源泉徴収票でわかる《リアル年収》営業アシスタントの50歳。親の介護費が心配……【FPが解説】
読者から寄せられた「年収の額」を大公開。はたしてこの年代・業種で年収が多いのか少ないのか、質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【50歳 営業アシスタント】
【年収いくら?】50歳、営業アシスタントの場合
プロフィール
50歳、女性
営業アシスタント(正社員)
▼現状
年収:約745万円
ボーナス:なし
労働時間:月140時間、残業はなし
【相談内容】親の介護費用が心配……
「お給料には満足していますが、あればあるだけ使ってしまうので貯金ができません。70代の母を扶養に入れていますが、今後母に介護が必要になったときにどれくらい介護費用がかかるのか不安です」
現在の年収は平均と比べると高い?低い?
質問者さんの現在の年収は、約745万円です。
一方、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、50〜54歳の営業・販売事務従事者の平均年収は約572万円*。
このことから、質問者さんの現在のお勤め先は、平均よりもかなり高い水準と言えそうですね。
*……参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
介護にかかる費用はどれくらい?
介護にかかる費用は 「一時的な費用」と「毎月の費用」に分けられます。
生命保険文化センターの調査によると、費用の平均は以下のとおりです。
一時的な費用(住宅改修・介護用品の購入など)
住宅改修や介護ベッドの購入などにかかった費用の平均額:47万円
毎月の介護費用(公的介護保険の自己負担含む)
在宅介護:平均5.2万円 / 月
施設介護:平均13.8万円 / 月
介護期間の目安
介護が続いた期間の平均は55カ月(約4年7カ月)
平均的な介護期間である55カ月を基準にすると、毎月の介護費用の総額は次のようになります。
・ 在宅介護の場合:約286万円(5.2万円×55カ月)
・ 施設介護の場合:約759万円(13.8万円×55カ月)
介護の形態によって費用は大きく異なるため、今のうちに 「どの程度の介護が必要になったら、どこで介護をするのか」を考えておくと安心です。
*……参考:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」
介護費用について話し合いをしておく
介護が必要になってからでは、お金の話をするのは難しくなりがちです。
お母さまが元気なうちに、将来の介護費用について具体的に話し合っておきましょう。
お母さまの貯金や年金でどの程度の介護費用をまかなえるのかを確認し、質問者さんが援助できる現実的な金額を明確にしておくことが大切です。
事前に話し合っておくことで、実際に介護が必要になった際に「どの程度の介護サービスを受けるのか」「施設に入るか自宅で過ごすか」などを慌てず冷静に判断できますよ。
同年代の年収平均は……
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、50〜54歳の平均年収は約343万円*です。
質問者さんの年収は約745万円と、年齢別の平均と比べるとかなり高い水準になっています。
*……参考:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
まとめ
・平均的な介護年数を過ごした場合、在宅介護で約293万円、施設介護で約745万円がかかります。
・お母さまが元気な今のうちから、将来の介護費用について話し合いをしておきましょう。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆sino
ファイナンシャル・プランニング技能検定3級 日商簿記検定3級
資産形成や節約に関するアドバイスを得意とし、普段はライターとして活動しています。