相模田名民家資料館 豪華な「御殿飾り」も 江戸から昭和の雛人形ズラリ
3月3日の桃の節句を控え、「相模田名民家資料館」(田名4856の2)で現在、近年目にする機会が減ってきた「七段飾り」をはじめとする江戸時代から昭和時代に作られたひな人形が展示公開されている。公開は3月4日(火)までで観覧無料。1日(土)から3日(月)には甘酒が振舞われる。
明治から昭和期にかけての地場産業を支えた養蚕農家の姿を今に伝える同資料館では、伝統文化継承などを目的に30年ほど前から「ひな人形展」を企画している。平成の時代を迎えた頃、「古いひな人形をとっておくことが難しい」という地域住民の声を耳にし、人形を譲り受け保存する取り組みが始まった。
同じような家庭もあるのではないかと寄付を呼び掛け、1996年にひな人形展を初開催。集まった15組のひな人形を展示した。以来、少しずつ構成を変えながら毎年、「春の訪れ」を地域に伝えている。
圧巻の七段飾り
今年は木造民家内の広間に七段飾りのひな人形が19組展示されている。京の御所を模した「御殿」の中に内裏雛(だいりびな)を入れた「御殿飾り」は、天井に届くほどの高さで圧巻だ。
江戸から昭和期までの400体を超えるひな人形の中で最も古いとされるのは、江戸享保年間に京都の人形師が手掛けたと考えられている「次郎左衛門雛」。丸顔に小さな目鼻のおっとりした表情が特徴的な人形で、以前専門家に鑑定を依頼した際には、所蔵する人形の中で最も価値が高いと評価を受けた。
時代で異なる面持ち
「時代ごとに異なる表情を見てもらうのもいい」。同館を管理する住民組織「田名財産管理委員会」の田所昌訓会長はそう話す。古い時代の人形は表情が怖く、昭和に入ってから制作されたものは穏やかな面持ちに仕上げられている。
観覧は無料で午前10時から午後4時まで入館可能。問い合わせは同管理委員会【電話】042・761・7118。
スタンプラリー
市内の歴史を伝える施設など8カ所を巡るスタンプラリー企画が3月4日(火)まで行われている。各会場にひな飾りが展示され、スタンプを6つ以上集めるとひな人形にちなんだ記念品が進呈される。参加施設は相模田名民家資料館(中央区)・旧石器ハテナ館(同)・相模原市立博物館(同)・吉野宿ふじや(緑区)・小原宿本陣(同)・小原の郷(同)・久保田酒造(同)・相模原市古民家園(同)。(問)市立博物館【電話】042・750・8030