フジバカマ開花 「旅する蝶」飛来 赤穂ふれあいの森
周世の「赤穂ふれあいの森」で地域住民が栽培したフジバカマに「旅蝶」のアサギマダラが飛来。関係者は「今月10日前後に最も多く飛来するのでは」と予測している。
フジバカマはキク科の多年草で「秋の七草」の一つ。アサギマダラはマダラチョウ科の仲間で、夏に日本で生まれた個体が秋になると南西諸島や台湾まで南下する。好物の蜜を求めてフジバカマの花に寄ってくる習性がある。
赤穂ふれあいの森は、かつて天台宗の寺院・神護寺の社領地で、当時の僧侶らが薬草を育てるための菜園に使っていたとみられる平地が残る。地元の歴史に詳しい井口邦夫さん(80)が3年前から菜園跡でフジバカマの栽培に取り組み、一昨年に約160株の開花に成功。多数のアサギマダラが飛来して話題になり、わざわざ観察に訪れる人もあった。
井口さんによると、昨年は猛暑の影響でほとんどが枯れてしまったが、今年は自治会と市の協力で散水設備を導入した効果で一昨年の半分ほど花をつけた。すると、9月26日に4羽のアサギマダラが姿を見せ、4日間滞在したという。
井口さんは「気温の低下に伴って、アサギマダラの南下が始まったのでは。今年も飛来した数と気温の記録を続けるつもり」と話している。
菜園跡は赤穂ふれあいの森駐車場から南へ約270メートル。菜園跡まで、のぼり旗と案内標識がある。フジバカマとアサギマダラの保護のため菜園を囲むフェンス内は立ち入り不可。問い合わせは井口さんTEL090・1671・8831。
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写真撮影者のお名前に誤りがあり、修正しました。写真提供を受けた際、齟齬がありました。(2025年10月4日11時00分)