壁にめり込む石鳥居も必見!新京極の天神さん「錦天満宮」
錦天満宮は、錦市場の東のつきあたり、新京極商店街に面した場所にあります。いつ訪れても多くの参拝者でにぎわっている錦天満宮は、狭いながらも見どころたっぷり。今回は錦天満宮の境内を紹介します!
錦天満宮について
錦天満宮の始まりは、菅原道真の父親・是善の旧邸・菅原院です。
菅原院は道真が亡くなった後に歓喜寺となり、長保5年(1003)には六条河原院(源融の旧邸)に移り、天満大自在天神をお祀りしました。
それから約600年後の天正15年(1587)に秀吉の京都改革により現在地に移転されます。
明治時代に新京極通りが作られた際には社地を縮小し現在の形となりました。
ご祭神は菅原道真公、ご神徳は学問成就・招福・厄除け・災難除けなどで、「錦の天神さん」として京都市民に親しまれてきました。
錦天満宮境内
境内には、天神様のお使いとされる牛があちこちにいらっしゃいます。
中でもつやつやに輝いている「撫で牛」は存在感がたっぷり!
撫でるとご利益があるとされているご神牛は優しい表情で私たちをお迎えしてくれます。
「撫で牛」の前と向かい側、境内の両側に「錦の水」が湧き出ている花手水があります。
「錦の水」は京の名水とされていて、お参りがてら水を汲みに来られる方も少なくありません。
手水鉢には、小銭が投げ入れられていました。
人は清らかな水があるとなぜか小銭を投げたくなるのです!
本殿
菅原道真公がお祀りされている本殿は拝殿の奥に少しだけ見えています。
手前の拝殿にはご祭神を守るように座っておられる随神(ずいじん)。
こんなところに可愛い牛。
手をかざすと鈴の音がする牛は、コロナ禍に安置されたものかもしれません。
本当になるのかと手をかざしてみたところ、可愛い鈴の音がしました。
本殿前には、からくり仕掛けのおみくじ。
人が近づくと中の獅子舞が動き出します。
このからくりおみくじ、元はロボットの設計などの仕事をされていた錦天満宮の宮司さんが設計したそうです。
私がお参りしたのは2月中旬。
本殿前の白梅が咲き始めていました。
紅梅はまだつぼみ。
塩竃神社
本殿左側には、摂社・末社が並んでいます。
最も手前にあるのは、源融公がお祀りされている塩竃神社。
安産の神様とされています。
源融公は、『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルとも言われている嵯峨天皇の皇子です。
こちらの塩竃神社は、陸奥国塩竃の風景を愛した源融公が、自身の邸であった六条河原院に塩竃を模した庭を造ったことを由来としたお宮です。
日之出稲荷神社
塩竃神社の右隣に立つのは、日之出稲荷神社です。
ご祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)、商売繁盛のご神徳があるとされています。
白太夫神社
白太夫神社のご祭神は渡會春彦(わたらいはるひこ)ご神徳は子授けです。
菅原道真の父である是善は世継ぎが生まれなかったために伊勢神宮外官の渡會春彦を通じ、伊勢神宮に祈願すると、道真公を授かったとされています。
渡會春彦は若いころから見事な白髪であったことから「白太夫」と呼ばれていたため、道真公をお祀りするお宮の摂社として、白太夫神社がお祀りされるようになったそうです。
七社之宮
最も東に建つのは、
・八幡神社
・床浦神社
・竃神社
・市杵島神社
・熊野神社
・恵比寿神社
・事比良神社
の七社が並ぶお宮です。
大願梅の樹
摂社・末社の前にはピンポン玉くらいの大きさの木製の玉がたくさんつるされていました。
これは大願梅と呼ばれる祈願玉で、中には願い事を書いた紙が納められています。
大願梅は月次祭りの際にお焚き上げされているそうです。
願い事のたくさん詰まった果実が、たわわに実って壮観でした。
壁にめり込む石鳥居
見逃してはならないのが、寺町京極と新京極の間にある石鳥居。
鳥居の両端がビルにめり込んでいる珍しい姿は一見の価値あり!
お宮への崇敬と共存する現代が象徴されたような京都らしい風景の1つだと思います。
錦天満宮の基本情報
・住所 京都市中京区新京極通り四条上る中之町537番地
・電話 075-231-5732
・開門時間 8:00~20:00
・境内自由
アクセス
・最寄り駅 阪急電鉄「河原町」徒歩約10分/京阪電鉄「祇園四条」徒歩約13分
・バス 「四条河原町」徒歩約5分
・HP https://nishikitenmangu.or.jp/