群馬県には「温泉記号発祥の地」がある! 行ってみたら絶望しかけた!
つい先日、群馬県を訪れた際にGoogleマップで記事になりそうなスポットを探していたところ、車で30分ほどの場所に「温泉記号発祥の地」の足湯があることが判明。寒い日に足湯は最高じゃないか。ってことで、ドライブがてら立ち寄ってみることにした。
言うまでもなく、温泉記号とは「温泉から湯気が3本ゆらゆらと立ち上がるマーク」のこと。日本人なら誰もが知るあのマークの発祥地の足湯……そんなもん行くしかねえし記事にするしかねえ! というわけで行ってみたのだがァァァアア!
・温泉記号の発祥地へ
やってきたのは、群馬県安中市の磯部温泉。天明3年(1783年)の浅間山大噴火によってわき出した温泉地だ。となると、温泉記号が生まれたのはそれ以降となる。
ちなみに磯部温泉は世界遺産「富岡製糸場」から車で約20分の場所にあるため観光と温泉をセットで楽しむ方が多いらしい。案内曰く「入浴すると肌がツルツルする」そうで、とくに女性人気が高いのだとか。
・看板に描かれているイラスト
磯部温泉の看板を見つける度に「温泉マーク発祥の地」と書いてあることからゴリ押し具合が伝わってくる。おそらく不気味な幽霊のようなイラストが元祖温泉マークなのだろう。非常にリアリティのあるマークだ。いよいよ足湯に近づいてきたらしい。
そしてついに足湯を発見……!
温泉記号発祥の地の看板も立っていた。看板曰く、温泉マークのルーツは江戸幕府が出した文書だという。農民の土地争いに決着を付けるための評決文に、磯部温泉を表す2つの「逆さクラゲのような記号」が記されていたとのこと。
たしかにクラゲっぽいぞ。
・逆さクラゲ
後に専門家が調査した結果、この逆さクラゲのような記号が日本で使われた最古のものと判明したそうだ。まさか当時の役人も自分の描いたイラストが後に大ブレイクするとは思っていなかったはず。当時の絵図もしっかり残っていた。
これが温泉マークの始まりか……!
──と、深い感慨に浸ったところでいよいよ足湯である。屋根付きだから雨が降っていても無問題。施設は西日を浴びて輝いていた。それでは……
…………
「故障中のため、使用できません」
泣いた。
・絶望
いよいよゴールというところでまさかの故障中……どうやらタイミングが悪かったようだ。
母をたずねて三千里の主人公・マルコの気持ちが少し分かった気がする。ことごとく母に会えないマルコと比べれば大したことはないが、それでもこの時の絶望感はハンパではなかった。湯気が出ていない時点で嫌な予感はしたんだよな……。
・日帰り温泉
しかし結局、その夜に利用した日帰り温泉「恵みの湯」で磯部温泉を堪能。のれんには例のマークがしっかり描かれていました。3時間600円という温泉地ならではのリーズナブルな価格設定。天然温泉にサウナ、レストランや休憩処もあって大満足であります。
・東京駅から1時間ちょい
群馬には草津・四万・伊香保・水上などのレジェンド温泉が勢揃いしているため、磯部はマイナーな部類に入るかもしれない。しかし東京駅出発なら北陸新幹線で約1時間の安中榛名駅からタクシーで約15分。そこまで遠くはない。
しかも富岡市や軽井沢市(長野県)へも車で30分圏内と好立地なので、機会があればぜひ足を運んでみてほしい。足湯はやってないかもしれないけど。
参考リンク:磯部温泉
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.