仲良しだった友達が、最近はSNSにどハマり。リアルな会話が楽しめなくなってしまった、どうしたらいい?お悩み#64
はーい皆さん、ごきげんよう!満島てる子です。
読者の方々は、スマホとの付き合い方ってどうコントロールしてるのかしら?
あたしと言えば、どうしてもお仕事の性質上、休みの日もこの小さなモノリスに顔を突き合わせっぱなしだったりして。
イベントの告知や、さまざまな予約の管理、スタッフの出勤表作成までスマホでできちゃう時代です。ましてやプライベートとなると、何かを調べるにしたってSNSメインでなんでも知ることが可能なわけで。そりゃ手放せなくなるよねぇ。
ただ、時々ふと「あたし含め、みんな自分のデバイスしか、もしくはそれを通してしかモノを眺めてないんじゃね?」と我に帰る時もあったりすんのよね。
素敵な出来事や眺めがそこにあったとしても、スマホに囚われすぎてそこに目を向けようともしてない瞬間、相当あるんじゃないかしらって思うというか。
今回は、そんな違和感にも通じるお悩みが寄せられていました。ご紹介します。
読者のお悩み「長年の友達が、SNSに最近ご執心で、きちんと会話を楽しめない。一体どうしたら……」
ゆめこさん、こちらのコーナーにお手紙送っていただき、どうもありがとうございます!
そうかぁ、お友達ったらソーシャルネットのとりこになってしまったのね。
SNSってさ、フォロワーとのやり取りを楽しんだり、好きなアカウントの発信を心待ちにしたり。
そんな、コミュニケーションツールとしてもエンタメコンテンツとしても活用できる、素晴らしいツールだなとは、あたし自身ひとりのユーザーとして日頃から思っていたりはするんだけれど(カタカナ多いわねこの段落)。
やっぱりそれってスマホという、とある"箱"の中だけのお話。しかもその箱をながめるのって、どうしてもその持ち主ひとりだけの経験に限られちゃうのよね(関連する内容について、先日のHBCテレビ「今日ドキッ!」でもコメントさせてもらったなぁ )。
相談者さんが違和感を抱くのも当然のこと……
そんな閉じた内容の話題なのに、相手の発言では「会話中にしめるウェイトがかなり」あるとなると、そりゃゆめこさんが違和感も抱くのも当然。
しかもその大半がネガティブなものとなると、さらに聞く気失せるわよね。
「わがままでめんどくさく、子どもっぽい」モヤモヤなのかなぁって、今の自分の心持ち自体をマイナスに感じてらっしゃるようだけれど、そんなふうに自分のことを否定的にとらえなくていいとあたしは思うのよ。
まぁさぁ。仲良い人たちとの旅先での会話ってね。
これ、みんなにもぜひ振り返ってみてほしいんだけれど、行った場所やそこで起こった出来事に関する話がじゃあその大半を占めのるかって言うと、そうでもないよなぁとは正直思ったりはするの。
生きるのに必死な人間が大半を占めるこの世の中です(ねぇ、どなたもそうよね?あたしだけが必死なわけじゃないわよね?)。
ゆっくりとした時間を気心知れた相手とともに過ごす機会だって、そう頻繁には作れないはず。
そうなると、どうしても久しぶりに会えた分、それまで溜め込んでいた話したいことがお互い溢れちゃって、なんだか結局旅と関係ないトークばっかになっちゃったなんてことは、割とあるかもしれない。
そしてそんな話題のひとつとして、最近ハマっているSNS関係のことがそれなりに出てくるのは、このスマホ社会においては自然な流れとも言えそう。
ただそうとはいっても、ゆめこさんのお友達のように、話を聞く側が「なんとも反応しづらい」状態なのを察することもないまま、やたらと自分のフォロワー周辺の話をべらべらしゃべり続けるのって、やっぱりナンセンス。
その人との付き合い方自体を迷ってしまうのも、あたしとしては大いにうなずけちゃう。
関係性を育んできた大切な人だからこそ「ちょっとはこっちのことも考えなさいよ!」って言いたくなっちゃうよね。
そうだよねぇ〜。(← 「Sitakke新CM風」
……自分自身の似たような経験をいくつか思い起こしながら、ゆめこさんのお手紙から伝わってくるなんとも言えないやるせなさに、ひしひしと共感の気持ちを抱いてしまっているあたしだったのでした。
あたしなりのAnswer
さて、ゆめこさん。
はっきり言ってしまうとなんだけどあたし、あなたが「もっと柔軟に、友人を受け入れるべき」だとは、お手紙読む限り1ミリも思えなかったの。
多分それ、いつかゆめこさんのこころのキャパが、どこかで追いつかなくなってしまうパターンではないかなって気がするし。
なんだけど、じゃあその人と絶縁しなさいとか、相手にクレームぶん投げちまおうとか、そんな乱暴な結論はもちろん出したくない。それよりは、あなたの姿を見て相手が「あら?」と気づくような、そんな仕掛けを作ってみることをあたしは勧めたい。
だからここからは、ゆめこさんにとっては青天の霹靂かもしれないけれど、あたしとしては割と本気の「解決策」的なものを綴っていくことにするわね。
ではね、ゆめこさん。
あなた、一度「デジタルデトックス」なるものに、みずから取り組んでみてはいかがかしら?
最近少しずつ広まってきたこの言葉。
その名から察せられるように、デジタルなもの(主にスマホ)から距離を置くことを意味しているわけですが、やり方は様々。
少し調べるだけでも「寝る1時間前からはスマホを触らない」「SNSの通知設定をオフにしたり、時にアプリ自体を定期的にあえて消す(アカウントは残したままで)」「スマホではできない/から離れられる体験(料理•読書など)に時間を費やす」など、いろんなノウハウが。
あたし自身は最近、プールで泳ぎながら無心になれる時間を週2で作ったり(先月から健康のためにジム行くようになったの❤︎)、毎週月曜、部屋に飾っているお花を選びに買い物に出かけるときにはあえてスマホを置いていったり。
自分なりにではあるんだけれど、デジタルデトックス的な取り組みを生活の中で実践するようにしています。
ちょっとやってみてわかったんだけれど、すごいの。
自分がいかにこれまでスマホ中心•SNS中心に生きていたかがよくわかるというか。
「情報を入れすぎてる」という意味で、脳が暴飲暴食状態で疲れてたのかもと、自分の日々の過ごし方を見直せるようになってきたのよね。これ、有意義。
でね、ゆめこさん。
個人的なオススメに過ぎないことは、承知の上でなんだけれど。
あたし、ゆめこさん自身が「スマホから離れる」ことを今まで以上に学び、それを楽しめるようになれば、きっと例の友達にもそれが自然と伝播していくんじゃないかなって、そう思ったのよね。
だから、あなたなりの「デジタルデトックス」、ぜひ一度やってみたらどうかなぁ?
他人を変えることはなかなか難しいけれど、自分はちょっとずつ変わっていける。
そして、変わった自分の姿を他者に見せることで、相手に何か気づきの種みたいなものを与えることはできるかもしれない。
「スマホという"箱"を、知らない間に自分を閉じ込めてしまう"檻"にしない」
そもそも仲がいい間柄なわけです。ゆめこさんから「最近デジタルデトックスしててね〜」という話題提供があれば、例の友達も「え、なんだろうそれ」「あたしもやってみようかな」など、何がしか考えるところはあるはず。
そしてそれきっかけで、自分自身のSNSとの付き合い方についてちょっとでも見直してくれるようになっていけば、これはもう万々歳。
(実際あたし自身、デジタルデトックスに興味を持ち実践するようになったきっかけは、友人からの影響でした)
もちろんこれ、相手に伝わるまで時間はかかると思うし、その上「やってみたところで意味が無かった汗」「この人わかってくれない……涙」というパターンもありうると思う。その時こそは、いよいよゆめこさんもその友達との付き合い方を考え直すべきなのかもしれない(この段まできたら、あたしならはっきり「SNSとかフォロワーの話題が苦手なの」と伝えると思うわ)。
でも、おそらくゆめこさん単体にとっても、デジタルデトックスの実践は意味があるはず。
スマホという"箱"を、知らない間に自分を閉じ込めてしまう"檻"にしないこと。
これは現代を生きるすべての人にとっての共通の課題だと思うから。
ゆめこさん。まずはあなたなりのスマホ•SNSとの距離の置き方、積極的に探してみてください。
それがきっと、最初はあなた自身の人生を、そしてうまくいけば、ゆくゆくは大切にしたいその相手との関係性を、豊穣なるものにしてくれるはず。
デジタルデトックスの力で、ゆめこさんの友達に対する負の感情もデトックスされますように……!と、そう切に願っているあたしなのでした。
ま・と・め♡
というわけで、今回はSNSやスマホに関するお悩みと向き合ってみました!
もうスマホ抜きでは生きられない社会ですが、そこにどれぐらい頼るかの度合いは人それぞれ。
だからこそ、今回のお手紙と似たような悩みを抱えていた読者も、きっと少なからずいたんじゃないかしら。
みんなでまずはデジタルデトックス、ちょっと実践してみましょ!
あたしもしばらく続けるつもり。
あ、でもでも……このお悩み相談ルームや「Sitakke」のサイトだけは、どうか定期的に覗いてちょうだいね。約束よ!
余計な減らず口、失礼いたしました。笑
ではではみなさん、Sitakkeね〜!
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部 ナベ子
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「 さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。