コメ不足 9月中旬に解消の見込み はるみは平年並みの収穫量
全国各地でコメ不足が叫ばれる中、本紙発行エリア内のスーパーなどでは品薄状態が続いている店舗もある。厚木市・清川村のコメ農家が出荷するJAあつぎに、現状と今後の入荷状況などについて聞いた。
厚木市と清川村をエリアとするJAあつぎ(大貫盛雄代表理事組合長)によると、通常収穫されたコメは管内3カ所の倉庫で保管し、年間を通じて過不足ないように管理されている。しかし、今年はすでにどの倉庫も空の状態となっているという。
同JAでは「今が一番、コメの無い時期」としたうえで、ここ最近は報道などの影響もあり、異常な在庫の減り具合だったという。
新米の生育は
県内では新米の収穫が9月中旬から本格的に始まる。同JA管内のコメ出荷者は約340人で水田の面積は280ha。品種の9割近くが神奈川県産米の「はるみ」で、収穫量にすると約1170トンに上る。
昨年は豊作の年となったが、営農指導員を務める小林晴樹さんによると「今年も生育は順調で、台風の影響に懸念もあるが、平年並みの収量になるのでは」と話す。同JAでは収穫されたコメの出荷検査を中旬に予定。その後は収穫翌日に夢未市などの直売所に出荷されるという。
夢未市の店内にも9月中旬以降の新米入荷を告知する紙が貼られ、消費者に安心してほしいと呼び掛けている。
また10月に入れば全国で集荷が始まり、全国的にコメ不足は解消されると予想。しかし農薬や肥料などの資材高騰、光熱費の上昇など、農家の生産コストは年々増加している。コメの安定供給に向けてJAあつぎ管内でも、多くの農家が収穫作業を迎える。