知らなかった…。若年層の常識「テキスト通話」のメリット・デメリット【親子で取り入れる際の注意点は?】
臨床心理士・公認心理師のyukoです。電話とメールの間の機能「テキスト通話」を知っていますか? 今Z世代では「テキスト通話」が人気のコミュニケーションツールとなっているんです。親子でも試してみたいテキスト通話のコミュニケーションとメリット・デメリットを考えてみます。
中高生に人気のテキスト通話とは?
「ご飯だよ」と呼びかけてもスマホを手放せず、なかなか食卓にこない中2の娘。誰かと電話している様子ではなく、文字を打ち続けている様子。LINEならあとで返せばいいのに、と思うが今時の子はリアルタイムでのやり取りが多いのかな?
LINEやInstagramのDMなどのコミュニケーションツールに加え、「テキスト通話」が中高生の間で流行っているようです。
「テキスト通話」とは、着信が鳴るものの、音声ではなく文字でリアルタイムにやりとりするコミュニケーションツール。
LINE機能にあるノート通話や、Discordのテキスト通話などが代表的に用いられています。今の10代は幼いころからスマホやタブレットを手にしているので、声で話すやり取りと同様のスピードでテキスト通話が可能なんですね。
今流行りのテキスト通話の機能や利便性を知り、子どもへの理解や親子のコミュニケーションについて、考えていきます。
なぜテキスト通話が若者に人気?
恋人や親友など、かなり親しい間柄では電話でおしゃべりをする方がより身近に感じられて好む子もいます。
一方、テキスト通話は電話よりも垣根が低く、手軽さがあるので、より取り入れやすいコミュニケーションツールとなっているんです。
メリットとしては以下のような点が挙げられます。
・電話では気になる多少の沈黙も気になりにくい。
・考えながら言葉を打ち込めるので、電話よりも感情が揺さぶられにくい。
・ほかの人に聞かれる心配なく、場所を問わず利用できる。
・「いつ既読になるか?」などの心配なく、約束した時間にリアルタイムで話せる。
「適度な親密感」が人気の理由といえそうですね。
一方、こんなデメリットも。
・文字だけのコミュニケーションなので、意図しないニュアンスで受け取られることがある。
・深刻な相談だと気が滅入ってしまったり、長文でのやり取りに疲弊することがある。
テキストのやり取りだからこそ話せることもあれば、それゆえ話し過ぎてしまったり歯止めがききづらくなるときもあるんですね。
また、相手との関係性や間合い、テンションの機微をくみ取り、絵文字や顔文字、話し方を合わせながらやり取りをする必要もあるので注意も必要です。
親子のコミュニケーションでも役に立つ?
思春期になると親との距離感を意識して口数が減ったり、親も子どもにどう話しかけたらよいかわからなくなるときがあります。
家の中でもLINEでやり取りする家庭はあるようですが、業務的な連絡にとどまりやすいよう。親子双方、テキスト通話に興味があったり、話しやすいと感じる場合はコミュニケーションに取り入れてみるのもひとつです。
例えば、
・成績のことで強く言いすぎたら喧嘩になった。子どもは部屋にこもってしまったけど、少し冷静に話がしたい。顔を見るとまたお互いに感情的になってしまいそうだから心配。
・話したいことがあるようだったけど、食卓などに兄弟がいると学校の話をしにくいよう。家族に聞かれずにやり取りできる方法はないかな?
など、適度な距離感を保ちたい場合や家族全体に知られたくない内容の場合はテキスト通話が役に立つかもしれません。
一方、あまり慣れすぎてしまうと対面でのコミュニケーションが減ってしまったり、家族全体でのコミュニケーションバランスが変わってしまうので要注意。話題や状況を考えながら利用したり、こそこそ話になってしまわないようにするのが大切といえるでしょう。
思春期や反抗期になると、親子の会話が減りやすく、コミュニケーションが難しくなりますよね。子どもとの会話の増やし方を模索している方はぜひテキスト通話も試してみてください
yuko/臨床心理士・公認心理師