西武鉄道 新造車両はライオンズをイメージ、中井~野方駅間などでの連続立体交差事業が続く、25年度の設備投資
西武鉄道は14日、2025年度の鉄道事業設備投資計画を発表しました。総額は424億円で、ホームドア整備や新型車両導入などに充てられる予定です。新宿線東村山駅付近など、4件の連続立体交差事業を引き続き推進し、踏切での慢性的な交通渋滞の解消、道路と鉄道それぞれの安全性の向上、鉄道により分断されていた地域の一体化を図ります。
ホームドア・定位置停止装置の整備
安全投資では、ホームからの転落防止を目的にホームドア設置駅を拡大する方針です。
今年度は東村山駅や保谷駅、新所沢駅で稼働を開始し、2026年度以降は池袋・中村橋・富士見台などで順次整備を進め、2030年代半ばまでに池袋〜小手指、西武新宿〜新所沢、小平〜玉川上水の各区間を中心に全駅での設置を目指すとしています。
定位置停止装置(TASC)の設置も進め、2027年度に池袋〜小手指間などへの導入を目指します。
より安全な踏切へ
踏切対策としては、検知エリアを「線」から「面」へ広げる高規格な2D式踏切支障検知装置の新設・更新、踏切異常検知システムを2カ所で追加導入し、落石防護柵の整備、高架橋柱44本の耐震補強、防犯カメラの100%設置達成も盛り込まれています。
連続立体交差事業・環境にやさしい車両の導入
また、東村山駅の高架化(6月下旬に新宿線下り線切替)をはじめ、中井〜野方間の地下化工事、井荻〜西武柳沢間の高架化など、4件の連続立体交差事業を推進し、沿線価値の向上を図る方針です。踏切計31カ所の除却により、渋滞緩和と地域一体化も目指すとしています。
さらに、省エネ性能を高めた40000系を3編成増備するほか、小田急8000形や東急9000系を改修した「サステナ車両」も導入。山口線(レオライナー)では2025~2027年度に全3編成を新造し、ライオンズをイメージしたデザインに変更する計画です。
【参考】西武山口線の新型車両はロングシートに!?2025年度末に「埼玉西武ライオンズ」イメージの第1編成がデビュー予定
https://tetsudo-ch.com/12995199.html
デジタル化を推進
タッチ決済やQRコード対応改札機を50駅に拡大し、2026年度には全駅対応を目指すとしています。
また、車いす利用者の事前受付や駅員支援を担う「GSシステム」を更新し、スマートデバイスによるスムーズな案内を可能にする方針です。
乗務員宿泊施設の個室化や休憩室のリニューアルなど職場環境を改善し、働きがいの向上を図ります。研修センターも「安全共育室」へ刷新し、展示エリアに加えて学習エリアを設けることで、安全教育の強化を進める狙いです。
(画像:西武鉄道)
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