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『ブギウギ』で脚光を浴びたOSK日本歌劇団『レビュー 春のおどり』イープラス貸切公演をレポート、OSKの魅力は「男前に、純粋に、凛々しく、そして、おもしろく」

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イープラスポーズを取るOSK日本歌劇団 撮影=福家信哉

レビュー 春のおどり 2024.4.13(SAT) 大阪松竹座

OSK日本歌劇団『レビュー 春のおどり』のイープラスによる貸切公演が4月13日(土)、大阪松竹座で開催された。

2023年10月から2024年3月まで放送されたNHK連続テレビ小説『ブギウギ』では、OSKの前身である大阪松竹少女歌劇団に所属していた「ブギの女王」こと笠置シヅ子がヒロインのモデルとなり、作中に登場する第1期梅丸少女歌劇団(USK)の男役トップスター・橘アオイを現役劇団員の翼和希が演じたほか、OSKの現役劇団員が多数出演。OSKの話題で持ちきりとなった。

『レビュー 春のおどり』は今、全国的に脚光を浴びているOSKの代表的な公演の一つ。今回はそれが、イープラス会員のみが楽しめるスペシャルなプログラムで届けられた。座席は、一部を「独自座席」として設けたほか、全席を「独自価格」でお得に販売。さらに上演前には「事前レクチャー」、上演後は出演者による「スペシャルアフタートーク」「撮影会」「サイン入りプログラムの抽選会」など、イープラスの貸切公演ならではの内容で実施された。

●「事前レクチャー」では、“存続公演”の裏話や楊琳&舞美りらの秘蔵写真の公開も

関係者以外は入室することができない、大阪松竹座の地下にある会議室で開かれた「事前レクチャー」に登壇したのは、松竹の関西演劇部 牧原広幸シニアプロデューサー。大阪松竹座とOSKの歴史を振り返りながらその関係性をひも解く……と聞けば、ややカタいトークになるかと思いきや、そこはかつて松竹新喜劇も担当するなど「笑い」と「お客の心のつかみ方」を知る牧原SP。

特に興味深かったのは、2002年に当時の親会社である近鉄の支援打ち切りが発表され、存続の危機に立たされたOSKの再建エピソード。牧原SPは、存続の会による旗揚げ公演『春のおどり 桜咲く国/ルネッサンス』(2004年)に携わったが、OSKについて決して詳しいわけではなかったので、戸惑いの連続だったという。そして、普段であれば公演回数は1日2回のところを、「まあ、いけるやろう」と1日3回に「してしまった」という。牧原SPは「みなさんきっと大変だったと思うんです。今思えば、申し訳なくって」と回想して恐縮していた。

牧原広幸シニアプロデューサー

ほかにも、OSKのトップスターである楊琳と男役スターの翼和希が『OSK日本歌劇団100周年記念公演』で挨拶した際、大阪・錦橋でOSK初期スター・アーサー美鈴を模して撮った二人の写真を「楊さん、翼さんには「今日、その写真を見せるよ」とは言っていないんですけど」と特別にお披露目したり、2012年開催のトーク&ライブ『創立90周年感謝の夕べ 〜夢の絆〜』公演後、現役劇団員とOGの集合写真などを見せたり、「事前レクチャー」でしか聞けない話や資料が盛りだくさん。あっという間の30分間だった。

●『ブキウギ』の影響力の大きさも語られた「スペシャルトーク」

「第一部 春楊桜錦絵」 (c)松竹

「事前レクチャー」の後は、待ちにまった公演。上演されたのは「第一部 春楊桜錦絵(ヤナギニハナハルノニシキエ)」(山村友五郎 構成・演出・振付)と「第二部 BAILA BAILA BAILA」(荻田浩一 構成・演出)。

「第二部 BAILA BAILA BAILA」 (c)松竹

楊、舞美へのせん別も込められた「春楊桜錦絵」は、序盤から劇団員たちが客席側へ降りるなどして賑わせ、華やかな元禄若衆の舞、そしてコミカルな芝居、民謡メドレー、迫力十分の殺陣も繰り広げた。スペイン語で「踊れ、踊れ、踊れ」を意味する「BAILA BAILA BAILA」は、情熱的なラテンなどさまざまな文化を取り入れたダンスが披露され、さらに『ブギウギ』の舞台シーンも盛り込むなどドラマチックな演出で観客を惹きつけていった。

右から桐生、壱弥、城月、白藤、舞美、楊、千咲、華月、翼、椿、唯城

上演後は、唯城ありすが司会で、楊、舞美、千咲えみ、白藤麗華、華月奏、城月れい、翼和希、壱弥ゆう、椿りょう、桐生麻耶(特別専科)による「スペシャルトークショー」が実施された。

トークテーマ「『春のおどり』のポイント」では、舞美が「楊さんが、太陽のように明るく、エネルギッシュ。『春のおどり』にふさわしく、笑って見届けられる」と挙げると、楊も「あなたもカンカン照りの太陽でしょ。え、それとも自分がお月さまとでも?」と舞美にツッコミをいれて笑わせた。

舞美りらにツッコミを入れる楊琳

元トップスターで2021年3月に特別専科へ移籍した桐生は、「(自分のことを)純粋に「この人は男なんだろうか、女なんだろうか」というところを楽しんでいただけたら(笑)。初めてOSKを観た方からお手紙をいただいたら「男性なんでしょうか」とよく書かれるんです。「もう、どちらでもいいかな」と。そう思って観てもらって。ここまできたら男役の極み。いくところまでいったんでしょうね」と“桐生節”で客席を湧かせ、さらに「壱弥と一緒にご飯を食べに行って、壱弥が大盛りを頼んでも、私の前にそれを持って来られるんです」とプライベートも明かした。

スペシャルトークショー

また楊は、自身も出演した『ブキウギ』の影響力の大きさについても触れ、「『ブギウギ』でも放送された「桜咲く国」(のパート)は無条件にハッピーになれる。「桜咲く国」があるから、みなさまと一体感がでます」とOSKの最後に必ず歌って、踊られる看板曲が見どころだと語った。

右から舞美りら、楊琳、千咲えみ

終盤には『ブギウギ』の標語「強く、逞しく、泥臭く、そして、艶やかに」にちなんで、OSKの魅力について「男前に、純粋に、凛々しく、そして、おもしろく」と標語形式で発表。OSKは娘役も「男前」が褒め言葉であり、劇団員全員が個性の塊で、公演を観れば一人ひとりの魅力が再発見できる。そんな意味合いが込められているという。

劇団員全員のサイン入りパンフレット抽選会(当選者10名)

「スペシャルトーク」の最後は、登壇した劇団員たちが観客の写真撮影会にも対応。さらにサイン入りプログラムの抽選会」でファンを喜ばせた。

●楊ファン、翼ファンも大満足「もっと好きになりました」

 ※掲載の了承をいただいています。

公演後は、イープラスの貸切公演に参加した観客からも満足の声が集まった。OSKのファン歴が3、4年だという親子は、ともに楊ファン。「公演中はカッコ良いけど、トークになると愛らしい方だなって。そのギャップが好きです」(子)、「『ブギウギ』の関連でOSKの現場を取材した映像を観たときも、楊さんの人柄がすごく感じられました。舞台上ではスターさんですが、稽古場ではみなさんと一緒に雰囲気を盛り上げている様子がテレビから伝わってきて、もっとファンになりました」(親)と楊の話で盛り上がった。

「もっとファンになりました」 ※掲載の了承をいただいています。

翼のファンだという女性は「『ブギウギ』で知ったんですけど、なにもかもが完璧で。それから全部、公演に行っているんです」、同行の男性は「今日、桐生さんを初めて観たのですがすごくカッコ良いです」と惚れ込んだという。

「なにもかもが完璧」 ※掲載の了承をいただいています。

母親、おばと来場した女性は「『ブギウギ』を観て、OSKが楽しそうだなと思って。それで、ふたりに「こういう公演があるけど」と声をかけてチケットを取りました」と言い、おばは「OSKは身近な感じがして、一緒に歌ったりできる楽しみがあります。トークショーもそうだし、写真も撮れて、なかなかないことですから」、母親も「『ブギウギ』で翼さんのことが好きになりましたが、今日でよりファンになりました」と満足した表情を見せた。

「OSKは身近な感じがする」 ※掲載の了承をいただいています。

2回目のOSKの公演観劇となった7歳の子どもは「楽しかった。最後の傘(「桜咲く国」)が好き」と話し、さらに「翼さんがカッコ良い」と笑顔を浮かべた。

「楽しかった!」 ※掲載の了承をいただいています。

大好評だったイープラスの貸切公演。南座『レビュー in Kyoto』では7月20日(土)に、新橋演舞場『レビュー 夏のおどり』では8月8日(木)にも実施することが決定している。今後もOSKとイープラスによるスペシャルな企画が実施されることを期待したい。

取材・文=田辺ユウキ 撮影=福家信哉

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