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経理事務からナースアシスタントへ。磨いたコミュニケーションスキルで医療チームの「縁の下の力持ち」に|私のキャリアチェンジ #2

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経理事務からナースアシスタントへ。磨いたコミュニケーションスキルで医療チームの「縁の下の力持ち」に|私のキャリアチェンジ #2【求人ボックスジャーナル】はたらき方やキャリアを考える機会を創出するメディア

「今話題の職業に就いている人」をインタビューし、その業務内容ややりがいを探る本シリーズ。今回は、テレビドラマの題材にもなり、注目度が急上昇している「ナースアシスタント」の仕事に迫ります。

ナースアシスタントは資格がなくても就ける医療職で、医師や看護師と協力し、患者さんの療養や入院生活がより快適になるようにサポートすることが仕事です。そのため、多くの方の選択肢になり得る仕事であり、実際に医療以外の業界から転職する人も増えています。

今回お話を伺ったのは、広告代理店の経理事務から転職し、ナースアシスタントとして北里大学病院に約16年間勤めている高橋さん。多職種連携が求められる現場で、前職の経験が大きく役立ったと話します。

プロフィール

高橋さん(58歳)

前職はスーパーや広告代理店で勤務。2008年に看護補佐(臨時職員)として北里大学病院に入職。2011年に専任職員として登用。心臓血管センター、脳神経内科病棟などで勤務。

家族の介護のために学んだ知識が役立つのではと考え、医療の道へ

Q ナースアシスタントになる以前のキャリアを教えてください。

広告代理店で経理事務をしていました。とはいっても小さな会社だったので、仕事の幅は広かったですね。営業のサポートやクレーム対応、総務の業務なども担当していました。そのため、税理士の先生や他部門のメンバー、お客様など、さまざまな立場の方々と日常的にやりとりする必要があったんです。 前職で磨いたコミュニケーションスキルは、多職種連携が求められる今の職場でも役立っています 。

Q ナースアシスタントに転職した経緯をお聞かせください。

義父が交通事故をきっかけに認知症を発症し、介護をするために会社を退職しました。その後、介護の知識をつけたほうがいいだろうと考え、ヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)と介護福祉士の資格を取得。しかし、家族だけで介護をするのは想像以上に難しく、最終的に義父は施設に入所することになったんです。

そうして再び働く時間ができたため、就職先を探してハローワークに行きました。そこで見つけたのが、ナースアシスタントの求人です。この仕事なら学んだ介護の知識を活かせる機会もあるかもしれないと思い、就職を決めました。

患者さんの、チームの力になれることが最大のやりがい

Q 働いていてやりがいを感じるのはどんなときですか?

やはり、患者さんの笑顔を見られたときですね。たとえばALS(筋萎縮性側索硬化症)で体をうまく動かせない方の入浴介助をしたときに、ご自身では手が届きにくい場所を探してきれいにしてあげると、とても喜んでくれます。

また、入院生活で塞ぎ込みがちになっている方に声をかけて他愛のない会話をすれば、こちらの想像以上に楽しそうにしてくれます。そうやって患者さんの力になれているという実感があると、「ナースアシスタントになってよかった」と心から思いますね。

それから、医療チームの一員として仲間と一緒に目標を達成できることも、大きなやりがいになっています。 チームで動いたからこそ質の高いケアができたときや、仲間の役に立てて「ありがとう」と声をかけてもらったときは、格別にうれしいです 。

Q 反対に、仕事のどんなところに難しさを感じますか?

定年も近づいてきた最近は、体力的に厳しさを感じることが多くなりました。私たちの仕事は、入浴や排泄、移動の介助で力を使ったり、食事や薬を運ぶために病院内を一日中動き回ったりしますから。ナースアシスタントとして働くにあたっては、体力があることは重要な条件なんです。

あとは、先ほども少し触れたとおり、目まぐるしく変わるスケジュールに柔軟に対応するのは、なかなか大変ですね。 常に最新の情報をキャッチアップし、優先順位を考え、効率的に動かなければならないので、いつも頭をフル回転させています 。

ちなみに、入職してしばらくの間は、知識を身につけることに苦労しました。医療業界は未経験だったので、医療用語の多い会話はわからないことだらけ。メモをとって毎日復習していました。「医療現場で働くための土台」をつくるまでは、根気よく勉強する必要があります。

ノウハウを次の世代へ。チームを力強く支えられる後輩を育てたい

Q 高橋さんの現在の目標や課題をお聞かせください。

自身のキャリアのゴールが見えてきた今は、後輩たちに培ったノウハウを伝えることに力を入れています。

ナースアシスタントは医療行為こそできませんが、チームがスムーズに動ける環境をつくる 「縁の下の力持ち」 として、重要な役割を担っています。そこで求められるのは、 チームに足りないことを自ら見極めて行動する力や、細やかな気配りです 。これらを言葉で教えるのは難しいですが、時間をかけて丁寧に伝えていけたらと思っています。

Q 最後に、これからナースアシスタントを目指す方にメッセージをお願いします。

私は 「ナースアシスタントの仕事=人と信頼関係を築くこと」 といっても過言ではないと考えています。かといって特別な能力が必要というわけではなく、あいさつや声かけをしっかりすること、心を開いて相手とのコミュニケーションを楽しむことができれば、自然と関係を構築していけるはず。相手の役に立ちたいという気持ちを忘れずに、自分から距離を縮める努力をしてみてください。

医療チームの一員として患者さんに関わり、仲間から刺激を受けながら成長していけるナースアシスタントの仕事は、魅力にあふれています。やりがいのある仕事を探している方には、自信をもっておすすめしたいです。

高橋さんの1日のスケジュール例/日勤 出棟業務の日

わかるまで丁寧に教えるから、未経験でも安心してほしい

未経験からナースアシスタントに転職し15年以上活躍する高橋さんと、同じく他業種からナースアシスタントになった平澤さん。リーダー経験のあるおふたりに、後輩指導で心掛けていることを聞きました。

高橋

私たちの仕事は患者さんの健康に関わるので、後輩の指導にあたっては、「わからないまま仕事にあたること」が絶対に起きないよう気をつけています。具体的に意識しているのは、質問しやすい空気づくり。「何度でも聞いてくれていいからね」とこまめに声をかけたり、一週間に一回は不明点や疑問を解消するための時間を設けたりしています。

平澤

私は、指導した相手の理解度を確認することを特に意識していますね。反応を見て言葉を変えながら繰り返し説明したり、「わからないことはない?」と最後に確認したりします。

高橋

こうした周囲のフォローがあるので、未経験の方も勇気を出してナースアシスタントの道に進んでほしいですよね。さらに、北里大学病院の場合は研修制度も整っており、新人向けの研修はもちろん、キャリアアップを目指すための研修もあります。未経験から医療人として成長していける環境が整っていると思います。

関連記事: ホームセンターの接客からナースアシスタントへ。患者さんが教えてくれた「接し方の正解はひとつじゃない」|私のキャリアチェンジ #1

取材協力:北里大学病院
編集・撮影:求人ボックスジャーナル編集部

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