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今年退職、昨年のふるさと納税控除はどうなるの?手続きは必要?

mymo

各地の返礼品が話題になっている「ふるさと納税」。ふるさと納税を行うことで翌年の住民税が軽減されます。しかし退職して収入がなくなった場合、控除はどうなるのでしょうか?今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、今年退職し昨年行ったふるさと納税の控除が気になる50代女性Aさんからのご相談です。

50代女性Aさんの相談内容

4月に会社を辞めました。昨年ふるさと納税をしています。今年の市町村民税や県民税は控除されるのでしょうか?仕事を辞めてすぐに夫の扶養に入っています。

そもそもふるさと納税とは

現在退職してご主人の扶養に入っているということで、昨年のふるさと納税に効果があったのかどうか気になりますよね。

ふるさと納税は簡単に言うと住民税(市町村民税や県民税)の前払いです。ふるさと納税を行うことで翌年の住民税が軽減されます。翌年の住民税の一部を「応援したい自治体に寄附する」という形で前払いし、2000円の自己負担で寄附先の自治体の特産品を返礼品として受け取れるということで人気を集めています。

詳しくは後述しますが、今回はAさんが退職された4月までに得た給与が100万円を超えているという前提でお話していきます。

住民税の仕組み 

【画像出典元】「stock.adobe.com/takasu」

前年の1月1日から12月31日までに得た収入から各種の所得控除を行い、住民税の課税所得を算出します。この課税所得の10%分と、一定の所得がある人を対象にした所得割を合算して翌年6月からの住民税の納税額が決定します。

ふるさと納税で寄附した金額は「寄附金控除」という所得控除の対象となり、所得控除されることで住民税の納税額が少なくなります。

所得が給与所得のみの場合、1月1日から12月31日までの税引き前の金額が100万円までだと住民税も所得税も発生しません。税引き前の金額が100万円を超えると住民税が発生し、103万円を超えると住民税に加え、所得税が発生します。

「扶養に入る」とは税制か、社会保険か?違いとは

「退職して配偶者の扶養に入る」という言葉をよく耳にしますが、この扶養は大きく2つに分かれます。

税法上の扶養

本人ではなく扶養している配偶者の所得税や住民税に関係するもの。扶養されている配偶者の所得によって適用される所得控除の金額が変わり、税金の額が変わります。

社会保険上の扶養

扶養されている配偶者の健康保険や年金に関係するもの。扶養されている配偶者の所得によって、健康保険料や年金保険料の納付の有無が変わります。

Aさんの「辞めてすぐに夫の扶養に入っています」という言葉は、おそらく社会保険上の扶養のことを意識されているのではないかと思われますが、税法上の扶養についても念のためご確認ください。

すでに退職したAさんの住民税の支払いはどうなる?

Aさんは4月に退職したということですが、前年の所得に対する住民税を6月から納税する必要があります。仮に今年の1月から収入がなかったとしても、住民税は前年の所得をベースに算出されるため、納付が必要です。

なお会社からの給与所得があれば住民税は天引きされますが、退職した場合は自治体から送付される納付票を使って自分で支払います。また4月の退職までの給与収入(税引き前)が100万円を超えていれば、来年の6月以降に、その金額を基に計算された住民税を納付しなければなりません。

昨年のふるさと納税、効果はあったのか?

【画像出典元】「stock.adobe.com/wooca」

結論から申し上げると効果はあります。前年のふるさと納税の効果が現れるのは翌年6月からの住民税の金額です。そのため、自治体から届くAさんの住民税の金額は、ふるさと納税による寄附金控除による節税効果が反映された金額になっています。

もし退職までの給与が100万円以下だと、ふるさと納税の効果はあるのか?

ふるさと納税は翌年の住民税の一部を前払いすることになるので、住民税が発生しない税引き前の給与の合計が100万円以下では節税効果はありません。またふるさと納税の返礼品は寄付額の30%以内と定められており、返礼品も実質的に割高になります。

ただし節税目的ではなく、地震や水害などを受けた地域に直接寄附をしたいという気持ちで、被災した自治体などにふるさと納税を行うことはもちろん可能です。

退職後に住所や名義が変更…ふるさと納税の注意点は?

自治体からの納付票を使って住民税を納めている人が転居したり、名義が変わったりしても問題はありません。手元の納付票で納付ができます。また納付票が到着する前に変更があったとしても、役所で転出・転入の手続きや名義の変更をすることで住民税のデータも引き継がれます。ただし、手続きが遅れると延滞税が発生する場合がありますのでご注意ください。

まとめ

Aさんのふるさと納税は無駄にはなっていないので安心してください。繰り返しになりますが、住民税は前年の収入をベースに計算されます。そのため退職・転職などの関係で収入が大幅に減少したり収入が無くなったりしても、納税の義務があるので注意しましょう。

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