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清水エスパルス西原源樹の歴史的ゴール後に広がった歓喜、ペナルティ・ヒデ「美しい光景だった」

アットエス

SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」で、静岡新聞の清水エスパルス担当、小沢佑太郎記者がチーム状況を報告しました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん。

鬼頭:まずは一番近い試合のベガルタ仙台戦を振り返っていきましょう。3連勝が懸かったこの試合、清水は前半16分、ルーカスブラガ選手のゴールで先制しました。

小沢:センターバックの高橋祐治選手がロングボールを前線に送り、カルリーニョス選手が頭でそらし、ブラガ選手がタイミングよく走り込んで冷静に左足で打ちました。

ヒデ:高橋選手のフィードが良くて、ブラガ選手の一歩が早かった。そこからキーパーの頭上を撃ち抜くシュート。見事でした。

鬼頭:さらに後半9分、北川選手のゴールで2-0とリードを広げました。この追加点はいかがだったでしょう。

小沢:サイドバックの吉田豊選手がいいスルーパスを出して、北川選手の十八番の抜け出しで、ドリブル突破していきました。北川選手はだいぶ落ち着いていたようで、ディフェンス2人のほか、カルリーニョス選手が後ろから追っかけてきてるのも見えていたと話していました。

ヒデ:もう完全にゾーン入ってるね。

小沢:いろいろな選択肢を持ちつつ、自分で打つという選択をして決め切りました。

鬼頭:仙台に1点を返されて2-1になりましたが、ここで17歳の西原源樹選手がゴール。エスパルスのクラブ公式戦最年少得点記録を更新しました。

小沢:17歳4ヶ月4日でした。

ヒデ:股抜きですよ。ディフェンスが寄ってきてるのが見えていたんでしょうね。落ち着いた右足のコントロールショット。

小沢:あれも感覚的に「いける」って思っていたみたいです。映像を見ると、西原選手は山原選手からボールをもらう前に左右きっちり確認してるんですよね。自分の周りを確認しつつ、自分の得意な形に持っていった。

ヒデ:すごい若手が出てきましたよね。

鬼頭:ここで西原選手のインタビューを皆さんと一緒に聞きたいと思います。

<西原選手のコメント>
「ボールをもらって、相手がプレスに来ていたのが分かっていたので、それを利用して股を抜いて、シュートは体を開いてファーサイドにと思っていました。試合で使ってもらっていて、何回か惜しいシーンはあったんですが、「惜しい」じゃ駄目。ずっとずっと点を決めたいと思っていたので、ただただすごく嬉しいですね。ゴールやアシストをもっとしたいし、守備は自分の大きな課題なので一歩一歩成長できるように頑張りたいです」

ヒデ:コメントしっかりしてるねえ。コメント力がもう48歳と2カ月5日みたいな。すげえちゃんとしてた。

小沢:守備も課題だと言ってましたが、試合終盤に相手のロングボールをカットしたり、ラストプレーでコーナーキックをヘディングでクリアしたり。一歩ずつ着実にレベルアップしてるのかなと思います。

ヒデ:トップの選手としても十分やっていけるということですよね。ゴールが決まった後、周りがうわーって抱きしめにいって本人以上に喜んで。何人か怪我したんじゃないかなと思ったぐらい。美しい光景でしたよ。

小沢:カメラマンも「西原選手が窒息しちゃうんじゃないかと心配になった」と。

鬼頭:私もヒーローインタビューを担当したんですけど、みんなね、親の気持ちで見てるんですよ。パルちゃん人形を持つ手をちょっと震わせながらインタビューを受けていて。

彼の良さはどんなところなんでしょうか?

小沢:1人で1枚2枚はがせるドリブル突破。かつ冷静に試合の展開も読んで、パスを出すところは出すということもきっちりできてるなと思いますね。

課題は「試合の締め方」

ヒデ:嬉しいニュースの一方でアディショナルタイムで失点して、試合は3-2でした。

小沢:あそこは失点したくないですよね。西原選手がゴールを決めて、いい雰囲気で、スタジアムが盛り上がったままで終わりたかったですよね。チームの今後を考えた上でも、できれば避けたかったところ。

ヒデ:秋葉監督はどうおっしゃってましたか。

小沢:明確に「課題だ」と。仙台戦の前のいわき戦でも2失点。全く同じ点の取り方、取られ方の3-2だったんですよ。試合の締め方は今後の課題であるとおっしゃってました。

鬼頭:去年と比べると、だいぶいい感じでは来てますけどね。

小沢:開幕7戦勝ちなし、監督交代もあった昨年と比べたら、スタートダッシュに成功したと言っていいんじゃないかなとは思います。試合の中で課題は出てきてますが、勝ちながら修正していけるところをだいぶポジティブに捉えていらっしゃいますね。

キャプテン北川選手の覚醒

鬼頭:そして新キャプテンの北川選手はここまで5ゴール3アシスト!今シーズンは本当に替えがきかないキャプテンになってますね。

ヒデ:昨年から何が変わったんでしょうか。

小沢:僕も今季から担当なので取材している最中なんですが、ポストプレーがすごいなと思っています。これまでは仙台戦の得点のような裏に抜け出すイメージが強かったと思いますが、ボールを収めて時間を作って周囲を生かす部分も目立っています。

ヒデ:プレーの幅が広がって選択肢もあるから、相手が守りづらいんだろうなって思いますよね。いつもみたいにスピードでくるかなと思いきや、そうじゃない。横にスッと流されるとかね。

鬼頭:パンプアップして海外から帰ってきた感じがあったんですが、今季はスッキリした感じがします。「スリムになった」という表現が合っているのかは分からないんですけど。

小沢:見た目的にもちょっと絞れているんじゃないかなと思います。

鬼頭:責任感がやっぱり増してらっしゃるのかも。

新加入のブラジル人コンビはどう?

鬼頭:そしてルーカスブラガ選手も気づいたらここまで3ゴール!ドウグラスタンキ選手も仙台戦で出場。この2人の新加入選手、いかがですか。

小沢:ルーカスブラガ選手はやっぱりドリブル突破が魅力ですね。決して際立ったスピードがあるわけじゃないんですが、取られないドリブルというか、うまいこと抜け出していくドリブル。ドウグラスタンキ選手はフィジカルがすごいなと。

ヒデ:どんな感じなんですか。タンキっていうからには、すぐカッとなるみたいなことではないんでしょ?

小沢:結構いいスマイルをくれます(笑)

鬼頭:温厚なんですよ。本当に素敵ですよね。

小沢:リードされている局面でシンプルに放り込みたい時に、ターゲットとしても計算できる選手だと思います。

鬼頭:今後のキーマンになりそうな選手、戦いのポイントがあれば教えてください。

小沢:キーマンとして挙げたいのは原輝綺選手。ちょっと序盤で怪我してしまって、長いこと離脱しているんですが、そろそろ復帰できるんじゃないかなと。

鬼頭:4月28日はアウエーで3位ファジアーノ岡山と対戦します。

小沢:負けたら順位が入れ替わってしまう一戦。岡山も仙台同様に守備が堅く、ここまで11節が終わってリーグ最少の7失点。でも、勝ってくれると思います。

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