ソニーグループ、出版大手KADOKAWAの買収を検討。その思惑とは?
11月20日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、ソニーグループが出版大手KADOKAWAの買収に向けた協議に入ったというニュースについて意見を交わした。
ソニーグループが出版大手のKADOKAWAの買収に向けた協議に入ったことが昨日わかった。
ソニーグループはM&Aを通じてアニメやゲームなどのIP・知的財産を積み上げる成長戦略を進めている。一方のKADOKAWAはアニメやゲームのヒット作を多数保有している。
交渉は初期段階とみられている。
ソニーは今年3月の時点でKADOKAWAの株式をおよそ2%持っている他、KADOKAWAのゲーム子会社である「フロム・ソフトウェア」にも子会社を通じておよそ14%出資している。「フロム・ソフトウェア」は世界的なヒット作となったアクションRPG「エルデンリング」を手掛けている。ソニーグループはM&Aで作品やコンテンツの権利を蓄積し、ヒット作の有無に影響されない収益構造を目指している。また、映画・テレビで楽曲が使われたり、他のアーティストが楽曲を演奏したりする際に、使用料を徴収することが出来る。
寺島尚正アナ「ソニーグループによるKADOKAWAの買収報道ですが、森永さん、これはどうご覧になりますか?」
森永康平「そうですねえ、アニメとかゲームの、いわゆるIP・知的財産、これは欲しいって考える会社はめちゃくちゃいると思うんですよ。何でかっていうとですね、例えば飲食店とか見てても、最近IP、つまりキャラクターとコラボしたメニューとかがあるから業績がいいっていうところっていっぱいあるんですね。これはもう色んな飲食店が、例えば『ポケモンとコラボしました』とか、色々やるわけですよ。そうすると、うちの子供なんかもいい例ですけど、そのキャラクターのコラボの商品が食べたいとか、オマケが欲しいからってわざわざ行くわけです。このIPっていうのはめちゃくちゃ強くて、日本のキャラクターって世界でも通用しているので」
寺島「いわゆる知的財産ですね」
森永「そうなんですよ。これを獲得するっていうのは、イコール世界で戦えるブランドを持つことになるので、そりゃ欲しいだろうなと。逆に、今まで世界で戦ってきた、いわゆる製造業、白物家電や半導体だったりっていうのは軒並み海外に食われちゃってるわけじゃないですか。そんな中で未だにメイド・イン・ジャパンっていうか日本製が強いのってまさにこのIPの部分なんで、そりゃやっぱりね、今回はソニーって話ですけども、それ以外の会社も割安になってるIP抱えてる会社の株っていうのは、当然狙うだろうなって思いますね」
寺島「そうか、割安になってるというところで、狙うっていうことなんですね?」
森永「やっぱりIP単体でももちろん稼げるんですけど、それをコラボすることでよりシナジー効果が出てきますから、逆に何かすでにプロダクトとかサービスを持っている会社からすると、ブーストをかけるための手段としてIPを持っている会社を買いに行くっていうのは、合理的な考えだと思いますね」
寺島「はあ~そうか、そういう狙いがあるということなんですね。これ、そうするとソニーグループはKADOKAWAを買収する方向なんですね?」
森永「基本的にこんなニュースが出てきちゃいましたからね。行くでしょうね」
寺島「これはKADOKAWAにとっても、いいんですかね?」
森永「まあ、いいんじゃないですか?っていう気はしますよね。買ってくれる会社がちゃんとした会社ですし。例えばポッと出の、一瞬だけ業績がアホみたいにバーンと跳ね上がっているベンチャーとかが買ってしまったりすると、悲劇を迎えるということがよくあるパターンなんですけど、ソニーですからね」
寺島「ソニーだったらっていうところでしょうね」