横須賀市 教員の負担減へAI活用 自動採点や文章作成支援
横須賀市は2025年度から市立学校に勤務する教職員の長時間勤務解消や教育の質向上に向け、期末テストの自動採点サービスや学級通信などの文章作成を支援する生成人工知能(AI)を導入する。
市教育政策課によると、自動採点サービスは市立中学校と高校計24校で導入。予め模範解答を専用ソフトに登録し、回収した答案用紙を複合機で読み込むとAIが正誤を判定。記述式の問題は従来通り教員が採点する。正答率などのデータ解析も可能で、授業内容に生かすことができる。
自動採点サービスの導入は藤沢市や秦野市などに続き県内4例目。24年度に中学校1校で実証実験を行ったところ、採点に要する時間が6割超削減できるなど一定の効果があったことから本格導入を決めた。
文章作成支援の生成AIサービス導入は県内初で、養護学校や特別支援学校を含む全市立学校でスタートさせる。市が全庁で導入する生成AIと同様、プライバシー保護が必要な情報については使用できない。導入により月あたり2時間程度の作業時間の削減が見込めるという。
同課は「業務改善を図ることで子どもと向き合う時間を十分に確保し、教育の質向上を図ることが期待できる」と説明している。
市が過去に行った労務環境に関する教職員向けのアンケート調査では採点業務の負担軽減を求める声が多かったといい、市は教職員の働き方改革の推進として25年度当初予算案に約9300万円を計上した。