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「大型マス類を狙い撃ちしよう!」本流釣りのススメ【ポイント・時期・釣り方を解説】

TSURINEWS

感動がこみ上げる良型(提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)

本流釣りの一番の魅力は、素晴らしい魚体の魚に出会えることだと思う。まばゆいばかりの鱗をまとった洗練された魚に感動する。また支流ではめったに出会えない尺物に出会える可能性が上がる。ターゲットは海から遡上する魚から居着きの大物まで、可能性が広がる。今回は本流釣りの大物狙い、数狙いの釣り方を紹介したい。

ポイント&時期

本流釣りのポイントと時期を解説しよう。

大物狙いの場合

本流釣りの大物ポイントは、狙うターゲットや時期により異なる。サツキマスなどの遡上魚を狙う際のポイントは、当然本流の最下流エリアから始まる。海から遡上する魚なので、下流から釣れ始める訳だ。時期は4月後半ごろから始まる。

尺アマゴ(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

遡上魚狙いの特徴として、狙うポイントが徐々に上流へ変わっていくこと。遡上魚は上流を目指して上るため、時期ごとに移り変わる。初夏のころには本流の上流部がポイントになる。

サツキマス(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

どのエリアでも、ポイントはエン堤下や大淵など、いったん魚が止まる場所が狙いめだ。居着き狙いなら、魚影の濃い本流上流部の大淵がメインとなる。他には支流との合流点、荒瀬の白泡下なども見逃せない。

数狙いの場合

本流で数を狙う際は、魚影の濃い本流上流部でサオを出すのが一般的。本流の中流部、下流部でも魚はいるが、絶対量は上流部に分がある。上流部のポイントをさらに細分化すると、支流の合流点付近の瀬。大淵前後の瀬など、魚の絶対量が多い場所の前後の瀬を狙うのがキモ。淵などの深みでも釣れるが、数を狙うならやはり瀬を狙うのがベターだ。

数釣りも狙える(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

瀬狙いでも、初期は瀬の中にある大石裏や瀬の脇の深みなどを狙うのが良い。初期の本流魚は活性が低いので、流れの速い瀬の芯などには着いていない。桜が咲くころになると水温が上がり、魚の活性も上がる。流れの速い瀬の芯に着くので、そのころに流芯を狙う。

数を狙える時期は一般的に4〜5月ごろまで。5月を過ぎると数釣りが難しくなる。そんなときは、水温が低い山間部の本流上流部などの河川へ行くと、まだまだ数釣りが堪能できる。

タックル

本流釣りのタックルを紹介しよう。

本流釣りのタックル(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

大物狙いの場合

大物狙いのサオは、本流釣りではやはり長ザオが必須。最低でも8mはほしい。広大な本流ではサオが短いと勝負にならない。ましてや大物狙いでは、大淵やエン堤下など水深があり川幅が広いポイントを狙うことになるので、サオが短いとそもそも届かない。私は8mをメインとして使い、大場所では10mを使う。

長ザオを振る(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

8mは取り回しが良く、風が強く吹いても対処できる。また大物はアタリが小さいことが多い。サオが短い方がアタリは取りやすいのだ。

水中イトは0.6号がメイン。増水時など水量が多い状況では、0.8号まで太くする。また朝一など警戒心が薄い状況でも0.8号を選択する。逆に渇水時などハイプレッシャーの状況では、0.4〜0.5号と細くする。イトへの抵抗が少なく、仕掛けの入りも良いのでアタリが出やすい。

ハリはエサにより使い分ける。カワムシの場合は、がまかつ渓流マッチョ8号。ミミズの場合は、オーナーのきじ鉤6〜8号を選択する。

数釣りの場合

数狙いの場合は、基本的に瀬を狙っていくので、サオは7m前後が扱いやすい。風が吹く状況や川幅が狭い場合は、6mでも良いと思う。

渓流魚をキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

水中イトは0.2号がメイン。増水時などは0.3号。渇水時などハイプレッシャーの場合は0.175号と細くする。ハリはカワムシならオーナーのカッパ極や忍ヤマメの4〜6号。ミミズならきじ鉤6号。

オモリは大物、数狙いともにヤマワのゴム張ガン玉を愛用している。

エサ選択

本流釣りでのエサは多様にある。カワムシならキンパク、ヒラタ、オニチョロ、クロカワ。カワムシ以外ならミミズ。使い分けとしては、大物狙いならクロカワ、オニチョロ、ミミズ。数狙いならキンパク、ヒラタが一般的な使い分け。

ハリへの刺し方はキンパク、ヒラタ、オニチョロは尻尾から刺して、胴体横からハリ先を出す。魚がスレている場所はもっと深く刺し、頭の胴体のつなぎ目辺りでハリ先を出す。クロカワは背中にチョン掛けする。ミミズはミミズ通しで通してハリ先を出す。

カワムシのローテーション(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

またエサをローテーションさせて、食い気を誘う釣り方もある。基本的なローテーションは、キンパク→オニチョロ→ヒタラ。キンパクが羽化していなくなったら、オニチョロ→ヒラタ→オニチョロ。他にもオニチョロ→クロカワ→オニチョロなどのローテーションもある。

魚がいるのにアタリが出ないときは、一択のエサを流し続けるよりローテーションさせた方が可能性は上がる。またアワセミスをした時にエサ変えをすると効果的だ。

本流釣りの釣り方

釣り方は通常の渓流釣りの延長のようなもので、サオが長くなった分多少振り込みにくい。サオの持ち方は片手持ちだと疲れてしまうので、両手持ちが基本となる。サオ先をブラさず、目印を安定させる。

支流域との大きな違いは、水量が多く、流れが速いこと。仕掛けがうまく流れにナジまないと、渓魚の元までエサを持っていけない。オモリを支流域より重くして対応する。もちろん重すぎてもエサは自然に近い状態で流れないので、最初はオモリを重くして川底をしっかりキープすることに専念し、慣れてきたら適正の重さに調整する。言うはやすしだが、こればかりは経験で覚えていくしかない。

本流は支流よりポイントが絞りにくい。支流のように下流から上流へ釣り上るスタイルでは、時間がいくらあっても足りない。効率よく攻めるには、ある程度ポイントを絞り、そのポイントだけエサを流して釣れなかったらすぐに移動するのだ。

大渕狙いのテクニック(作図:週刊つりニュース中部版 松森渉)

大物狙いで大淵を狙う際のテクニックを紹介したい。大淵に仕掛けを振り込んだ際、早く沈めると沈む際に仕掛けが絡んでしまうことがある。これはオモリが重いほどトラブル率が上がる。そのため仕掛けをゆっくり沈めることがキモになる。着水と同時に仕掛けをいったん止め、そしてゆっくりと沈める。ゆっくり沈めるので魚へのアピール度が上がる。

スレた魚の対処法。スレた魚はアタリが出にくい。そのため、アタリは目印や手感度で取るのではなく、イトフケでアワせる。スレた魚はエサをくわえたまま、流れの引き落とし寸前まで下る。その際、目印や手感度には何も反応が出ない。

しかしイトフケには変化が出るので、そこでアワせる。経験を積まないと体得できないが、コツをつかめば魚に出会える確率が飛躍的に上がる。

本流釣りのマナー

最後に本流釣りのマナーについて。まずは駐車スペース。どの釣りでも問題になっていると思うが、地元の人の迷惑になるような場所には駐車しないでほしい。また駐車スペースにゴミを捨てるのも良くない。本流釣りは朝が早い。早朝はできるだけ静かにしよう。

大物は顔つきも違う(提供:週刊つりニュース中部版 松森渉)

本流の釣り人の間隔だが、個人によって解釈は違うと思うが、狙うポイントに車が止まっていたら最低でも数百mは間隔を開けたい。広大な本流にはポイントはいくらでもある。ただし、人気のエン堤下などは釣り人が並ぶ。サツキマスなどの人気ポイントは特にそうだ。そんなときは他の釣り人に声をかけて、そのポイントでの釣りを楽しもう。さあ、今年も本流で長ザオを振り込んで、素晴らしい魚たちに出会おう。

<週刊つりニュース中部版 松森渉/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2025年2月28日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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