりな「緑茶豆(460円)」、人気の「ふたなし急須(2640円~)」、推し色で選ぶ人も多い「フィルターインボトル(2200円)」など、お茶にまつわる多様な商品が並びます。
また、絵本の読み聞かせイベントや、和紅茶・ほうじ茶をつくるワークショップも不定期で開催しています。
人気の「勝ちTea」とは?
西村農園の人気メニュー「勝ちTea(1杯・200円)」は、ヤマハスタジアムでの試合開催日、スタジアムで飲む用の緑茶をマイボトルに入れて、持って行ってもらうサービス。ホットとアイスが選べます。
西村農園・西村淳子さん:
始めたきっかけは、試合に勝ちたいという自分の気持ち。自分は行けないけれど、お茶だけはスタジアムへ行ってほしいのです。ちなみに「勝ちてぇー!」ともかけています
勝ちTea提供日には朝から磐田サポーターが集い、試合の話に花を咲かせます。
主にSNSで勝ちTeaを知って来る人が多いそうです。
また、ジュビロだけでなく清水エスパルスや藤枝MYFCのサポーター、県外は札幌、鹿島、柏、大分などのサポーターも訪れたことがあるそうです。
サッカーファンは歓迎とのことで、チームの垣根を越えた交流も楽しいひと時です。
歴史を紡ぐ和紅茶「パパティー」
西村農園を語るうえで外せないのが和紅茶「復刻袋井紅茶Papa・Tea(30g・648円)」。通称パパティーです。
緑茶の品種「やぶきた」で作られた和紅茶です。静岡県と静岡県中山間100銘茶協議会が開催する銘茶コンテスト「ふじのくに山のお茶100選」に選ばれています。
55年以上前、西村農園では紅茶をつくって輸出していました。しかし、時代の変化とともに途絶えてしまいます。
哲さんはなんとか我が家の紅茶を復活させたいと一念発起。当時の資料や情報が残っておらず苦労をしたそうですが、2009年の父の日に満を持して復刻版を発表しました。
パパティーの名には紅茶をつくってきた先代たちへのリスペクトも込められているそうです。
一口飲むと、ふんわりと甘みが広がります。喉越しもよく、ほどよいうま味と奥深いコクも感じます。後味はさっぱりしているので「スイーツにはもちろん、普段の食事のお供としても合うんです」と淳子さん。
西村農園・西村淳子さん:
和紅茶が初めての人にはまずはコレをとすすめます。口元へ持って来ただけでふんわりと甘い香りを感じるから、「お砂糖は入っていないですよね?」と聞かれます。自然の甘みを感じられると好評です
商品名に“家族の名前”をつけた緑茶
西村農園で商品を見ていると、目に入るのは漢字一文字がついた独特の商品名。
「陽」「咲」をはじめ、「恵」「逸」「晃」「朝」など、家族の名前から一文字をとっているそうです。
文字はすべて淳子さんの手書きで、家族愛にあふれたネーミングが光ります。
なかでも人気の緑茶は「咲(100g・972円)」です。「さえみどり」という品種で、きれいな濃い緑色をしており、渋みもなく飲みやすいと人気だそうです。
また、やぶきたを使用した「陽(100g・648円)」もバランスのとれた味わいで人気とのこと。
筆者のお気に入りは「陽」。やぶきた特有のうまみ、コク、優しい香りの余韻が楽しめて、お茶好きはもちろんのことあまりお茶になじみのない人にもおすすめです。
お茶好きがうなる「ほうじ和紅茶」
肌寒い時期には紅茶やほうじ茶が人気という西村農園。イベント出店でも売り切れが続出するというのが「ほうじ和紅茶(648円)」です。
ほうじ和紅茶は5代目となる晃さんが「選別作業で残った和紅茶の茶葉はまだ飲むことができるから、そのまま捨てるにはもったいない」と思い、焙煎してみたことがきっかけで生まれました。
ほうじ和紅茶は2020年から販売開始され、瞬く間に人気商品の仲間入り。
華やかな紅茶の香りに香ばしさがプラスされ、新感覚かつ滋味深さも感じられます。
イベントで試飲したお茶好きの人を「これはおいしい」とうならせ、男女問わず人気で、複数買いしていく人もいるそうです。
営業日やイベントはSNSで配信中
県内外でのイベント出店も多い西村農園。実店舗の営業日、勝ちTea開催日、イベント出店は公式ホームページやX(旧ツイッター)に掲載しているカレンダーでチェックしてみてくださいね。
■店名 西村農園
■住所 静岡県袋井市大谷1286
■営業時間 8:30~18:00
■定休 火 ※ホームページで要確認
■駐車場 あり
■問合せ 0120-582-858
取材/ヤナギ・タリ