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家庭に「口座」いくつある?FPが教える“シンプルでわかりやすい家計”にする方法

ウレぴあ総研

近年、食品・ガソリンなどの高騰が家計の重荷となって、家計の見直しをしたいと感じる方は増えているのではないでしょうか。

家計の見直しにはまず、正確な家計の把握が欠かせません。

本記事では、家計の複雑さに合わせた「おすすめの家計管理法」について紹介します。

「口座」をいくつ持っていますか?

あなたは、自身の家庭にいくつ「口座」があるか数えてみたことはあるでしょうか。

ここでの口座とは、普通預金を預ける「銀行口座」だけでなく、「貯蓄性保険」や「投資」の口座も含めて数えていきます。

さらに、同じ銀行の口座でも「定期預金の口座」などは普通預金口座と別にカウントします。

厳密には交通系ICカードや各種電子マネーのような少額の現金を入金できるものも口座として扱うべきですが、ここでは省略します。

このようなルールで「我が家の口座数」をカウントしてみてください。「2桁以上」の口座を持っていたという方は多いのではないでしょうか。

ちなみに2025年2月現在、筆者の家庭(本人・妻・子ども3人)の場合は以下のとおりです。

・普段使いの銀行普通預金口座が5口+父母の別預金口座が4口
・外貨預金口座が1口
・投資用口座が5口+昔作って放置している投資用口座が2口
・貯蓄性保険の口座が1口
・iDeCoの口座が2口
・不動産投資ローン用の普通口座が1口

以上、合計「21口」となりました。これは1世帯としてはちょっと多すぎる数かも知れませんが、4人家族の場合でも1人4種類(普段遣い・貯蓄・投資・保険)の口座を持つことで、世帯の口座数は4✕4=16口に達します。

また、家庭によっては「教育費」「住宅関係費」など、費目ごとに口座を使い分けている方もいらっしゃるでしょう。その場合はさらに口座数は増えていくことになります。

家計を正確に把握するためには、手元にある口座の残金及び出入金を正確にとらえていく必要があります。

「通帳と紙の家計簿」を駆使して家計の把握を完璧にするのであれば、筆者としては1世帯あたりの「口座数」は10口が限界、できれば5口程度に抑えるべきだと考えています。

これ以上の口座数を持っており、口座数を減らして整理することも難しいという場合は、家計の正確な把握のために「デジタルツール」の活用をためらうべきではありません。

ハピママ*

できる限りシンプルで把握しやすい家計にするには

通帳と紙の家計簿で家計を管理したい場合は特に、管理するべき口座数をできる限り減らしていくことが重要になります。

筆者であれば、共働き世帯がシンプルに家計管理をするための口座の作成例として、以下のような取り扱い方を提案します。(子どもが自分のお小遣いを自主的に管理するための口座などは入れていません)

(1)「固定費」引き落とし用口座(兼、父の給与振込用口座)

(2)「流動費」引き落とし用口座(兼・母の給与振込用口座)

(3)家族共有の「投資用口座」兼「貯蓄用口座」(iDeCoも同じ証券会社でまとめる)

「投資用口座」と「貯蓄用口座」を分けないことに違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの口座に入っているお金は全て「余裕資金」であるというとらえ方をすれば、普段使い用以外の口座は1つでも事足ります。

証券口座を作成したことのある方はご存知と思いますが、証券口座の中には株式や投資信託を買うための資金の「一時置き場」のようなものが用意されており、これは取り扱いとしては普通預金とほとんど変わりありません。

ほぼタイムラグなく普段使いの銀行口座に資金の引き出しもできますので、これを「貯蓄用口座」の代わりにしてみるのも一案です。

普段使いの口座から引き落とす固定費は家賃、光熱費、保険料、教育費、各種のサブスクリプション費用など。流動費は食費・日用品費、医療費、ガソリン代などです。

父母それぞれの口座に紐づけたクレジットカードをそれぞれ作り、「家族カード」も作成して、使い分けていくとよいでしょう。

重要なことは、口座から出ていくお金は可能な限り「引き落とし」にしていくことです。普段の買い物などもできるだけクレジットカード決済にし、支出金額と費目を正確に把握するとともに、家計簿へ転記していく手間を減らしていきましょう。

家計簿はきっちり作る必要はなく、普段は引き落としや入金の記録がある通帳の写しやクレジットカードの利用明細を貼り付けるだけでも十分です。半年に1回程度など自分で決めたペースできちんと整理し、収入額と支出額、支出の内訳(費目)とその推移について把握していくとよいでしょう。

家計簿の作成は「無理なく、長く記録を続けていくことで、家計の変化に敏感になる」ことが大きな目的です。最初から完璧な記録を残していくぞと力むことなく、できる限り手間を減らして家計の推移の概要を把握する、というくらいのスタンスで臨む方が、結果として長続きし、家計の変化や無駄遣いに気づけることになるはずです。

ハピママ*

進化を続ける「デジタルツール」を使ってみよう

すでにたくさん口座を作っており、減らしていくのは難しいという場合は、デジタルツールを積極的に活用していきましょう。

筆者個人の感覚としては、1世帯で10口座以上を管理しなければいけない場合は、デジタルツールの導入を強くおすすめします。

前述のとおり、21口の口座を持っている筆者の家庭では「家計簿アプリ」が大活躍しています。すべての銀行・証券口座や現金勘定、クレジットカードの利用記録は家計簿アプリに紐づけられ、スマートフォンやパソコンからリアルタイムで残高や出入金の確認が確認できます。

また、残高や出入金の推移も簡単にグラフ化して確認可能できるほか、月次・年次の結果も簡単にまとめることができます。

たまに行う作業としては、やむなく「現金払い」または「現金収入」を処理しなければならない事があったとき、スマホアプリを開いて支出・収入を入力することのみです。

筆者の使用するアプリは「無料版」もあるのですが、その場合は「10口座を超える紐づけ」ができないような設定になっています。

10口座以上の管理と把握をしたい場合は、年間数千円のアプリ使用料金を負担する必要がありますが、筆者としては非常に安い支出だと思って数年前から有料版を活用しています。

さらに個人事業主として確定申告をしなければいけなくなってからは、確定申告の支援作業も可能である有料版のプレミアムコースを利用するようになりました。

家計管理において口座の把握と出入金の管理は基本中の基本ですが、「細かい数字の記録を、費目ごとに整理しつつ正しく残す」という作業は、人力だけでは非常に難しいものです。必要に応じて、積極的にデジタルツールの助けを借りていきましょう。

デジタルツールを初めて使うときは抵抗があるかもしれませんが、各種「家計簿アプリ」の無料版を試してみるのはいかがでしょうか。

数ヶ月使ってみることで、ご自身の家計についてきっと新たな発見があるはずです。

【執筆者プロフィール】
山田 圭佑(KYお金と仕事の相談所 所長)

キッズ・マネー・ステーション認定講師、国家資格キャリアコンサルタント、ファイナシャルプンナー技能士2級・AFP、琉球古典音楽 野村流伝統音楽協会 歌三線 師範、八重山古典民謡保存会 歌三線 教師

東京都出身。大学入学と同時に沖縄県へ移住。大学卒業後、沖縄県庁にて18年間奉職した後にキャリアチェンジ。現在はフリーランスのキャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー・歌三線師範として幅広く活動。2022年7月に「KYお金と仕事の相談所」を開設。所長を務めている。

(ハピママ*/キッズ・マネー・ステーション)

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