安定を手放した転職に後悔。もう一度やり直したい31歳男性の悩みにプロが授ける“絶対に避けるべき姿勢”
「激務の割に給料は上がらない」 「風通しがよいと聞いていたのに、人間関係はしがらみが多い」 安定した大手企業からベンチャーへの転職に踏み切ったものの、理想と現実のギャップに後悔している31歳男性。前職の仲間が楽しそうな様子を見るたびに「なぜあの場所を捨てたのか」と自問自答する相談者に、キャリアのプロが立ち直り方を捧げます。
※本記事は、Podcast「5分で整うキャリア思考」の一部を抜粋・編集したものです。
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相談内容
31歳/男性
新しい挑戦を求めて、安定した大手企業からベンチャーに転職しました。でも蓋を開けてみれば、激務の割に給料は上がらず、風通しがよいと聞いていたのに、人間関係はしがらみが多いです。前職の仲間たちが楽しそうにしているのを見ると、なぜ自分はあの場所を捨ててしまったのかと、毎晩後悔しています。もう一度、やり直すことはできますか?ここからどう立て直せばいいでしょうか。
何度だってやり直せる!
まず、坂井さんは「もう一度やり直すことはできますか?」という問いに対し、「 何度だってやり直せますよ 」と明快に答えます。
坂井さんは、映画『キッズ・リターン』のセリフ「まだ始まっちゃいねえよ」を引用し、 キャリアや人生は「終わったかな」と思った後も、そこからまた始まるもの だと強調します。今の経験を「自分はこういうことに向いていて、こういうことには向いていないんだなということが検証ができた」と思えばどんな経験も無駄にはならない、と坂井さんは語ります。
後悔しているならば、前職の企業に戻るという選択肢も当然あり得ます。しかし、そのうえで、絶対に避けるべき姿勢があるといいます。
エターナルジョブホッパーにならないために
絶対に避けるべき姿勢。それは、 転職を繰り返す「エターナルジョブホッパー」にならないこと です。坂井さんは、仮にこのまま大手企業に戻れたとしても、「これがない、あれがない」という不満ばかりに目を向ける「ナイナイ病」を繰り返すと、 また同じ後悔を繰り返してしまう危険性がある と警鐘を鳴らします。
そうならないために最も重要なのが、「 自分で自分の職場をよくする 」という姿勢だと、坂井さんは主張します。
完璧な職場や完璧な仕事は存在しない。だからこそ、「どうやったらこのチームってもっと自分にとって、みんなにとって居心地がよくなるか」「この仕事やこの環境で何か学びを得るとしたら、どういう風にすればよいか」という姿勢が重要だと語ります。
具体的な行動としては、
朝会で元気に声出しをする 誰かとランチに行って仲良くなる 自分のお客さんに会いに行き、サービスがどうお客さんを喜ばせているのかを理解する
といった小さな行動を積み重ね、理想の職場に近づけていく発想を持つべきだと坂井さんはアドバイスします。
まとめ:「終わり」はない。今からどう立て直すか
✓何度でもやり直せる。終わりはない
✓「ナイナイ病」に陥り、エターナルジョブホッパーにならない姿勢が大切
✓理想の職場は「あるもの」ではなく、「自分でよくしていくもの」という姿勢が大事
坂井さんは、仮に今の会社を辞めて戻るにしても、在職期間中は「せっかく取ってくれた会社だから、ちゃんとこのベンチャー企業に貢献しよう」という姿勢で恩義を尽くし、 自分で自分の職場をよくする癖を身につける ことが重要だと締めくくりました。
プロフィール
坂井風太
早稲田大学法学部卒業後、2015年DeNAに新卒入社。旅行事業部(現エアトリ)に配属後、ゲーム事業部、小説投稿サービス「エブリスタ」に異動。2020年にエブリスタ代表取締役社長に就任。M&Aや経営改革などを行うと同時に、DeNAの人材育成責任者として人材育成プログラムを開発。2022年にDeNAとデライト・ベンチャーズ(Delight Ventures)から出資を受け、株式会社Momentorを設立。組織効力感や心理学をもとにした人材育成と組織基盤構築の支援を行っている。
企業サイト 株式会社Momentor X(旧Twitter) 坂井風太
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