老化を防ぐにはどうしたら? ビタミン◯◯が豊富なレシピで不調を改善!
健康長寿は中高年の大きな関心事。動脈硬化などに直結するコレステロールや血圧・血糖のコントロールのほか、骨粗鬆症や嚥下・味覚障害、便秘、貧血、皮膚の老化など加齢に伴う不調を改善する“食の処方箋”を提案。
健康と不可分な食のあり方やレシピを紹介したNHK「きょうの健康」テキストの好評連載を一冊にまとめた、健康料理書の決定版より「老化を防ぐレシピ」をご紹介します。
※『健康寿命をのばす100歳レシピ』より、本記事用に一部を編集して転載
老化を防ぐにはどうしたらいいの?
私たちは呼吸によって得た酸素を利用し、生命維持に必要なエネルギーをつくり出しています。この酸素の一部が通常よりも反応性の高い状態になったものを活性酸素といいます。
活性酸素は体外から侵入してくる細菌やウイルスを攻撃したり、細胞内で情報伝達物質として働くなど、人体にとって有用なものです。しかし、過剰に産生されると正常な細胞や遺伝子まで攻撃し、傷つけてしまいます。これが酸化です。
私たちの体内では、活性酸素を無害化する抗酸化酵素がつくられています。しかし、その量は加齢により減少します。活性酸素の産生量が抗酸化力を上回った状態である「酸化ストレス」が続くと、老化が進行したり、病気を引き起こしたりします。
加齢により低下した抗酸化力を補うためには、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を含む食品を積極的にとり入れることが勧められます。
対策 1 ビタミンCとEをとる
食事で摂取したビタミンCは血液に取り込まれて全身を巡り、組織を活性酸素の害から守ります。一方、ビタミンEは肝臓で代謝されて細胞に運ばれ、細胞膜に含まれているEPA、DHAなどの不飽和脂肪酸が酸化されるのを防ぎます。
また、ビタミンCには酸化されたビタミンEの抗酸化力を復活させる働きがあるため、両者は合わせてとるのがお勧めです。
対策 2 栄養バランスや食習慣を見直す
ビタミンCは野菜、果物、芋類などに、ビタミンEは植物油、ナッツ類、魚介類、野菜などに豊富に含まれています。これらを意識してとりましょう。また、抗酸化酵素の主成分はたんぱく質なので、肉、魚、大豆製品などの良質なたんぱく質を毎食欠かさずとることも大切です。
このほか、食べ過ぎやお酒の飲み過ぎも酸化を促進します。腹八分目を心がけ、お酒はほどほどにしましょう。
かつおの刺身を洋風に
かつおとアボカドのカルパッチョ トマトだれ
魚油の脂肪酸には動脈硬化を防ぐ働きがあります。
ビタミンEが豊富なアボカドと合わせて。
材料(2人分)
かつお(刺身用/サク)…140g
アボカド…1コ
レモン汁…大さじ1
リーフレタス…2~3枚
たまねぎ…1/2コ
トマトだれ (練りごま(白)・しょうゆ…各大さじ1
植物油(あればひまわり油* )…小さじ2
砂糖…小さじ1
ラー油…少々
トマト(小角切り)…1コ分)
●塩
*ビタミンEは植物油にも豊富です
ビタミンEが特に多いのはひまわり油で、大さじ1(12g)に4.7mgが含まれます。そのほか、綿実油、紅花油、米油などにも豊富に含まれます。
1 かつおはそぎ切りにする。アボカドは種と皮を除いて薄切りにし、レモン汁をかける。
2 レタスは食べやすい大きさにちぎる。たまねぎは薄切りにし、塩少々で軽くもむ。
3 小さめのボウルにトマトだれの調味料を混ぜ合わせ、トマトも加えて混ぜる。器に2を敷いて1を盛り、トマトだれをかける。
ポイント
トマトにはビタミンC、ビタミンEに加え、これらよりも強力な抗酸化力があるリコピンが含まれています。たれに加えて抗酸化力を強化します。
エネルギー 344kcal 食塩相当量 1.8g ビタミンC 29mg ビタミンE 4.9mg
試し読み
監修:宇都宮一典 (うつのみや・かずのり)
1985年東京慈恵会医科大学大学院修了。現 同大学名誉教授。専門の糖尿病を中心に栄養・食事療法に詳しく、栄養に関する各種ガイドラインの策定・改訂などにも長年携わる。
料理:大越 郷子(おおこし・さとこ)
管理栄養士。東京都内で料理教室を主宰。病院栄養士としての経験を生かし、健康に配慮したつくりやすいレシピ開発や栄養指導を行っている。
◆『健康寿命をのばす100歳レシピ』より