国民の豊かさを表す「人間開発指数」最新2024年ランキング 日本は24位に後退
人間開発指数(HDI)とは 各国の発展度合いの指標
人間開発指数とは、英語で「Human Development Index(HDI)」。各国がどのくらい発展しているか、どのくらい貧困しているか、といった指標に使われる。
国の豊かさを測る指標にGDP(国民総生産)やGDP(国内総生産)があるが、これはその国の所得であり、人々にどの程度分配されているかはわからない。そこで、「長寿で健康な生活」「知識」「人間らしい生活」という3つの側面を包括的にまとめたものが人間開発指数(HDI)だ。
人間開発指数の算出方法
人間開発指数は、上記3つの側面で評価する。具体的には以下の内容で行う。
■長寿で健康な生活:平均寿命指数
■知識:教育指数:
■人間らしい生活:GDP指数
【2024年版・最新】人間開発指数ランキング
国連開発計画(UNDP)が発表した人間開発指数ランキングを紹介しよう。
上位30か国
下位10か国
過去の人間開発指数ランキング
過去の人間開発指数ランキングはこちらを参考にしてほしい。
■2022年版 人間開発指数ランキング
■2019年版 人間開発指数ランキング
2024年の人間開発指数ランキングからわかること
世界全体で人間開発指数は過去最高
前回のランキング結果と見比べてもわかるように、多くの国で人間開発指数が上がった。ヨーロッパ諸国、アメリカ日本などの先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)に加盟する38か国すべてで、新型コロナ前の2019年の水準を上回った。新型コロナの影響で、多くの国で2020年〜2021年の人間開発指数は急激に低下したが、今回のランキングでは多くの国がそこから回復。世界全体で見て、過去最高の水準に達した。
18の途上国ではコロナ前の水準に回復していない
一方で、2020年〜2021年に人間開発指数が低下した35の開発途上国について見てみると、半数以上にあたる18の国が、今でもコロナ前の水準には回復できていなかった。
先進国と途上国で格差が拡大
つまり、今回の人間開発指数ランキングから、先進国では国民がより豊かになっている一方で、最貧国のような途上国では依然としてコロナ前の水準に戻らず、先進国と途上国の格差が拡大していることがわかる。世界的な規模で、二極化が進んでいるのだ。
ランキング上位はヨーロッパ勢
2024年の人間開発指数ランキングでトップだったのは、スイス。それに、ノルウェー、アイスランドが次いでいる。前回のランキングでも上位に君臨している。
後退が激しいのはアフガニスタンとウクライナ
人間開発指数が著しく下がったのは、アフガニスタンとウクライナだ。アフガニスタンでは10年前の水準まで下がり、ロシアによる侵攻が続くウクライナでは約20年前の水準まで急激に下がった。
日本は横ばい 順位はダウン
日本について、前回の人間開発指数が0.925で、今回は0.920と、ほぼ横ばい。順位については、前回の19位から24位と下がった。
アジア諸国について目を向けてみると、香港4位、韓国19位、中国75位だった。
過去20年にわたり、先進国と途上国との間の不平等は縮小してきた。だが今回のランキング結果からは、その傾向が逆転したことが明らかとなった。
国連開発計画(UNDP)のアヒム・シュタイナー総裁は、「国際社会は相互に深く結びつくようになったにもかかわらず、私たちは目標を達成できていません」と発表。豊かな国と貧しい国の格差がますます拡大しかねないと警告を鳴らしている。
※ HUMAN DEVELOPMENT REPORT 2023-24|UNDP
※ UNDP人間開発報告書 最新版発表|国連開発計画(UNDP)