西元町『ピノッキオ』で本場のバール体験♪イタリアの郷土菓子をエスプレッソと共に 神戸市
イタリア人も納得の美味しいエスプレッソや、イタリア各地に伝わる珍しい郷土菓子が楽しめる本格バール、西元町の『Pasticceria BAR Pinocchio di calimero(パスティッチェリア バール ピノッキオ)』(神戸市中央区)に行ってきました。
店主の岩本さんは、5年前まで東京で「ピノッキオ」を営んでいたのですが、不運にも交通事故に遭い休業。その後少しずつイベントや催事に参加する中、神戸で出会ったローマ料理店「Osteria Calimero(カリメロ)」の仲村さんがオーナーとなり、昨年9月にお店を再開しました。
店内に一歩足を踏み入れると、そこはもうイタリア♪食器や雑貨、ジャズ盤やイラストなど、たくさんのイタリアグッズに囲まれた可愛い空間です。
岩本さん自身がイタリアで買い集めたもののほか、東京のお店で使っていたもの、岩本さんの復帰を願う方々から贈られたものなど、思い出が詰まった大切なものたちが飾られています。
ショーケースには、なかなか目にすることない珍しい郷土菓子がずらりと並んでいます。小麦粉だけでなくアーモンドの粉やトウモロコシの粉を使ったり、オリーブ油やラード、ワインやハーブを使うなど、作り方は地方によって実にさまざま!
その土地で採れるものが違うのはもちろん、イタリアは中世の頃から小都市国家だったため、特徴が際立っているのだそう。
岩本さんが、そんな郷土菓子と出会ったのは23歳の時。元々サックス工房の見学のために訪れたイタリアの地で、ひょんなことから郷土菓子を研究しているおばあちゃん、フランチェスカさんと出会い、そのお菓子の美味しさに感銘を受けてレシピを教わったのが始まりでした。
帰国後も、試作したお菓子をフランチェスカさんに送って試食してもらうという、通信教育のようなことを約6年続け、丁寧に研究を重ねてきたので、郷土菓子に精通しており、レシピ本やコラムの執筆もされています。
同店のお菓子はほとんどが1つ200円。実際イタリアのバールでも1~2€で売られていて、エスプレッソと共にさっとつまみ、「今日の調子はどうだい?」なんて、何気ない日常会話を楽しんで帰るのが、本場のバールの雰囲気なんだそう。
さっそく記者もエスプレッソとお菓子でバール体験をしてみることに!
「まずはショットグラスの炭酸水で舌を潤してください」と岩本さん。乾燥した気候のイタリアでは、濃厚なエスプレッソを飲む前にこうして口の中を整えるんだそう。これは初めての体験です♪
そしてスプーン一杯の砂糖を入れてくるくると混ぜ、クレマ(油脂の泡)が消えないうちにエスプレッソをクイッっといただくと…コクのある甘みが口の中にじんわりと広がります♪
そして、まずはトスカーナ州のビスコッティ「カントゥッチ」を。大口でガリっといただくと、かみ砕いた音を聞いた岩本さんが「あ!カントしてる」と笑顔に!「カント」はイタリア語で”歌う”の意味。お客さんが食べる音をASMRのように聞いて、職人がその日の出来栄えを確認する~なんてこともあるんだとか。
シチリア州の「パスタ ディ マンドルレ」は、小麦粉を使わず、アーモンドの粉、砂糖、卵白で作ったシチリアでは定番中の定番の焼菓子。見た目の予想に反して、中はねっとり!杏仁のようなアーモンドの強い香りが印象的でした。
もう1杯どうですか?と勧めてもらったのがこちらの「カッフェ シェケラート」。淹れたてのエスプレッソを、氷と少しの砂糖を入れたシェイカーで振って急冷する、冷たい泡が楽しいエスプレッソドリンクです。
カクテルを作る時とはまた違って、シェイカーをかなり激しく振るので、筋肉痛に悩まされるのが”夏のバリスタあるある”なんだそう。
出来上がったものをグラスに注ぐと、最後にクリーミーな泡がふわふわ~っと出てきて完成♪泡がつぶれないうちにいただきます。
冷た~い甘さに濃いエスプレッソの苦みもしっかり味わえて、美味しい~♪これはくせになりそう。ジメジメと暑くなるこれからの季節にピッタリな1杯です。これにリキュールなどお酒を少し入れて楽しむのもオススメだそう!
岩本さんのイタリアでのお話やお菓子解説は本当に楽しくて、聞いているだけでイタリア旅行気分も味わえます。是非立ち寄ってバール体験してみて下さい。きっとハマりますよ~♪
ちなみにお菓子は2か月ごとにラインナップが入れ替わるのですが、レパートリーは全部で400種以上あるとのことで、まだまだ新しいお菓子が控えているそうです!
場所
Pasticceria BAR Pinocchio di calimero(パスティッチェリアバールピノッキオディカリメッロ)
(神戸市中央区栄町通5丁目1-1サンシティ栄町)
営業時間
9:00~16:00
定休日
月曜日、木曜日、金曜日