「マジにピエロが怖い!黒島さんが怖い!」“和製ジョーカー”と大反響『夏目アラタの結婚』品川ピエロ誕生の秘密
『医龍-Team Medical Dragon-』など、多岐にわたるテーマを緻密な人間描写を通じて表現することに定評がある乃木坂太郎が、2019年から「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載し、累計発行部数が250万部のベストセラーコミックスとなっている『夏目アラタの結婚』(2024年1月完結)が待望の映画化、現在大ヒット公開中だ。このたび、原作・乃木坂太郎が、“品川ピエロ”誕生の秘密を明かした。
累計250万部のベストセラーコミックスが映画化
連続殺人犯の死刑囚にプロポーズすることから始まる衝撃の獄中サスペンスは、主人公・アラタと死刑囚・真珠との頭脳戦や二転三転する展開が読者を惹きつけ、「次にくるマンガ大賞 2020」U-NEXT特別賞コミックス部門を受賞、世界最大級の日本アニメ・マンガのコミュニティサイト「MyAnimeList」でも紹介されるなど、国内外から高く評価されている。中でも、品川真珠が“怖かわいい”と話題を呼び、ファンアートも多数公開されている話題作だ。
日本中を震撼させた連続殺人事件の遺族から相談を受け死刑囚に会いに行く元ヤンキーで児童相談所の職員である主人公・夏目アラタ役に、日本を代表する実力派俳優・柳楽優弥。物語の鍵を握る“品川ピエロ”の異名をもつ連続殺人犯にして死刑囚の品川真珠役に黒島結菜。過去の天真爛漫で爽やかなイメージからは想像もできないキャラクターで、新境地に挑む。また事件の担当弁護士であり、真珠の無実を信じる宮前光一役に中川大志、アラタが勤める児童相談所の先輩で真珠に心酔する桃山香役に丸山礼、アラタの行動を注視する児童相談所の所長・大高利郎役に立川志らく、真珠を追い詰める検事・桜井健役に福士誠治、面会室でのやり取りを見張る刑務官・井出茂雄役に今野浩喜、死刑囚アイテムコレクター・藤田信吾役に、佐藤二朗、控訴審の裁判長で真珠の本心を疑う神波昌治役で市村正親ら豪華キャスト陣が集結。
監督は、『十二人の死にたい子どもたち』をはじめ『イニシエーション・ラブ』、「TRICK」シリーズや「SPEC」シリーズなど数々のスタイリッシュな映像美と圧倒的なキャラクター描写で熱狂的なファンを生み出してきた鬼才・堤幸彦。
“和製ジョーカー”と評判の品川ピエロ誕生の秘密
原作からの再現度もすごいという本作。特に公開前から評判だったのが、特徴的なギザギザの歯を持ち、太ったピエロ姿で登場する死刑囚・品川真珠だ。太ったピエロ姿の真珠は、登場シーンは短いながらも暗い部屋の中で血まみれになりながら死体を解体するという衝撃的な演出によって「怖い!マジにピエロが怖い!黒島さんが怖い!」と絶賛されている。先日、黒島が太ったピエロ姿に変貌するメイキング映像が解禁された際には「別の女優さんがやってると思ってた!」「ピエロ役も黒島結菜だったんだ」と観客にも衝撃をもたらしている。
一方で、サイコパスな殺人ピエロという印象を与えながらも、物語が進むにつれて死刑囚・品川真珠の孤独な背景が徐々に明かされていく。「真珠に対して感情移入できるような演出が『ジョーカー』みたい」と、まさにピエロの姿が印象的な話題作『ジョーカー』を連想し、品川ピエロを“和製ジョーカー”と表現する人も多い。コメディアンを夢見る心優しき青年が、弱者に無関心な社会に見捨てられ、狂気あふれる<悪のカリスマ>に変貌を遂げていく姿を演じた『ジョーカー』は、まさに死刑囚でありながらも徐々に裁判を経てその生い立ちが明かされていくことによって裁判の傍聴人だけでなく観客すら感情移入をしてしまうようなヒロイン・品川真珠の姿が重なる。
さらに殺人ピエロの代表格といえば『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』で子供たちに恐ろしい恐怖を与えて次々と襲い掛かかってくるペニー・ワイズだ。圧倒的な恐怖と存在感を植え付けてくるピエロという存在は、ハリウッドの大作だけでなく、もちろん本作でもその衝撃をいかんなく発揮している。
そもそも、死刑囚と公務員の獄中結婚という衝撃的なエピソードの中で、なぜあえてピエロ姿の犯人を描こうとしたのか。原作者の乃木坂太郎はその理由について、「僕にとっての怖いピエロの記憶、それは江戸川乱歩が書いた探偵小説『地獄の道化師』でした。殺人鬼の哀しい動機、正体は小学生だった自分に強い印象を残し、雑誌の企画でイラストを描かせてもらった事もありました」と振り返りながら、「『夏目アラタの結婚』を始める際に道化師、殺人ピエロを出そうと考えたのは、自分に取り憑いた何かを払い落としたかったのかもしれません」とその誕生理由を明かした。
太ったピエロという衝撃的な姿から変貌を遂げた死刑囚・品川真珠の予測不可能な言動は夏目アラタたちだけでなく観客をも翻弄していく。真珠を演じた黒島が、「真珠は何を考えているかも分からないし、何が本当で何が嘘かもわからない、色々掴みどころがないキャラクターだと思います。ですが、ふとした時に本音の表情があったりするんです。嘘の嘘は本当というような、それがお客さんに、どこまで、どういう風に伝わるのかなというのが楽しみです!」と語るように、徐々に明かされていく真珠の衝撃的な真実に、最後まで目が離せなくなること間違いなし。ただのサスペンスに収まらない死刑囚と公務員の獄中結婚の行方を劇場で目撃してほしい。
『夏目アラタの結婚』は大ヒット公開中